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フラッシュメモリ供給ショックを打破して不確実な時代を勝ち抜く「4つのストレージ戦略」価格高騰と納期遅延を乗り切る次世代の選定基準

需要拡大に伴うフラッシュメモリの供給不足や価格高騰により、IT担当者はストレージ調達に苦悩している。必要なデータの容量の増加やセキュリティといった課題への対応に迫られる中、不確実な市場を生き抜くにはどうすべきか。本稿では現状を打開する4つのアプローチと将来を見据えたストレージ戦略を解説する。

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「在庫がない」「納品に時間がかかる」 NAND不足でIT担当者の悩みが深刻化

 NAND型フラッシュメモリ(以下、フラッシュメモリ)の供給が不足している。背景にあるのは、世界的なデジタル化の進展だ。電子機器やIoT機器、自動車の車載システム、医療機器、ロボット、ドローンなど、フラッシュメモリの用途が急増して供給不足に陥っている。消費者向けの高性能なSDカードやSSDはこの数年で価格が2〜3倍に高騰したケースもある。

 米国の市場調査会社Omdia/ESGの調査によると、フラッシュメモリの主要メーカーの1社であるSamsung Electronicsは2026年に価格を少なくとも50%引き上げる見込みで、SanDiskは100%、その他の主要サプライヤーも50〜80%値上げする見込みだ。

 2025年ごろからはAI需要が拡大して、AI向けデータセンターでの需要が急拡大した。SK hynixは2025年10月、「AIインフラへの投資拡大に伴い、メモリ分野全体の需要が急増している」として、2026年末までのフラッシュメモリの生産分は全て顧客に割り当て済みであることを明かした([SK hynixプレスリリース]https://news.skhynix.com/sk-hynix-announces-3q25-financial-results/)。同社の最高財務責任者は「AI技術の革新により、メモリ市場は新たなパラダイムへと移行して、需要はあらゆる製品分野に広がり始めている」とコメントした。

 ある国内フラッシュメモリメーカーは2026年3月期決算で売上高が初めて2兆円を突破した。決算報告会では「AI向けデータセンターとエンタープライズの需要がフラッシュメモリ市場の拡大をけん引している」と明かした。国内フラッシュメモリメーカーでは、こうした傾向は継続し、2027年度も需要が供給を上回ると予測している。

 このようにフラッシュメモリが世界的に不足する中で頭を悩ませているのがITシステム担当者だ。特にフラッシュメモリを使った高性能なデータストレージを調達するチームは、製品の納期が大幅に遅れることで、サービス提供に影響が出るリスクに不安を募らせている。

 現場の担当者からは「そもそも在庫がない」「数週間で届いていたものが数カ月かかるようになった」「注文するかどうか迷っている間にも価格が上昇するため、計画が立てにくい」といった切実な声が聞かれるようになった。

 こうした製品調達の課題を解消するためにクラウドを利用する選択肢もあるが、その場合は運用コストやセキュリティ、データ主権など別の課題に対応する必要がある。フラッシュメモリ不足が深刻化する中、高性能なデータストレージをどのように採用すればよいのだろうか。

「容量」「セキュリティ」「コスト」「最新性」データストレージにある4つの課題

 高性能なデータストレージに対するニーズは年々高まっている。特にオールフラッシュストレージは仮想化やコンテナ、ファイルシステム、AI、プライベートクラウドなど、ユーザー企業のさまざまなワークロードに対応できるシステムとして、ストレージ選定の中心的な存在だ。

 高性能なデータストレージを調達する場合に課題になるのは、フラッシュメモリ不足や価格高騰、調達期間の長期化だけではない。ビジネス環境を背景にした、そもそもの課題に対応する必要がある。課題は4つある。

 1つ目は「データ量の増加」だ。企業が取り扱うデータ量は増加の一途をたどっている。Omdia/ESGの調査によると、今後2年間で総データ量が少なくとも年間26%増加すると回答した企業は全体の約半数に達した。AI活用が進むと、データを蓄積する基盤や学習・推論のための基盤といったAIインフラへのニーズが高まって、さらなるストレージ容量が求められる。Omdia/ESGがAIデータの収集・前処理環境におけるデータストレージの課題について尋ねたところ、「ストレージ容量の計画策定」を挙げたユーザー企業は約45%で最も多かった。

