間もなく本格的な夏を迎えます。エアコンやクーラーの補助、あるいは“優しい風”を求めて扇風機を買おうと考えている人もいると思います。
税込みで5000円以内で買えてしまうものから2万円近くの高価格帯のものまで、扇風機の価格帯は意外と幅広いものです。この記事では、4000円以内で買える機種について、チェックすべきポイントを解説していくと同時に、それを踏まえたおすすめ製品を紹介します。
扇風機には、コンセントからの電気をそのまま使う「交流(AC)モーター」を使うものと、直流電流を用いる「直流(DC)モーター」を用いるものがあります。
DCモーターの扇風機は、ACモーターを用いるものよりも省エネ性能が高く、電気代を押さえられます。また、モーターの回転数を調整しやすいため、あえて羽根の回転数を抑えて柔らかい風を送ることができます。
しかし、その分追加の電気回路を組み込む必要があることから、DCモーター扇風機は高付加価値モデル、言い換えれば高価格帯のモデルが中心です。
一方、今回紹介する5000円以内で購入できる扇風機は、ACモーターを用いるモデルがほとんどです。電気回路やモーターの構造がシンプルであるがゆえに価格を抑えやすいからです。
ただし、DCモーター扇風機と比べると。ACモーター扇風機は「弱い風」を作るのは苦手で、風量調整も細かくはできないモデルが多いです。おおむね、風量は「弱」「中」「強」の3段階で調整することになります。また、消費電力の面でも「強い風」を作るとより効率的と言われています。
「夏場は常に強風がいい!」「扇風機は夏にしか使わない!」という人であれば、手頃な価格のACモーター扇風機がおすすめです。
手頃な価格の扇風機といえば、スイッチはロック機構付きで、オフタイマーもひねって設定するアナログ方式を思い浮かべます。しかし最近、低価格帯でもスイッチやオフタイマーをデジタル化した扇風機が出てきています。
デジタルスイッチ/オフタイマーのメリットは、タッチ操作で“ひねる”ことなくタイマーを設定できることにあります。また、デジタルスイッチ/オフタイマーを備える機種の多くはリモコンによる遠隔操作にも対応しています。
一方で、デジタルオフタイマーは「1時間」「2時間」「4時間」といった機種ごとに定められた固定単位でしか設定できません。それに対して、アナログタイマーの機種は“ちょうど”の設定は難しいですが、デジタルタイマーよりも細かく時間設定できます。また、途中で「オフになるまでの時間をもうちょっと延ばそう」と思った際に時間を付け足すこともできます。
オフタイマーに柔軟性を持たせたいと考えるなら、あえてアナログスイッチ/オフタイマーを備える機種を選ぶのも“アリ”でしょう。
扇風機の羽根には、メーカーがそれぞれにこだわりを込めています。羽根において一番注目すべき要素は枚数です。
一般的に、羽根の枚数は「騒音(駆動音と風音)」と「風量」「風質(起きる風のなめらかさ)」に影響するとされています。羽根の枚数が少ない扇風機は駆動音を抑制しつつ強い風を起こしやすく、逆に多い扇風機は1回転のうちに送り出す風が多くなるため“なめらかさ”を感じやすい、といった感じです。
騒音の少なさを重視するなら羽根の枚数が多い気手、風量を重視するならあえて羽根の枚数の少ないモデルを検討してみましょう。
上記のポイントを踏まえた上で、税込みの実売価格が5000円以内に収る扇風機のおすすめ機種を3つ紹介します。
山善がAmazon限定で販売しているスタンダード扇風機で、税込み価格は3035円です。
押しボタンスイッチにアナログオフタイマーを備え「ザ・扇風機」という印象もありますが、フラット形状のガードなど、今どきのトレンドを踏まえたデザインを取り入れています。しっかりとした風を起こすことを重視して、羽根は5枚としています。
アイリスオーヤマのリモコン付きスタンダード扇風機で、税込みの実売価格は4000円前後です。
スイッチとオフタイマーはデジタル式で、風量は「弱」「中」「強」に加えて「リズム」(風量を細かく切り替えるモード)にも対応しています。オフタイマーは「1時間」「2時間」「4時間」「6時間」の4種類から選べます。しっかりとした風を起こすことを重視して、羽根は5枚としています。
テクノスのDCモーター扇風機で、税込み実売価格は5000円弱です。
今回紹介する価格帯では貴重な、5000円あれば購入できるDCモーター扇風機です。風量は6段階で調整可能で、タイマーは「30分」「1時間」「2時間」「4時間」の4種類から選べます。しっかりとした風を起こすことを重視して、羽根は5枚としています。
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