数万円から数十万円まで、幅広い価格帯の製品がそろうノートパソコン。とはいえ5万円前後までの製品はスペックも横並びで特徴に乏しく、ユニークなモデルが出てくるのはおおむね10万円前後の価格帯からになります。
選択肢が増えるため選ぶのが楽しい反面、どのような製品を買っていいか悩む人も多いでしょう。今回は、10万円前後のノートパソコンの選び方や、おすすめの製品をご紹介します。
ノートパソコンは搭載する液晶ディスプレイの大きさで大体のサイズを知ることができます。一般的な製品の場合、ディスプレイのサイズはおおむね10型前後から17型前後となっています。基本的には、「ノートパソコンを持ち運ぶかどうか」を基準に欲しいモデルを決めるのが無難でしょう。
ノートパソコンを頻繁に持ち運びたい場合、10〜13型の液晶を搭載するモデルが最も適していると言えます。これらは重量も1キロ台かそれ以下に抑えられている場合がほとんどで、毎日バッグに入れて持ち運ぶのもそれほど苦ではありません。15型で重量2キロを超えてくるようなモデルだと、頻繁な持ち運びは厳しいでしょう。
逆に、家のリビングなどにおいて持ち運ぶ予定がない場合、液晶サイズが大きく画面を見やすい15〜17型のモデルがおすすめです。重量は2〜3キロほどになりますが、置きっぱなしであれば大きな問題にはなりません。
10万円前後のノートパソコンでは、普段使いで不満を感じない程度の処理能力を備える、いわゆるミドルクラスのCPUを採用するモデルも増えてきます。ノートパソコンで圧倒的な採用率を誇るのはIntel(インテル)製のCPUですが、「Core(コア) i5-10210U」といった最新世代の“第10世代Coreプロセッサ”を搭載しているモデルが狙い目です。
また、少数ですがAMD製の「Ryzen(ライゼン)」プロセッサを搭載するモデルもあります。このクラスではインテル製CPUと性能が大きく変わらず、コストパフォーマンスに優れたモデルもあるため、「Ryzen 5」や「Ryzen 7」などを搭載したノートパソコンを選んでも特に不都合はありません。
CPUの他にも性能に直結するのがメモリやストレージです。10万円クラスのパソコンであれば、メモリ容量8GB以上、ストレージは256GB以上のSSDを搭載したモデルがおすすめです。
メモリ容量が4GBなどのモデルだと、インターネットブラウザで多くのタブを開いた際や、WordやExcelといったアプリを立ち上げた際に、動作が重くなったり不安定になってしまう可能性が高くなります。
ストレージに関しては、SSDを搭載していても保存容量が128GB以下だとやや心もとない場合があるため、なるべく容量の大きいモデルが望ましいでしょう。500GB程度あれば十分です。
Dell(デル)の「Inspiron 14 5000 2-in-1 プレミアム(Office付)」は、通常のノートパソコンモードに加え、タッチ操作対応の液晶ディスプレイを360度回転させることでタブレットとしても利用できる2-in-1のパソコンです。
ディスプレイサイズは14型と若干大き目ですが、重量が約1.7kgと抑えられているため、持ち運びも難しくはありません。動画などのコンテンツをいつでも大きな画面で楽しみたい、というユーザーに向いていると言えます。
CPUはインテルの第10世代Core i5を搭載しており、メモリ容量は8GB、ストレージ容量は256GB。SSDは高速な「NVMe」と呼ばれるタイプなので、スペック的には十分と言ったところでしょう。加えてMicrosoft Officeが付属するなど、普段使いやビジネスに幅広く役立ちそうなモデルに仕上がっています。直販価格は10万5578円(税込、以下同)です。
ASUS(エイスース)の「ZenBook S UX391UA」は、フルHD(1920×1080ピクセル)表示の13.3型液晶ディスプレイを搭載し、持ち運びやすさにフォーカスしたモデルです。
最大の特徴は厚さ12.9mm、重量約1.05kgの軽量ボディーで、この価格帯の13.3型ノートパソコンとしてはトップクラスの軽さが魅力的。その他、ディスプレイを開くことでキーボードに傾斜ができる「エルゴリフトヒンジ」、指紋認証でログイン可能なセンサーなどを採用しています。
CPUは第8世代のインテル製「Core i5-8250U」、メモリ容量は8GB、ストレージは256GB SSD。最新モデルではないですが、そのぶん価格が落ちているので、コストパフォーマンスの高いモデルに引かれる人におすすめです。実売価格は9万9800円前後です。
日本HPの「ENVY x360 15-ds0000 パフォーマンスモデル」は、15.6型のタッチ対応液晶ディスプレイを搭載したクリエイティブユーザー向けのノートパソコンです。クリエイティブ向けをうたうだけあって、基本スペックが同価格帯でも高めにまとまっているのが特徴です。
CPUにはAMD製の「Ryzen 7 3700U」を搭載し、メモリ容量が16GB、ストレージが512GBのNVMe SSD。メモリ、ストレージとも十分な余裕があり、動画・画像編集などのコンテンツ制作にも使えるだけのポテンシャルを備えています。
ディスプレイが15.6型のため本体サイズは大きめで、重量もおよそ1.98kgあるため、基本的には自宅などに据え置きで使う用途に適しています。据え置きだとあまり生かす機会もないかもしれませんが、バッテリー駆動時間が最大約13時間と非常に長いのもポイント。実売価格は10万5000円前後です。
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