いわゆる「本格焼酎」(単式蒸留焼酎:焼酎乙類)とは、昔ながらの材料と製法で作られている焼酎のことです。その原料はサツマイモか麦がほとんどで、つまり「芋焼酎」と「麦焼酎」が本格焼酎市場の大半を占めています(出典:日本酒造組合中央会)。
芋焼酎と麦焼酎には、多くの人たちに好まれている銘柄がいくつもあります。今回は、クセがなく飲みやすいことから、酎ハイやサワーなどでも親しまれている麦焼酎の中から、Amazonや楽天市場でも手軽に買えるメジャーな銘柄を取り上げます。
麦焼酎の最大のポイントといってもいいのが、香りや味の“クセ”が少ないことです。
麦焼酎の代表的な産地は、長崎県・壱岐と大分県ですが、前者は主原料の大麦に米こうじを加えるのに対し、後者は麦こうじを使います。大分のようにオール麦で製造することで、よりあっさりとした味わいになります。
こうした理由から麦焼酎は焼酎初心者でも飲みやすく、チューハイやサワーに使われることも多いのです。
麦焼酎の発祥の地は壱岐と言われ、1995年には「壱岐焼酎」が世界貿易機関(WTO)の地理的表示の指定を受けました(出典:壱岐焼酎委員会)。
一方で、日本全国に麦焼酎を広めたのが大分です。1970年代後半に当時の県知事らが麦焼酎を大分の名産として積極的にアピールしました。
その結果“下町のナポレオン”という愛称で有名な三和酒類の「いいちこ」など、一般の人たちに広く親しまれている、手ごろな価格の商品がいくつも登場しています。
クセが少ないため、基本的にはどんな料理にも合う麦焼酎ですが、特に中華料理全般との相性は抜群と言われています。
例えば、濃い味付けの麻婆豆腐やチンジャオロースなどにはロックや水割り、熱々の焼き餃子や焼売などにはソーダ割りがベストマッチと言えるでしょう。
大分を代表する酒造メーカー・三和酒類の看板商品が「いいちこ」。“下町のナポレオン”と書かれたラベルは、一度見たら忘れないインパクトです。
いいちことは大分の方言で「いいですよ」の意味。あっさりとした飲み口が特徴的で、万人受けするお酒と言えるでしょう。全国の飲み屋さん・居酒屋さんでもおなじみの銘柄です。
アルコール度数は25度、900ミリリットル入りで価格は900円程度です。
三和酒類とともに大分の麦焼酎をリードするのが二階堂酒造です。同社は日本で初めて原料とこうじが麦100%の焼酎を開発しました。それが主力商品の「大分むぎ焼酎 二階堂」です。
とにかく嫌なクセが何一つないのが特徴といってもいいほど、誰もが飲みやすい焼酎です。アルコール度数25度で、900ミリリットル入りの価格は1000円程度です。
「神の河」は、薩摩半島の南西、鹿児島県枕崎市に蔵を構える薩摩酒造の人気麦焼酎。美しい琥珀色が目を引きます。
この色は、二条大麦100%を原料に作られた原酒を、ホワイトオーク樽に3年以上貯蔵したことによるもの。バニラのようなふくよかな香りと、口当たりの良い味わいが特徴です。
同社が勧める飲み方は炭酸割り(ハイボール)。その名も「神ハイ」。神の河1:炭酸2の黄金比率でお楽しみください。アルコール度数は25度、720ミリリットル入りの価格は1100円前後です。
麦焼酎が生まれた壱岐にはかつて55軒の蔵元があったそうですが、現在は壱岐の蔵酒造を含めて7軒しか残っていません。
そんな壱岐の酒造りの伝統を守る同社が”究極の食中酒”をコンセプトに作った商品が「壱岐の島 25%」です。
米こうじによる旨味と甘味、麦の香りがバランス良く混ざり合い、さまざまな料理の魅力を引き立てます。アルコール度数は25度、720ミリリットル入りで価格は1000円程度です。
ニッカウヰスキーが開発・製造した麦焼酎が、この「ニッカ・ザ・麦焼酎」です。ニッカが長年のウイスキー造りで培ってきた蒸留や樽貯蔵などの技術が注ぎ込まれています。
軽やかなフルーティーの香りと、樽から来るバニラの香り、さらにはモルトウイスキーに欠かせないピート(野草や水生植物などが炭化した泥炭)の香りが融和するユニークな焼酎です。
アルコール度数は25度、700ミリリットル入りの価格は1200円前後です。
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