 2つ目は「データセキュリティとコンプライアンス」だ。Omdia/ESGの調査で「ストレージ容量の計画策定」の次に挙がった課題が「データセキュリティとコンプライアンス」だ。約24%の組織が課題として挙げた。特に、コンテナやAIなどの新技術の採用が広がったことで、既存のセキュリティ製品・サービスではカバーできないケースも増えてきた。ランサムウェア(身代金要求型マルウェア)を中心にセキュリティ製品・サービスの検知をかいくぐる巧妙な攻撃も増えている。ストレージ側で、セキュリティとコンプライアンスに対応した機能を実装するよう求める声も高まっている。

 3つ目は「運用コスト」だ。コンテナやAIなど新しいワークロードを含めてストレージを運用する場合は管理が非常に煩雑になり、運用管理コストも増加しやすい。パフォーマンスや容量、I/O性能、レイテンシなどの効率的な監視はもちろん、AIなどを使って自動化する仕組みなども必要になる。

 4つ目は「最新機能への対応」だ。ストレージは単にデータを保存するだけでなく、データを保護して有効活用するためにさまざまな機能が求められる。マルチクラウド/ハイブリッドクラウド連携の仕組みや、データ移行・バックアップ&リカバリーなどのサイバーレジリエンス対応のように、時代のニーズに合わせて最新機能にアップデートできるかどうかが重要だ。

オールフラッシュを採用して導入するために重要な4つのアプローチ

 フラッシュメモリの供給不足は、高性能なデータストレージがそもそも直面していた「データ容量」「セキュリティ」「コスト」「最新性」といった課題をより明確にした。フラッシュメモリの不足が継続して、さらにデジタル化に伴う新たな課題に直面することも予測される中、ストレージ担当者はどのようなアプローチで臨めばよいのだろうか。

 Omdia/ESGは、オールフラッシュのような高性能なデータストレージの採用には4つの方針が重要だと説いている。

 1つ目は「アーキテクチャの柔軟性を確保する」だ。フラッシュメモリにはNVMe、SATA/SASなどの規格があるが、それらに柔軟に対応できる製品を選定することで部品調達の難易度を下げる。必要に応じてフラッシュメモリだけでなく、HDDなどを組み合わせてシステムを構成できる製品を選定する。こうした複数のフラッシュメモリ、HDDに対応したハイブリッドアーキテクチャを実現させることで、不確実で予測困難な状況に陥った場合も対応しやすくなる。

 2つ目は「ストレージ効率(論理的な実行容量)に注目する」だ。ストレージ容量は圧縮や重複排除などの技術によって、本来の容量を超えて利用できる。圧縮や重複排除で4倍(4対1)のストレージ効率を実現させれば、100TBを実質400TBとして利用できる。

 実行容量はベンダーごとに2対1や4対1などに設定されている。容量効率が高い場合、パフォーマンスや機能、可用性などがトレードオフになることもあるため、ベンダーの推奨設定(多くの場合は2対1)で利用するのが望ましい。ただし、フラッシュメモリ不足の課題に対応するためには優先順位を変え、容量を重視した設定にすることも有効だ。

 圧縮や重複排除以外にもシンプロビジョニングやティアリング(階層化)、キャッシュなどの機能でストレージ効率を高められる。こうした機能を提供しているかどうかを選定材料にしたい。

求められるのは現状を正確に把握して将来を見据えたストレージ戦略

 3つ目は「既存資産の活用」だ。多くの場合、既存環境には十分に活用されていないリソースが存在しており、あらためて調査すれば活用できるリソースを見つけられる。十分に活用していると思える資産の中にもムダがあることは多い。予測分析や保証期間の延長、サポート範囲の拡大といったライフサイクル延長プログラムが適正に機能していないこともある。それらをあらためて精査、棚卸しすることも重要だ。

