大手工具メーカーの「マキタ」(makita)が「充電式空気入れ」の新機種を発売します。従来機種から性能が強化され、充てん能力は“世界最速”をうたっています。
デジタル設定した空気圧に達するまで空気を入れてくれる、便利な「充電式空気入れ」。ここではマキタの新機種の紹介と、従来機種との比較、機種選びのチェックポイントをまとめました。ぜひ参考にしてみてください。
マキタが発売するのは、「40Vmax」リチウムイオンバッテリーに対応する「MP001G」(本体のみ税別1万9000円)と、18Vリチウムイオンバッテリー対応の「MP181DZ」(本体のみ税別1万8000円)。
それぞれ最高圧力は1110kPa(161PS、11.1bar)と、高圧が必要なロードバイクのタイヤなどにも対応可能に。エアーの吐出量は「MP001G」が24L/分(200kPa時)、「MP181D」が22L/分(200kPa時)と、同社従来機種から約2倍に増えており、小型トラックのタイヤなどへの充てん時間を大幅に短縮、「電動工具メーカー製充電式空気入れとしては世界最速」だとしています。
用途に応じて「高速」「低速」「ボール」という3つの充てんモードを選択可能になっており、減圧機能も搭載。本体に装備するディスプレイには、現在の空気圧と設定した空気圧、充てん進捗度や温度など、豊富な情報を表示します。
標準で米式バルブを装備。英式バルブ用、仏式バルブ用、ボール用、浮き輪用のアダプタが付属し、本体に収納できます。
使用には対応バッテリーが別途必要です。
マキタの充電式空気入れは、新機種2モデルと従来機種2モデルの合計4機種になりました。それぞれ米英仏の各バルブに対応、デジタルで空気圧を計測・設定(kPa、PSI、bar)し、トリガーを引いて空気を充てん、設定圧に達したら自動的に終了──という使い方などは共通ですが、機種によって対応バッテリーと最高圧力、吐出量などが異なります。
・メーカー価格:本体のみ1万900円(税別)
18Vリチウムイオンバッテリー対応の現行モデル。最高圧力は830kPa(121PSI、8.3bar)、吐出量は12L/分(200kPa時)。
・メーカー価格:本体のみ9900円(税別)
10.8Vリチウムイオンスライドバッテリー対応モデル。最高圧力は830kPa(121PSI、8.3bar)、吐出量は10L/分(200kPa時)。
MP001G | MP181D | MP180DZ | MP100DZ | |
---|---|---|---|---|
対応バッテリー | 40Vmax | 18V | 18V | 10.8Vスライド |
最高圧力 | 1110kPa/161PS/11.1bar | 1110kPa/161PS/11.1bar | 830kPa/121PSI/8.3bar | 830kPa/121PSI/8.3bar |
吐出量(200kPa時) | 24L/分 | 22L/分 | 12L/分 | 10L/分 |
本体サイズ(バッテリー装着時) | 320×108×231mm | 316×108×231mm | 266×80×174mm | 235×74×173mm |
重さ(バッテリー装着時) | 2.8kg | 2.7kg | 1.7kg | 1.1kg |
本体価格(税別) | 1万9000円 | 1万8000円 | 1万900円 | 9900円 |
マキタのバッテリーは電圧の異なる複数の種類があり、それぞれのバッテリーごとに工具がシリーズ展開されています。例えば、18Vリチウムイオンバッテリー対応機種であれば、同じバッテリーを充電式空気入れやインパクトドライバーなどで共用できる仕組みです。
電圧が高いものほどハイパワー。ざっくりと言って、40Vmaxシリーズはハイパワーが必要なプロ向け、18Vシリーズは一般的なプロ&パワーが欲しいDIYer向け、10.8Vスライドシリーズは機器が軽量で扱いやすく、パワーがそれほど必要ないプロ&DIYer向け──といったイメージです。
評価の高いマキタ純正バッテリーですが、10.8Vスライド/1.5Ahの「BL1015」で実売約5600円(2021/07/21現在のAmazon.co.jp価格)とそれなりの値段な上、専用の充電器も必要です。なので、ユーザーは工具を対応バッテリーに合わせて統一し、複数の工具でバッテリーを使い回すケースが多くなっています。
充電式空気入れを選ぶ場合、既に持っているバッテリーに対応する機種であれば経済的。これからバッテリーも購入するのであれば、同じバッテリーに対応する電動工具を今後使うかどうかを含めて検討してみてもよいでしょう。
ちなみに、マキタのバッテリー対応機器には工具のほかにもさまざまなものがあります。10.8Vスライドシリーズでは、クリーナー(掃除機)やラジオ、テレビ、スピーカー、ファンジャケット、コーヒーメーカーなどがラインアップされており、防災用としても活用できます。
新モデルは最高圧力が1110kPa(161PS、11.1bar)となっており、高圧が必要なロードバイクのタイヤなどにも対応できるのが特徴。従来モデルは830kPa(121PSI、8.3bar)となっています。
ただ、現在のロードバイクは太いタイヤを装着するのがトレンド。以前の標準だった700×23Cタイヤでは1000kPa(10bar)超の高圧に対応できるタイヤがありましたが、現在主流になっている700×25C〜700×28cは23Cと比べて適正空気圧が低く、従来機種の830kPa(8.3bar)で対応できるものも多いでしょう。
ロードバイクに比べて空気圧が低い一般的な自転車や自動車、バイクは全機種とも対応可能です。
吐出量は多い方が充てん作業が短時間で済みます。新機種で例として挙げているようなトラクターのタイヤなど、大型タイヤでは吐出量の多い新機種が威力を発揮しそうです。空気入れ作業を数多くこなさなくてはならない場合も重宝するでしょう。
ただ、一般的な車や自転車の空気圧管理に時々使う程度なら従来機種も十分な能力があります。新機種はハイパワーな分、従来機種と比べて重く、価格も約2倍になるので、必要なスペックを検討した上で機種を選ぶのをおすすめします。
ちなみに、動作音は結構大きい(10.8Vスライドの「MP100DZ」で72dB)ので、夜間の使用を考えている方は注意しましょう。
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