ノートパソコンの中でも、高い処理能力が求められるパソコンゲームを快適に楽しめるようスペックを強化したのが、ゲーミングノートパソコンです。
ハイエンドからローエンドまで幅広いプライスの製品がそろっていますが、中でも15〜20万円前後の製品はコストと性能のバランスが良く、パソコンに高い負荷がかかる最新のゲームタイトルでもフルHD(1920×1080ピクセル)解像度で快適に楽しめるモデルがそろっています。
今回は、20万円以下のゲーミングノートPCの選び方や、おすすめの製品をご紹介します。
ゲーミングパソコンの性能を語る上で欠かせないのが「GPU(グラフィックス プロセッシング ユニット)」です。GPUのシリーズ名を見ただけで、そのパソコンのゲーミング性能をある程度まで推し量ることができるため、真っ先にチェックしたい項目と言えます。
ゲーミングノートに搭載されるGPUは米NVIDIA(エヌビディア)の「GeForce(ジーフォース)」シリーズが主流です。15〜20万円前後のゲーミングノートなら、ミドルハイクラスの「GeForce RTX 2060」、あるいはハイエンドの「GeForce RTX 2070」を搭載するモデルが狙い目。性能的には、高負荷なゲームでもフルHD解像度で滑らかに描画でき、一部の高負荷ゲームが対応している「リアルタイムレイトレーシング」機能も利用可能です。
なお性能の良いGPUを搭載していても、メモリ容量やストレージ容量が少ない場合があります。予算を足してカスタマイズするか、逆にワンランク下のGPU搭載モデルでも、メモリやストレージに余裕がある構成の製品を買うかはよく吟味しましょう。
ゲームを快適に楽しむのにディスプレイの良し悪しは重要です。特に画面一体型のノートパソコンなら、搭載ディスプレイのスペックにもしっかり気を配りたいところです。
画面サイズに関しては、「頻繁に持ち運ぶ」あるいは「必ず外部ディスプレイに接続して使う」というわけでない限り、なるべく大きめのものを選ぶ方がいいでしょう。画面が大きいほど没入感は高まりますが、20万円前後のゲーミングノートの場合、主流なのは15.6型です。
さらに高性能なGPUを生かしたい場合、「1秒間に画面が何回更新されるか」の指標となるリフレッシュレートが高いディスプレイを搭載する製品が望ましいと言えます。
一般的なノートパソコンのリフレッシュレートは60Hz(1秒間に画面を60回更新する)ですが、ゲーム向けでは、よりなめらかに見える90Hzや144Hzといったスペックのディスプレイもあります。
20万円前後の製品であれば、GPUの性能的にも、解像度フルHD以上、リフレッシュレート144Hz以上のディスプレイを搭載するモデルがおすすめです。
ゲーミング性能はもちろん、PC全体の処理の要と言えるCPUですが、ミドル〜ハイエンド帯のゲーミングノートでは、Intel(インテル)製CPUの搭載が多い印象です。
今回取り上げている20万円付近のモデルでは、6コア/12スレッド構成の「Core i7-10750H」、あるいは8コア/16スレッド構成の「Core i7-10875H」を採用する製品がほとんど。2つのうち性能が高いのは「Core i7-10875H」ですが、こちらを搭載する製品がおすすめできるかどうかは他のパーツとの兼ね合いや価格にもよります。
肝心のゲーミング性能がどれだけ出るかは、他のパーツとの兼ね合いやプレイするゲームのエンジンにも影響されるため、必ずしも明確なパフォーマンス差があるとは限らないのが正直なところです。
少なくとも、インターネットの閲覧やOffice文書の作成、編集、メールの送受信といった普段使いではどちらのCPUも十分すぎる性能を備えています。とりあえずは「第10世代のCore i7が搭載されていればベター」と覚えておく程度でいいでしょう。
パソコン工房の「LEVEL-15FR103-i7-TOXX [Windows 10 Home]」は、CPUに「Core i7-10750H」、GPUに「GeForce RTX 2070」を搭載した15.6型ゲーミングノートパソコンです。
ディスプレイ解像度はフルHD、リフレッシュレートは144Hzなので、極めて高いGPUパワーも存分に活用できるでしょう。メモリは16GB、ストレージは500GBのSSDと無難なスペック。ゲーミングノートとして高い完成度を持つ1台です。
直販価格は19万5778円(税込、以下同)から。本体重量が約2.44kgと若干重めなので、頻繁な持ち運びには向きませんが、このあたりは割り切りが必要かもしれません。
マウスコンピューターの「G-Tune E5-144」は、GPUに「GeForce RTX 2060」を搭載する15.6型ゲーミングノートパソコンです。
特徴としては、CPUに8コア/16スレッドの「Core i7-10875H」を採用している点が挙げられます。ディスプレイはフルHD解像度、リフレッシュレート144Hzと、こちらもハイリフレッシュレート対応。CPU性能が高めなので、ゲームだけでなくクリエイティブ系の作業などもバランスよくこなしたい、ゲーム配信などもやってみたい、というゲーマー向けです。
メモリは16GB、ストレージは512GBのSSDを搭載。重量は約1.77kgとかなり軽めなので、持ち運びにも適しています。直販価格は19万7780円〜です。
Lenovo(レノボ)の「Legion 550Pi」は、同社のゲーミングブランド「Legion(レギオン)」シリーズの15.6型ゲーミングノートです。
カスタマイズの幅が広いBTOモデルで、予算20万円だとCPUに「Core i7-10750H」、GPUに「GeForce RTX 2060」のモデルが選択できます。メモリは16GB、ストレージは1TBのSSDを搭載しており、他のモデルよりも多くのデータ保存に適しています。最近は100GBを超えるデータ容量のゲームも多いので、そういったゲームを多く遊ぶようなゲーマーに適しているでしょう。
ディスプレイはフルHD解像度、リフレッシュレート144Hzです。本体重量は約2.3kgと若干重め。この構成で直販価格は16万3590円(クーポン適用時)と、比較的安価に購入できるのもうれしいポイントではないでしょうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.