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効率・拡張・柔軟・管理の4軸で評価する次世代オールフラッシュストレージの見直し方AIがもたらすデータ増とコスト高騰に挑む

生成AIの普及に伴うデータ増とインフラコスト高騰が課題になっている中、「ストレージコストの最適化」に注目が集まっている。本稿では、その鍵を握る高密度フラッシュストレージを「効率性」「拡張性」「柔軟性」「管理性」の4軸で評価するアプローチを解説。課題を打破する最新のストレージ戦略に迫る。

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AIの普及とデータ容量の増加を受け「ストレージコストの最適化」に注目が集まる

 AIの利用拡大がエンタープライズITを変えている。これまでエンタープライズサーチが担ってきた社内文書検索は、生成AIのプロンプト経由が代替するケースが増えている。SaaSを利用してきた業務システムのフロントエンドは、AIチャットBotやAIエージェントに置き換わる動きが進んでいる。

 AIがもたらす変化はアプリケーションやソフトウェアにとどまらない。コンピュート領域では、AIの学習や推論処理に対応するためにGPUを搭載したサーバが求められるようになった。ストレージ領域では、AIを利用するためにデータを効率的に蓄積して処理する新しいニーズが生まれたことで、大容量データを蓄積するためにデータレイクとして利用できる大容量ストレージや、高速な分析や処理が可能になる高性能ストレージが求められるようになった。

 米国の調査会社Omdia/ESGの調査によると、AIにおける推論処理の要件に対応するために企業が取り扱うデータ量は増加し続けている。同調査によると、IT部門の83%はストレージ容量の増強を計画している。また、IT部門の80%はAIニーズに対応するためにクラウドへのデータ移行を進めている。

 このように、AIの利用が広がり、それに伴ってデータ容量が増加する中であらためてAI利用のコスト増が課題になっている。業務で利用するAI関連のSaaSは、従業員1人当たり数千円のコスト増につながっている。データ容量が増加したことでオンプレミスのインフラ構築コストや運用コスト、クラウドの利用コストも上昇している。その背景には、AIサービスを開発・運用するためのプラットフォームの利用料や、AIサービスやAIプラットフォーム利用時に発生するデータ転送コスト(アウトバウンド)などがある。

 そんな状況下の企業にとってAIコストの最適化は喫緊の課題になっている。AIコストの最適化では、社内で利用するAIサービスの選定や標準化、AIインフラの最適化、データ容量の削減、クラウド利用コストの最適化など、さまざまな取り組みを進める必要がある。その中でも「ストレージコストの最適化」は、重要な取り組みの一つだ。

 ストレージはAI利用とデータ容量の増加に直接関わる領域のため、ストレージコストの最適化はAI利用コストの削減に寄与する。クラウドの利用コストが増えたため、オンプレミスでのストレージ構築への関心も高まり、見直しやすい状況にもなっている。

オールフラッシュストレージの見直しでAIコストの最適化を目指すアプローチ

 AIコストの最適化に向けて、ストレージコストをどうやって削減すればよいのか。そうした問いに有効なアプローチの一つが「オールフラッシュストレージの見直し」だ。

 オールフラッシュストレージは、AIワークロードを動作させる代表的な基盤だ。AI処理を迅速にこなすために、低遅延、優れたI/O性能とパフォーマンスが要求される一方、大量のデータを蓄積するために大容量化が求められる。NAND型フラッシュメモリ(SSD)を中心にさまざまな部材の調達コストが上昇しており、フラッシュストレージアレイそのものの価格が上昇している。さらに、セキュリティやデータ主権、コンプライアンスなどの要件も厳しくなってきている。

 オールフラッシュストレージの見直しは、AI時代におけるコスト課題をはじめ、セキュリティやコンプライアンス、データ主権などの課題を解消するためのカギになっている。

 どのようにしてオールフラッシュストレージの見直しを進めるのか。そこで注目したいのが高密度フラッシュストレージだ。

 高密度フラッシュストレージは、高いパフォーマンスを維持しながら、フットプリントが小さく、大容量化にも対応できる。高密度を実現するにはさまざまなアプローチがあり、それらをうまく組み合わせる仕組みが重要だ。内蔵するSSDは主流のTLC(トリプルレベルセル)に加えて、QLC(クアッドレベルセル)を併用することで、フットプリントを変えずに大容量化できる。1つのセルに3bitを書き込むTLCよりも、1つのセルに4bitを書き込むQLCの方が、大容量化を実現させやすいからだ。

 基本的にQLCはTLCよりも大容量化が見込めるが、書き込み回数上限や書き込み速度、レイテンシなどはTLCに劣る。しかし、現在はコントローラーの進化によって、TLCと同等のパフォーマンスを発揮できる。

 他にもデータの圧縮や重複排除などの技術を利用して、データ容量を削減できる。必要に応じてSSDを追加したり、筐体(きょうたい)を増やしたりすることで、ビジネスニーズに合わせた最適な容量増加を実現させるアプローチもある。

 これらのアプローチを整理すると、高密度オールフラッシュストレージは「効率性」「拡張性」「柔軟性」「管理性」の4つのポイントで評価できる。

高密度フラッシュストレージを評価する4つのポイント

 高密度オールフラッシュストレージを評価する1つ目のポイント「効率性」は、データの圧縮や重複排除などによって、データを効率良く削減する仕組みを備えることだ。

 オールフラッシュストレージは、ベンダーごとに「データ削減保証」のような仕組みが提供されている。削減保証が「3対1」の場合、データを3分の1にまで削減できることをベンダーが保証する。効率性を高めるには、できるだけ削減保証が高いストレージを選定することが重要だ。

