パソコンの中でも、3Dゲーム等を快適にプレイできるようスペックを強化したのが“ゲーミングパソコン”です。通常のパソコンと同じようにデスクトップ型とノート型がありますが、持ち運びも可能なゲーミングノートパソコンの人気が高まっています。
ゲーミングパソコンはグラフィックス処理能力や冷却性能をアップした製品で、高価なイメージを持っている方も多いかもしれません。しかしゲーミングノートパソコンでも、中には10万円以下で購入できるモデルが多数あります。
もちろん高性能(で高価)なハイスペックモデルと比べると控えめな性能にはなりますが、比較的負荷の軽いゲームはもちろん、最新のAAA級タイトル(世界的に大ヒットした大作系ゲーム)でも画質設定の調整次第で、十分楽しめるパフォーマンスを備えています。
今回は、10万円以下のゲーミングノートパソコンの選び方やおすすめの製品をご紹介します。
ゲーミング製品の要となる存在であり、高度な画像処理を提供するのがグラフィックス処理を担うプロセッサ「GPU」です。ゲーミングパソコンの多くは、CPUとは別に高性能なGPUを搭載することでグラフィックスの処理能力を大きく高めています(GPUがCPU内蔵型の低価格な製品もあります)。
10万円以下のゲーミングノートに搭載されるGPUは「GeForce GTX 1650」が目立ちます。「GeForce(ジーフォース)」シリーズは米NVIDIA(エヌビディア)の製品で、「GTX 1650」はエントリークラスからミドルレンジクラスのGPUです。
とはいえ最新のGPUであり性能は決して悪くなく、フルHD(1920×1080ピクセル)解像度で表示される3Dゲームの多くで快適に遊べます。少し古いゲーミングノートが安価で販売されている場合もありますが、近年はCPU性能なども向上著しいため、性能的にはやはり最新製品の購入がおすすめです。
ちなみに安価なゲーミングノートの場合、ディスプレイは最大解像度がフルHDで、リフレッシュレートも60Hzまでの製品が大半です。しかし中には120〜144Hzのハイリフレッシュレート液晶を搭載するモデルもあります。FPSなどシューティング系ですばやい動きが必要なゲームを遊ぶなら、ディスプレイのリフレッシュレートにも注目したいですね。
GPUだけでなくCPU性能もゲームの快適さにも影響を及ぼすため、10万円以下のゲーミングパソコンであってもミドルクラスの性能を備えたCPUを搭載している場合が多いです。
型番末尾に「H」の付いたプロセッサはノートパソコン向けCPUの中でも性能が高く、ゲーミングノートの大半に使用されています。Intelの「Core i5-9300H」や、AMDの「Ryzen 5 3550H」が代表的な例です。
ノートパソコン向けCPUの主流はIntelですが、近年はAMD製CPUも勢いを取り戻しつつあり、どちらも性能的には悪くありません。特にこだわりがないのであれば、4コア/8スレッド構成以上の「H」付きCPUであるかどうかを目安に選ぶと良いでしょう。
10万円以下のゲーミングノートはメモリ容量8GBが定番です。このあたりはやや心もとないですが、安価である以上は割り切る必要があります。ゲームと同時に他のアプリを立ち上げるなど、いくつかの高負荷な処理を同時に行わない限りは、大きな問題は起こらないでしょう。
一方、ストレージ容量はモデルによって大きな違いが出ます。HDDを搭載した製品もあるようですが、ゲーム用途であれば高速なSSDを搭載した製品が望ましいでしょう。ゲームの起動やロード時間に大きな影響が出るため、快適さが変わってきます。
SSDの場合でも、容量で差が出るようです。少ない場合は128GB程度ですが、近年の大作タイトルは1本で100GBを超えてくるものもあるため、そういった製品はあくまで軽負荷・軽い容量なゲーム向けとなるでしょう。価格も考えれば、512GB以上のSSDを搭載しているモデルがお買い得と言えます。
「TUF Gaming FX505DT(FX505DT-R5G1650METS)」は、ASUS(エイスース)の直販サイト「ASUS Store」限定で販売している15.6型ゲーミングノートパソコンです。
直販価格は7万9799円(税込、以下同)という安さでありながら、CPUはAMDの「Ryzen 5 3550H」、GPUはNVIDIAの「GeForce GTX 1650」を搭載。ディスプレイはフルHD(1920×1080ピクセル)解像度でリフレッシュレートも120Hzに対応しており、軽負荷なゲームでは滑らかな描画が可能となるのも魅力的です。
メモリ容量は8GB。ストレージにはPCI Express接続のSSDを採用し、容量は512GB。エントリークラスのゲーミングノートパソコンとしては極めて充実したスペックを備えており、入門機としても最適でしょう。
Lenovo(レノボ)の「Legion Y540(81SY005SJP)」は、CPUにIntel(インテル)の「Core i5-9300H」、GPUに「GeForce GTX 1650」を採用した15.6型ゲーミングノートパソコン。「Legion(レギオン)」はレノボのゲーミングブランドです。
ディスプレイはフルHD(1920×1080ピクセル)解像度で、リフレッシュレートが144Hzと滑らかで、ベゼル幅を狭めた設計により没入感の高いゲーム体験が楽しめます。エントリークラスのゲーミングパソコンとしては理想的な基本スペックです。
メモリ容量は8GB、ストレージは512GBのSSDです。保存容量にも比較的余裕があるため、幅広いゲームタイトルをプレイできるでしょう。直販価格は9万7891円です。
日本HPの「HP Pavilion Gaming(パビリオン ゲーミング) 15-ec0000」は、15.6型のフルHD(1920×1080ピクセル)ディスプレイを備えたエントリーゲーミングノートです。CPUはAMDの「Ryzen 5 3550H」、GPUはNVIDIAの「GeForce GTX 1650」で、ASUSの「TUF Gaming FX505DT」と基本的に変わりませんが、こちらはディスプレイのリフレッシュレートが60Hzまでとなっています。
メモリ容量も他のモデルと同じく8GBですが、本製品はメインストレージとして128GBのSSD、データ保存用のサブストレージとして1TBのHDDを搭載しているため、総合的には多くのデータを保存できます。あまりロード時間などにこだわらず、保存したいゲームやデータがたくさんあるようなら、こちらのモデルも選択肢に入ってきそうです。直販価格は8万4700円です。
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