ゲーミングノートパソコンとはその名の通り、ゲームを楽しむための高性能なノートパソコンです。高画質な3Dグラフィックスのゲームを快適にプレイできるように、通常のノートパソコンとは異なり、専用のグラフィックス処理プロセッサ「GPU」を搭載しているのが大きな特徴です。
性能や拡張性、コストパフォーマンスは、本体サイズの大きなデスクトップ型ゲーミングパソコンが有利ですが、昨今はゲーミングノートパソコンの性能も向上し、省スペースで持ち運べるメリットが注目されています。今回は製品の選び方と、主要なブランドから注目のモデルを紹介します。
プレイするゲームにもよりますが、3Dゲームを高解像度で快適にプレイしたいなら、GPUにはこだわりたいところ。GPUのブランドとしてはNVIDIAの「GeForce」シリーズが主流で、そのライバルとしてAMDの「Radeon」シリーズもあります。
GeForceの例としては、ゲームを手軽に楽しむなら「GTX 1050Ti」あたり、ワンランク上の3D画質を求めるなら「GTX 1650」以上、高画質にこだわるなら「RTX 2060」以上が目安となるでしょう。
GPU以外のスペックにもこだわるなら、パソコンの脳にあたるCPUは6コアのCore i7-8750H/9750Hあたり、メモリはできれば16GB以上、ストレージは高速なSSD(ただし、HDDは大容量で割安)がおすすめです。
外付けのディスプレイをつないで使うこともできますが、ノートパソコンなので内蔵ディスプレイの品質は重要です。サイズは15.6型が主流で、より大画面を求めるなら17.3型もあります。映像の細かさを示す解像度はフルHDが基本です。
ゲーミングノートパソコンならではのスペックは、画面の書き換え頻度を示す「リフレッシュレート」です。通常は60Hzですが、120Hzや144Hz、さらには240Hzといった高速な製品なら映像がより滑らかに動きます。また、映像表示を安定させる技術「G-SYNC」に対応していれば、ゲームプレイ時に映像のズレやカクつきを抑えられます。
通常のノートパソコン選びでは、持ち運びやすさを気にしてボディーの大きさや重さをチェックするものですが、ゲーミングパソコンの場合は事情が違います。内蔵するパーツが高性能なほど発熱量も多くなるので、余裕のあるボディーサイズでしっかり放熱できる設計であることがまず大事です。15.6型のモデルで2kg台前半〜半ばくらいが目安となります。
ゲーミングノートパソコンにもモバイル用途を想定した13.3型モデルがありますが、ボディーサイズに制限があるので15.6型モデルほど高いグラフィックス性能は出せません。基本的に、性能の高さとサイズの大きさはトレードオフの関係です。
マウスコンピューターは、最近テレビCMで見かけることも多い日本のパソコンメーカーです。そのゲーミングパソコンブランド「G-Tune」は、デスクトップもノートも幅広いラインアップがそろっていて、予算や用途に応じて細かくスペックを選べます。
今回ピックアップした「G-Tune NG-N-F271SIZH」はハイスペックな15.6型ゲーミングノートパソコン。GPUはGeForce RTX 2070、CPUはCore i7-9750Hを採用し、ディスプレイは240Hz対応のフルHD液晶か、4K有機ELから選べます。シンプルで主張しすぎないデザインなので、普段使いの高性能ノートパソコンとしても活用しやすいでしょう。
パソコンショップ「ドスパラ」で知られるサードウェーブは、日本のeスポーツ活性化に積極的なメーカーです。ゲーミングパソコンブランド「GALLERIA」は、前述のG-Tuneのようにデスクトップもノートも豊富なラインアップを用意。日本eスポーツ連合公認のデスクトップパソコンもあります。
「GALLERIA GCR1660TGF-QC-G」は、CPUを供給するIntelと共同開発した15.6型ゲーミングノートパソコン。GPUはGeForce GTX1660Ti、CPUはCore i7-9750Hを採用し、ディスプレイは144Hzの液晶と、中堅クラスのスペックです。この画面サイズのモデルとしては軽く、約1.87Kgに収まっています。GeForce RTX 2070 Max-Q採用の上位モデルもあります。
エイリアンの顔のようなロゴマークが目を引く「Alienware」は、デルのハイエンドなゲーミングパソコンブランドです。どこかSFチックで独特なデザインのボディーに目が行きがちですが、老舗ブランドだけあって性能と使い勝手にもこだわっています。
この「Alienware m17」は、144Hzの17.3型ディスプレイを搭載した大画面モデル。GPUに高性能と省電力(低発熱)を両立できるGeForce RTX 2070/2080 Max-Qを採用することで、厚さ20.5mm、重さ約2.63kgのスリムボディーに仕上げているのがポイントです。価格は高めですが、大画面で3Dゲームができるパソコンを持ち運びたいなら有力候補になるでしょう。
世界で幅広くパソコンを販売しているHP。そのハイエンドなゲーミングパソコンブランドが「HP OMEN」です。こちらもボディーデザインにこだわっていて、現在の製品ラインアップは直線的なフォルムとブラックのカラーが印象的です。
今回取り上げた「HP OMEN X 2S 15」はその中でも個性派の1台。G-SYNC対応で144Hzの15.6型ディスプレイを搭載することに加えて、キーボードの奥にも5.98型の小さなセカンドディスプレイを備えています。これでゲームに関係する情報をながら見しながらプレイできるのです。GPUはGeForce RTX 2080 Max-Q、CPUはCore i9-9880Hと、性能面も高いレベルにまとまっています。
MSIはゲーミングパソコンやeスポーツの普及に熱心な台湾のメーカー。日本でも多数のゲーミングノートパソコンを販売しています。もともとパソコン内蔵パーツのグラフィックスカードで有名なメーカーなので、GPUの扱いは手慣れたものです。
ラインアップにはハイエンドモデルもありますが、今回選んだ「GF63 Thin 8SC」は低価格寄りの15.6型ゲーミングノートパソコンです。高性能と省電力(低発熱)を両立できるMax-QのGeForce GTX 1650により、厚さ21mm、重さ1.86kgと持ち運びやすいボディーに仕上げています。
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