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「Vlogカメラ」ソニー、パナソニックの最新機種を徹底比較 「VLOGCAM ZV-1」と「LUMIX DC-G100」、本格的な2機種をチェック

» 2020年08月04日 18時53分 公開
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 日常を気軽に記録して発信する「Vlog」(ブイログ)を楽しむ人が増えています。専用カメラを使って高品質なVlogコンテンツ作りに取り組む人が多くなっているのを受けて、大手カメラメーカーであるソニーとパナソニックがVlog専用カメラを相次いで発表しました。

 ここではソニー「VLOGCAM ZV-1」、パナソニック「LUMIX DC-G100」という最新のVlogカメラを比較しながら紹介していきます。

パナソニック「LUMIX DC-G100」とソニー「VLOGCAM ZV-1」 パナソニック「LUMIX DC-G100」とソニー「VLOGCAM ZV-1」

「Vlog」(ブイログ)とは? 日常を動画で記録しよう

 Vlogとは「ビデオブログ」(Video Blog)、つまりブログの動画版というイメージです。1日のちょっとした1コマ、子どもと遊んだ昼下がり、おいしかったスイーツ、楽しいキャンプ、楽器を弾いてみた、メイクしてみた……題材は難しく考える必要はありません。自分を主役にした、動画による自己表現がVlogです。コンテンツを企画して作り込む傾向にあるYouTuberに比べ、カジュアルで日常的、よりさりげないのがVlogと言ってもいいでしょう。

 Vlogコンテンツを作る最も身近なツールはスマートフォンですが、動画撮影機能はシンプルなものが多く、バッテリーの持ち時間も不安。Vlog専用に設計されたカメラなら、さまざまな機能を使ってVlogコンテンツをより効率よく、高品質に撮影できます。これからVlogに本格的に取り組んでいきたい人には専用カメラがオススメです。

「VLOGCAM ZV-1」「LUMIX DC-G100」比較:2機種の概要と実勢価格

ソニー「VLOGCAM ZV-1」

ソニー「VLOGCAM ZV-1」

 ソニー「VLOGCAM ZV-1」は、Vlogコンテンツの撮影に特化したデジカメとして2020年6月19日に発売されました。高級コンパクトデジカメ(コンデジ)「RX100」シリーズをベースに、Vlog撮影に必要なユニークな機能や直感的なインタフェースを搭載しています。

 オープン価格ですが、実勢価格(2020年8月4日現在)は、本体のみが9万円前後〜、シューティンググリップキット付きが10万円強〜となっています。

パナソニック「LUMIX DC-G100」

パナソニック「LUMIX DC-G100」

 パナソニック「LUMIX DC-G100」は2020年8月下旬に発売予定のVlogカメラです。ミラーレス一眼カメラをベースに、高音質・臨場感あふれる音声記録が可能な内蔵マイクや強力な手ブレ補正機能など搭載。動画アシスト機能やVlog向けインタフェースも充実させています。

 2020年8月4日現在、予約を受付中。オープン価格ですが、実勢価格は標準ズームレンズキットが約10万円〜、グリップ付き標準ズームレンズキットが10万5000円前後〜となっています。

「VLOGCAM ZV-1」「LUMIX DC-G100」比較:カメラとしての基本性能

「ZV-1」はコンデジ、「DC-G100」はミラーレス一眼

alt ZV-1はシューティンググリップを付けてもコンパクト
alt G100はレンズ交換式ミラーレス一眼だが、マイクロフォーサーズを採用しているため、十分にコンパクト

 大きな違いはボディタイプです。ソニー「VLOGCAM ZV-1」は同社の高級コンデジ「RX100」シリーズをベースにしたコンデジである一方、パナソニック「LUMIX DC-G100」は「マイクロフォーサーズ」規格を採用したミラーレス一眼カメラであり、マイクロフォーサーズマウントに対応するレンズ交換式です。

 ZV-1が搭載するレンズは35mm判換算で24〜70mm F1.8〜2.8の明るいズーム。G100はズームレンズ(35mm判換算で24〜64mm F3.5〜5.6)が付属しますが、マイクロフォーサーズマウントの各種レンズを装着可能。広角や望遠など、意図に応じた幅広い撮影が可能です。

動画サイズ

 ZV-1は1インチ・有効約2010万画素、G100は4/3インチ・有効約2030万画素の撮像センサーを搭載。動画はそれぞれ4K撮影(3840×2160ピクセル/30p)に対応しています。最大静止画サイズはZV-1が5472×3648ピクセル、G100が最大5184×3888ピクセルと、ほぼ同じ。