 4つ目は「影響力のあるベンダーを選ぶ」ことだ。製品の原材料費が高騰する中、フラッシュメモリだけでなくCPUや電源、ファン、シャシー、エンクロージャーなど、さまざまな部材が高騰している。サプライチェーンは刻一刻と変化しているにもかかわらず、性能、価格、機能だけでベンダーを選んでしまい、事業継続性が確保できない事態に陥るケースも増えている。性能、価格、機能はもちろん重要だが、ストレージ効率の保証やライフサイクル延長オプション、サプライチェーンの広範なカバー範囲などを基準にベンダーを選定することも重要な要素になる。

 企業におけるAI活用が進む中、オールフラッシュストレージに代表される高性能なデータストレージへのニーズは今後も高まり続けるだろう。一方で、フラッシュメモリや部材の高騰でサプライチェーンの在り方も変わってきている。ストレージ担当者に求められるのは、ビジネスの状況を把握して、ストレージに求められる要件を精査しながら、ビジネスに貢献できる製品を選定、利用することだ。現状を正確に把握して、将来を見据えたストレージ戦略が求められている。

不確実な時代のビジネスを支えるデル・テクノロジーズのストレージ

 デル・テクノロジーズは、オールフラッシュに代表される高性能なデータストレージを展開しているグローバルベンダーだ。

 NVMeに対応したオールフラッシュストレージ「Dell PowerStore」は、圧縮・重複排除機能に優れており、AIを活用した運用(AIOps)や豊富なセキュリティ機能で、ストレージ管理のさまざまな課題を解決する。2026年5月には効率性、拡張性、柔軟性、管理性などが大幅に強化された第3世代(Gen3)の「Dell PowerStore Elite」を発表した。デル・テクノロジーズは同シリーズを「新世代のモダンデータプラットフォーム」に位置付けている。

 第3世代のDell PowerStoreシリーズは、性能面ではソフトウェア主導の改善により、パフォーマンスを最大3倍に向上させた。業界最高の6対1のデータ削減保証により、より少ないコストでより多くのデータを保存できるようになった。

 効率性や拡張性の点では、単一の3Uシステムで最大5.8PB(ペタバイト)の実効容量を提供して、さまざまなワークロードを統合して管理できるようになった。システム全体で無停止のアップグレードも可能で、継続的なモダナイゼーションを実現できる。

 管理面でも、AI主導の自動化により手作業を最大95%削減できる他、「Dell Cyber Detect」により、99.99%の信頼度でランサムウェア(身代金要求型マルウェア)を検出するなど、セキュリティを強化した。

 HDDとSSDを組み合わせた構成を利用する場合は、「Dell PowerVault」ストレージがおすすめだ。Dell PowerVaultはSANとDASに最適化されたストレージだ。エントリー向けに「Dell PowerVault ME5シリーズ」を提供する。


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Dell PowerStore Elite (提供:デル・テクノロジーズ)《クリックで拡大》

筆者紹介

スコット・シンクレア(Scott Sinclair)

通信/IT関連を専門とする市場調査会社Omdia/ESGのインフラストラクチャ、クラウド、DevOps担当プラクティス・ディレクター、アナリスト。インフラストラクチャ、クラウド、DevOpsを専門とするESGのアナリストチームを率いる。サーバおよびストレージ業界で25年以上の経験があり、Fortune 500にランクインするテクノロジー企業での勤務経験から得た専門知識を生かして、クライアント固有の課題解決を支援。以前は、デル・テクノロジーズおよびEMCで上級管理職を務めた。ヴァンダービルト大学でコンピュータ工学の学士号を、テキサス大学オースティン校のマコームズ・スクール・オブ・ビジネスでMBAを取得。


※本記事は、デル・テクノロジーズからの寄稿記事を翻訳・再構成したものです。

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提供:デル・テクノロジーズ株式会社
アイティメディア営業企画/制作:アイティメディア編集局/掲載内容有効期限:2026年7月17日

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