 後述する「柔軟性」「管理性」にも関わるが、TLCとQLCを組み合わせて利用して、データ利用効率を高める仕組みを提供することも重要になる。低遅延、高IOPSが求められるデータはホットデータとしてTLCやMLC(マルチレベルセル)に保存し、高いパフォーマンスが求められないコールドデータはQLCに保存することで利用効率を高められる。

 2つ目のポイント「拡張性」は、データ容量をTB(テラバイト)クラスからPB(ペタバイト)クラスにまでスケールアップ、スケールアウトできることだ。拡張性は1台の筐体内にSSDを何本搭載できるか、TLCだけでなくQLCに対応しているか、複数の筐体を何台まで組み合わせられるかなどで変わる。

 近年は、既存の2.5インチSSDだけでなく、より薄型のE3 SSDや、M.2、U.2などのフォームファクターを採用するストレージ製品も増えている。これにより小さなフットプリントで拡張性を向上させられる。

 3つ目のポイントは「柔軟性」だ。1つのストレージで複数のワークロードに柔軟に対応できれば、ストレージとしての利用価値は高まる。ファイルストレージ、ブロックストレージ、オブジェクトストレージ、仮想化、コンテナなどに対応しているかどうかが重要になる。

 Omdia/ESGの調査によると、ITチームの71%がストレージをAI/MLパイプラインで利用する際に難しさを感じていた。従来のエンタープライズストレージは、AI/MLパイプラインと接続する際にデータの移動や加工のための処理が必要になる。そのため、ストレージにはAI/MLパイプライン、アナリティクス、コンテンツ作成、ライフサイエンス、エンタープライズファイルなどを同一のインフラストラクチャで処理できる柔軟性が必要だ。

 4つ目のポイント「管理性」では、さまざまな作業を自動化して管理効率を向上させる仕組みを備えて、少ない人数でより多くの作業をこなせることが重要だ。リソースの利用状況や将来予測、故障の予兆検知、トラブルシューティングなどをAIで自動化できる仕組みが望ましい。自己修復などの機能を持つこともメリットになる。セキュリティやコンプライアンス、データ主権などへの対応も重要だ。

高度化するオールフラッシュストレージ、次世代の技術を採用した新製品が登場

 こうした4つのポイントに加え、ライフサイクル管理を踏まえた「継続性」や、他製品やクラウドサービスとの「連携性」、プラットフォームとしての「統合性」なども評価のポイントになる。

 ビジネス環境は常に変化しており、ITインフラもその変化に対応できるようにする必要がある。アップデートで最新機能をスムーズに追加したり、サブスクリプションなどのサービスモデルで部品の調達や交換など運用したりしやすい仕組みを持っていることが望ましい。

 AI活用においてはクラウドサービスとの連携は必須といえる。ストレージそのものを仮想的なアプライアンスとしてクラウドで運用したり、データをハイブリッドな環境でスムーズに移行したりできるような仕組みを備えるべきだ。

 サーバ製品、バックアップ&リカバリー製品などを組み合わせて、セキュアで信頼性の高いAIプラットフォームを構築する統合性を持つことも重要だ。

 この他にも、オールフラッシュストレージとしての「高性能」「信頼性」「耐障害性」などは必須要件だ。

 高密度フラッシュストレージはこうしたさまざまな要件やニーズに応えるために大幅に機能が強化された次世代バージョンとして展開され始めており、さまざまなベンダーから製品の提供も始まっている。正しく製品を評価して、自社に適した製品を選択することが重要だ。

デル・テクノロジーズ、第3世代の「Dell PowerStoreシリーズ」を発表

 デル・テクノロジーズはオールフラッシュストレージ製品「Dell PowerStoreシリーズ」を展開している。2026年5月には効率性、拡張性、柔軟性、管理性などが大幅に強化された第3世代(Gen3)の「Dell PowerStore Elite」を発表した。デル・テクノロジーズは同シリーズを「新世代のモダンデータプラットフォーム」に位置付けている。

 第3世代のDell PowerStoreシリーズは、性能面ではソフトウェア主導の改善により、パフォーマンスを最大3倍に向上させた。6対1のデータ削減保証により、より少ないコストでより多くのデータを保存できるようになった。

 効率性や拡張性の点では、単一の3Uシステムで最大5.8PBの実効容量を提供して、さまざまなワークロードを統合して管理できるようになった。システム全体で無停止のアップグレードも可能で、継続的なモダナイゼーションを実現できる。

 管理面でも、AI主導の自動化により手作業を最大95%削減できる他、「Dell Cyber Detect」により、99.99%の信頼度でランサムウェア(身代金要求型マルウェア)を検出するなど、セキュリティを強化した。


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Dell PowerStore Elite(提供:デル・テクノロジーズ)《クリックで拡大》

筆者紹介

スコット・シンクレア(Scott Sinclair)

通信/IT関連を専門とする市場調査会社Omdia/ESGのインフラストラクチャ、クラウド、DevOps担当プラクティス・ディレクター、アナリスト。インフラストラクチャ、クラウド、DevOpsを専門とするESGのアナリストチームを率いる。サーバおよびストレージ業界で25年以上の経験があり、Fortune 500にランクインするテクノロジー企業での勤務経験から得た専門知識を生かして、クライアント固有の課題解決を支援。以前は、デル・テクノロジーズおよびEMCで上級管理職を務めた。ヴァンダービルト大学でコンピュータ工学の学士号を、テキサス大学オースティン校のマコームズ・スクール・オブ・ビジネスでMBAを取得。


※本記事は、デル・テクノロジーズからの寄稿記事を翻訳・再構成したものです。

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提供:デル・テクノロジーズ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:アイティメディア編集局/掲載内容有効期限:2026年7月17日

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