本体サイズ、重さ

 本体サイズは、ZV-1の約105.5(幅)×60.0(高さ)×43.5(奥行き)mmに対し、G100は約115.6(幅)×82.5(高さ)×54.2(奥行き)mm。レンズ交換式ミラーレス一眼カメラである分、G100が一回り大きくなっています。ただ、マイクロフォーサーズ規格を採用することで、G100も十分コンパクトなサイズです。

 重さも、ZV-1(バッテリー、メモリカード含む)が294gなのに対し、G100は約345g(バッテリー、メモリカード含む)、付属レンズを含むと約412gとなっています。

液晶モニター

 背面の液晶モニターはそれぞれ3.0インチですが、ドット数はZV-1の92万1600ドットに対し、G100が約184万ドットと精細です。アスペクト比は両機種とも4:3です。

撮影時間

 実動画撮影時のバッテリー持ち時間(モニター使用時)はZV-1が約45分、G100が約40分。それぞれ十分な時間を確保しています。

比較表

 主な仕様を表にまとめました。

  VLOGCAM ZV-1 LUMIX DC-G100
センサー 有効約2010万画素 1.0型Exmor RS CMOSセンサー 有効約2030万画素4/3型Live MOSセンサー
レンズ 35mm換算24〜70mm F1.8〜2.8 交換式(マイクロフォーサーズマウント、付属レンズ:35mm換算24〜64mm F3.5〜5.6)
静止画 最大5472×3648 最大5184×3888
4K動画 ○(3840x2160/30p) ○(3840×2160/30p)
ISO感度(動画) 125〜12800 100〜6400
手ブレ補正 電子式・光学式 電子式・光学式(外付けレンズ)
液晶モニター 3.0型(92万1600ドット) 3.0型(約184万ドット、タッチパネル)
Wi-Fi、Bluetooth
外部マイク端子 ○(3.5mmステレオミニジャック) ○(3.5mmステレオミニジャック)
バッテリー持ち時間(実動画撮影時、モニター使用時) 約45分 約40分
記録メディア SDXC/SDHC/SDメモリーカード SDXC/SDHC/SDメモリーカード
本体サイズ 約105.5(幅)×60.0(高さ)×43.5(奥行き)mm 約115.6(幅)×82.5(高さ)×54.2(奥行き)mm
重量(バッテリー、メモリカード含む) 約294g 約345g(付属レンズ含む:約412g)

「VLOGCAM ZV-1」「LUMIX DC-G100」比較:Vlog撮影を支援する機能

 Vlog専用カメラとして、両機種が普通のデジカメと異なるのが、Vlog撮影をサポートするユニークな機能の数々です。

ZV-1:背景ボケ切り換え機能や商品レビュー専用設定を搭載

「背景ぼけ切り換え」機能 「背景ぼけ切り換え」機能(出典:ソニー)

 ZV-1は、動画撮影に最適化したAF(オートフォーカス)と、ソニーのミラーレス一眼カメラ「α」で定評のある瞳AF(オートフォーカス)機能やリアルタイムトラッキングを搭載。動く被写体や、人の顔、目を自動的にとらえながらピントを追ってくれるので、撮影とトークに集中できます。手ブレ補正機能は光学式と電子式を組み合わせています。

 大型センサーと明るいレンズを生かした「背景ボケ切り替え機能」は、自撮り時の背景を「ぼけ」か「くっきり」にボタン1つで切り替えられる機能。主役を浮き上がらせて引き立たせたいなら「ぼけ」、旅行などで周りの景色も紹介したいなら「くっきり」と、意図に応じた表現の切り替えが瞬時に可能になっています。

 「商品レビュー用設定」もボタン1つでオンにできる機能。商品などをVlogで紹介する際、ピント位置を自分の顔から商品へとスムーズに移動してくれます。商品レビュー中、自分の顔から商品にピント位置を移すために、レンズに手のひらをかざして顔を隠してから商品にピントを合わせる──といった動作をしなくて済みます。

 画質は、被写体の肌の色合いが健康的で自然な印象になるようVlogに合わせてチューニング。逆光時や明暗差が激しいシーンでも、顔認識による自動露出(AE)で素早く露出を調整し、表情を明るく映してくれます。

 本体上面には、音声を高音質に収録する指向性3カプセルマイクを搭載。前方の集音性を向上し、ノイズ低減も実現しています。

指向性マイクを搭載 指向性マイクを搭載

 デザインや操作もVlogに最適化。液晶モニターは横方向に開くバリアングルタイプで、自撮りの際に確認しながら撮影できます。動画ボタンはカメラ上部に配置することで自撮り時に押しやすく、カメラ前面に設けられた録画ランプで録画中であることを確認できるようにしています。

