HPE、ミッションクリティカル領域のラインアップを発表 高可用性とパフォーマンスをどう実現した?
HPEは、高可用性と高性能を備えた新製品「NS5 X5」と「NS9 X5」を発表した。金融や製造、小売、輸送分野で基幹業務の処理を強化し、フォールトトレラント性やセキュリティも強化した。
ヒューレット・パッカードエンタープライズ(以下HPE)は2025年6月3日、基幹業務に求められる高可用性とパフォーマンスを実現する新製品「HPE Nonstop Compute NS5 X5」および「HPE Nonstop Compute NS9 X5」を発表した。
フォールトトレラントなHPE Nonstop Computeソリューションの新たなラインアップは、従来に比べてどういった点が強化されたのか。
止まらない基幹システムの実現なるか
新製品は、従来比でメモリー容量およびシステム相互接続帯域幅を2倍に強化され、より多くのトランザクションを迅速に処理する能力を持つ。クレジットカード会社などの金融サービス業や小売業、製造業、輸送業といった分野において基幹業務に活用できる。
エントリークラスのHPE Nonstop Compute NS5 X5は「Intel Xeon Bronze 3400」シリーズプロセッサーを、同じくハイエンドモデルのHPE Nonstop Compute NS9 X5は「Intel Xeon Gold 6400」シリーズプロセッサーを搭載する。ハイエンドモデルは1ノードあたり最大8TBのメモリー、エントリーモデルは512GBのメモリーをサポートし、顧客の生産性向上に寄与する。さらにNS9 X5は、ネットワーク帯域幅を従来比で2.5倍に拡張しており、ファイバーチャネル接続の改善と合わせ、金融業界における秒間トランザクション処理数の向上を可能とする。
HPE Nonstop Compute NS9 X5は、過去2世代のHPE Nonstop Computeソリューションとのクラスター構成が可能であり、既存システムとの互換性を維持しながらの導入、移行ができ、ダウンタイムを最小化したシームレスな拡張を実現できる。加えてOSのアップデートおよび多要素認証(MFA)に対応したことで、SOC2監査手順への準拠、PCI-DSS(Payment Card Industry Data Security Standard)、GDPR(一般データ保護規則)、HIPAA(米国における医療保険の相互運用性と説明責任に関する法律)といった各種規制要件への準拠も支援する。
HPE Nonstop Computeプラットフォームは、高可用性を求めるビジネスニーズに応えるよう設計されており、例えば1日8万件の予約処理をするレンタカー企業や、世界の大手リテール銀行上位10行のうち6行におけるクレジットカード処理やATM、コアバンキング機能の基盤としても採用されている。
【修正履歴】「両製品ともに、1ノードあたり最大8TBのメモリーをサポートし、」の部分を「ハイエンドモデルは1ノードあたり最大8TBのメモリー、エントリーモデルは512GBのメモリーをサポートし、」に修正しました。(2025年6月7日7時23分)
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