食材や飲み物を冷やしたまま保存できる冷蔵庫。各家庭に欠かせない家電の1つとして、不動の地位を築いています。
この記事では、3〜4人家族での利用に最適な容積500L前後の冷蔵庫を選ぶ上で注目したいポイントをチェックしつつ、それを踏まえたおすすめ機種を紹介します。
現在販売されている冷蔵庫は、ほぼ全てが冷蔵室と冷凍室を備える「冷凍冷蔵庫」です。この記事では冷凍冷蔵庫のことを「冷蔵庫」と記載します。
冷蔵庫は、余裕をもって大きめの容量を選ぶのがおすすめです。
冷蔵庫の容量は、製品サイトやカタログのスペック表では「定格内容積」と表記されることが多いです。この容積はJIS(日本工業規格)でしっかりと定義されており、「収納スペース」と「冷気循環スペース」を含み、「引き出しケース」を除いた容積を示しています。
……といっても「どのくらいの容量が必要なの?」と思うでしょう。家庭用の冷蔵庫の容量は、冷蔵室と冷凍室の合算で100Lから700Lまでさまざまです。食材や飲料を買うペースにもよりますが、多くの家電メーカーでは、以下を足し合わせたものを基準に容量を選ぶことを勧めています。
例えば、4人家族で使う冷蔵庫なら、上記を足し合わせると450〜550Lの容量が適正、ということになります。
予備容量は、多く買い込んだ際の収容余力と冷蔵・冷凍性能のゆとりを確保するためのものです。食材を一気に買い込むことが多い場合は、計算で出た適正容量よりも大きめの機種を買うと良いでしょう。
ちなみに、冷蔵庫によっては真ん中の段に野菜室、下段に冷凍室がありますが、300〜400Lの中型クラスの冷蔵庫は、モーターを下段奥側に配置する製品が多く、その分だけ下段の保存スペースが限られてしまうことがあります。
冷蔵庫にはドアが付いていますが、片扉の機種では「左開きタイプ」「右開きタイプ」があります(両方をラインアップしている機種が多いです)。左右にドアが付いていて中央部から両サイドに開く「観音開き(フレンチドア)」の機種もあります。
これら冷蔵庫のドアの開き方と開くのに必要なスペースは、意外と見落とされがちなポイントでもあります。冷蔵庫の設置場所とドアの開き方の組み合わせによっては、使い勝手が悪くなる場合もあります。ドアの開き方は、しっかりチェックしておきたいです。
自宅の間取りによっては、容量が大きすぎる冷蔵庫はそもそも搬入できない恐れもあります。また、設置予定場所の面積が足りなくてうまく入らないということもありがちです。さらにいうと、サイズは大丈夫でも、搬入・搬出の導線によっては自宅に入れること自体が困難であることもあります。
冷蔵庫は、カタログサイズを確認するだけではなくできる限り実機を見に行ってサイズ感を把握することをおすすめします。また、購入時や買い換え時に搬入・搬出するための導線についてもしっかり考慮に入れて検討しましょう。
最近の冷蔵庫は、野菜の鮮度を保つ機能や、AI(人工知能)が稼働状況を分析して、家庭ごとに運転モードを最適化する機能など、各メーカーが機能改善を競っています。
シャープの冷蔵庫には人感センサー「COCORO EYE」を搭載してた機種があり、冷蔵庫の前に人が近づいたことを知らせてくれたり、冷蔵庫に話しかけることでさまざまな情報を得たりすることができます。
東芝ライフスタイルの冷蔵庫には、調理中の野菜の出し入れを立ったままの姿勢で行えるように設計し、野菜くずや泥などを「掃除口」から吐き出す機能を備えた機種があります。
この他にも、各社の最新製品ではWi-Fi(無線LAN)やBluetooth通信機能を備え、専用スマートフォンアプリを使って管理をしやすくしたものがあります。庫内の温度設定や製氷用タンクの水切れをアプリで確認できたり、扉の開閉回数をグラフ化して省エネの観点でアドバイスする機能を備えたりと、この点でもメーカーが個性を競い合っています。
上記のポイントを踏まえて、おすすめしたい容積500L前後の冷蔵庫を紹介します。
シャープ製の6ドア観音開き冷蔵庫です。容積は501Lとなります。
同社ではおなじみの「プラズマクラスターイオン」の発生装置が内蔵されており、冷気や付着菌を除菌することができます。食品の霜付きやドリップを抑える「お急ぎ冷凍機能」も備えます。
日立製の6ドア観音開き冷蔵庫です。容積は475Lとなります。
真空で密閉保存し、鮮度を長持ちさせる「真空チルド」機能を搭載しています。扉の素材には強化ガラスを使用しており、耐久性が高いことが特徴です。
東芝ライフスタイル製の6ドア観音開き冷蔵庫です。容積は462Lとなります。
その名の通り野菜の保存に定評のある機種ですが、モード切り替えによって肉や魚をしっかり保存できるチルド室、冷凍酢イードを切り替えられる冷凍室など、野菜以外の保存にも力を入れています。
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