 ZV-1をWebカメラとして使えるようにするPC用ソフト(Windows 10向け)も8月に公開される予定です。

360度録音など豊富な録音モードを搭載するG100

5つの指向性モードで臨場感ある音声を録音できる 5つの指向性モードで臨場感ある音声を録音できる(出典:パナソニック)

 G100は、撮影シーンに合わせて最適な音声記録を5つの指向性のモードから選択できる内蔵マイクを採用。360度の録音が可能な技術「OZO Audio by Nokia」を搭載しており、街中などで前後左右360度の音を収める「サラウンドモード」、カメラ前方の音声を録音する「フロントモード」、撮影しながらカメラ後方の音声を録音できる「ナレーションモード」など、Vlog撮影時のさまざまなシーンに対応しています。

 面白いのは、顔・瞳AFに連動し、自動で収音範囲を調整するモード。自撮りでも、複数人数での撮影でも、自動で被写体に合わせた最適な録音が可能だとしています。

 手ブレ補正機能は、本体内の5軸の電子式補正と、レンズに搭載した2軸の光学式補正を組み合わせるハイブリッド式。歩き撮り時などでも強力な補正が期待できます。

 Vlogに最適化した「自撮りモード」は、液晶モニターを自分に向けて回転するだけで切り替え。被写体のピントの背景抜けを抑えながら背景も捉え、被写体の露出は自動調整してくれます。モニターには、1:1(正方形)や4:5、16:9、縦撮り動画用の9:16などのフレームを表示でき、目的のSNSで表示する際のイメージを確認しながら撮影できます。

SNSなどのメディア上での表示をイメージしながら撮影できるフレーム表示 SNSなどのメディア上での表示をイメージしながら撮影できるフレーム表示

 「スロー&クイック撮影専用モード」は、約1/4倍のスローモーション動画や約8倍のクイックモーション動画を撮影できるモード。モードダイヤルから簡単に切り替えができ、うまく使えば映画のようなシーンをVlogに加えられます。

 G100を含むパナソニック製カメラをWebカメラとして利用可能にするPC用ソフトも公開される予定です(Windows版が2020年9月末、Mac OS版が10月末)。

「VLOGCAM ZV-1」「LUMIX DC-G100」比較:撮影を便利にするアクセサリ

ZV-1には内蔵マイク用ウインドスクリーンが付属

内蔵マイク用ウインドスクリーンが付属 内蔵マイク用ウインドスクリーンが付属
シューティンググリップは握ったまま各種操作が可能 シューティンググリップは握ったまま各種操作が可能

 ZV-1には、内蔵マイク用の専用ウインドスクリーンが付属。装着することで、屋外でも風ノイズを低減したクリアな録音が可能です。マイク端子(3.5mmステレオミニジャック)に外付けマイクを取り付けられるほか、マルチインターフェースシューに別売りのソニー製マイクも装着可能です。

 別売りのシューティンググリップ「GP-VPT2BT」を使えば片手で手持ち撮影ができ、録画ボタンやズームボタンを握ったまま操作できるようになっています。三脚としても使用可能です。「シューティンググリップキット」は、ZV-1本体とGP-VPT2BT、バッテリー2個がセットになっています。

G100専用のトライポッドグリップ

ミニ三脚にもなるグリップ ミニ三脚にもなるグリップ

 G100には別売りの「トライポッドグリップ」(DMW-SHGR1)が用意されており、装着することで握ったままの撮影が可能に。握ったまま撮影ボタンも使える撮影ボタンも備え、ミニ三脚としても使用可能です。G100本体と標準ズームレンズのキットにトライポッドグリップが付属するセットも用意されています。

 外部マイク端子(3.5mmミニジャック)を備え、外付けマイクを取り付けることも可能です。

まとめ:どちらを選ぶ? 悩ましいけれど……

 ソニーがVlogに特化して開発した「VLOGCAM ZV-1」と、動画撮影機能で評価の高いデジカメを送り出してきたパナソニックの「LUMIX DC-G100」。どちらを選ぶか迷うところですが、1つのポイントは「コンデジベースでコンパクトなZV-1」「マイクロフォーサーズの豊富なレンズ資産を生かせる、レンズ交換式のG100」という点でしょう。

 少しでも機材をコンパクトにして、アクティブに高品質のVlogを撮りたいならZV-1、さまざまなレンズを駆使して映画のような印象的なVlogを作ってみたいならG100が向いているかもしれません。自分を思い通りに表現できる、最適な1台を見つけてみてください。

ソニー「VLOGCAM ZV-1」
パナソニック「LUMIX DC-G100」

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