スマートフォンで動画を撮影する場合、手に持ったり三脚などに固定したりします。でも、“街ブラ”などお出かけの様子を歩きながら撮ると手ブレが気になりますよね。
スマホによっては動画撮影で手ブレ補正が使える機種もあるものの、もっと強力に手ブレを抑えるなら専用の「スタビライザー」や「ジンバル」と呼ばれるアイテムの出番です。
一見すると自撮り棒っぽいスマホ用スタビライザー(ジンバル)は、ジャイロセンサーやサーボモーターを駆使して、撮影者が動いたり向きを変えたりしても、スマホを一定の方向に保持する機構が備わっています。
この機構がスタビライザーの大きな特徴です。さらに、3軸タイプと呼ばれる製品を選ぶよう強くおすすめします。3軸タイプは現在主流のためほとんどの製品が該当しますが、安いものでは1軸、2軸など簡易的な機構を採用しています。
この3軸とは、スマホカメラが上下に向きを回転する動き(ピッチ)、左右に向きを回転する動き(ヨー)、横向きから縦向きに回転する動き(ロール)のことで、手ブレを3次元の動きに分解して、それと反対にスマホを動かして姿勢を維持する仕組みです。
スマホ用スタビライザーを買っても、いつの間にか家に置きっぱなしになりがちです。その理由の1つが、大きくて持ち歩きにくいから……。
スタビライザーはその仕組み上、スマホをしっかり保持する大きさが必要で、モーターやバッテリーが内蔵されているので大きく、重たくなってしまいます。そのため、できるだけコンパクトなタイプを選ぶのが活用のコツと言えるでしょう。
また製品によっては、モーターやジャイロセンサーを守るためハードケースが付属したり、小さく折りたたんだりできるものもあります。
スマホ向けスタビライザーの代表的なメーカーが「DJI」です。大手ドローンメーカーであり、ドローンに使われているジャイロセンサー技術を転用して、スマホ向けスタビライザーの普及に一役買った存在と言えるでしょう。
後に続くようにさまざまなメーカーが参入し、スマホ用スタビライザーの価格もだいぶ落ち着いてきました。とはいえ通販サイトなどであまりに安いものは、3軸タイプではないなど、性能面で物足りない場合があります。
なによりジャイロセンサーや小型モーターなどの精密機器が使われており、また電源としてバッテリーを搭載しています。扱いを誤ると思わぬトラブルの原因になりかねませんので、信頼のおけるメーカー・ブランドを選ぶことをおすすめします。
「Snoppa ATOM(スナッパ アトム)」は、2000mAhのバッテリーを内蔵しつつ、重さがわずか310グラムと軽量コンパクトな折りたたみ式スタビライザーです。
Snoppa ATOMの専用カメラアプリもあり、被写体を追従する撮影モードや、ぐるっと周囲を撮影できる9分割パノラマ、長時間露光による夜景写真、インターバルタイムラプスなどを撮影できます。
内蔵バッテリーはスマホを充電することもでき、ワイヤレス充電も可能です。実勢価格は1万3899円(税込、以下同)。カラーバリエーションはブラックとさくらピンクの2色です。
「FeiyuTech VLOG pocket(フェイユーテック ブイログ ポケット)」も折りたたんで持ち歩けるスマホ用の3軸スタビライザー。重さはわずか272グラムで、とてもコンパクトに折りたためるのが特徴です。
本体に搭載しているボタンは、ファンクションボタン、シャッターボタン、トリガーボタンの3つだけと簡単操作が特徴です。仕様上、縦方向(ピッチ回転)の下向きに深い角度を取れないのですが、そこさえ目をつぶれば、シンプル・コンパクトで使い勝手のいいスタビライザーといえるでしょう。
価格は8118円とお手頃で、ミニ三脚も付属します。こちらもブラックとさくらピンクの2色があります。
「DJI Osmo Mobile 3(オスモ モバイル)」は、DJIのドローン技術を転用したスマホ用の最新スタビライザーです。
重さ約405グラム、バッテリー容量2450mAhとヘビー級ですが、最大15時間も動画を撮影できる頼もしさ。DJIとしては初の折りたたみ式で、持ち運びがしやすくなりました。
こちらも専用カメラアプリがあり、ジェスチャーでのシャッター、アクティブトラッキング、ハイパーラプス、タイムラプス、スローモーション、パノラマなど、さまざまな撮影モードが利用可能。SNSへシェアしたくなるような動画編集も簡単に行えます。価格は1万3750円です。
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