大手Web通販サイト「Amazon.co.jp」を運営しているアマゾンジャパンは、三井住友カードと提携して「Amazon Mastercard クラシック」「Amazon Mastercard ゴールド」というクレジットカードを発行してきました。11月1日、両社は両カードを「Amazon Mastercard」「Amazon Prime Mastercard」にリニューアルします。
新しいAmazon Mastercard/Amazon Prime Mastercardは、以前のカードと何が違うのでしょうか。その特徴をメリットやデメリットと合わせてチェックしていきましょう。
新カードは、いわゆる「一般(クラシック)カード」のみとなり、ゴールドカードは廃止されます。
先述の通り、カードは「Amazon Mastercard」と「Amazon Prime Mastercard」の2種類がありますが、サービス開始時点ではAmazon.co.jpでの買い物における「Amazonポイント」の還元率(後述)以外に違いはありません。カードのデザインは、申し込み時点でAmazon.co.jpの有料会員サービス「Amazonプライム」に加入しているかどうかで変わります。申し込み時点で「Amazonプライム」に加入している場合は、Amazon Prime Mastercardが、加入していない場合はAmazon Mastercardが発行されます。
Amazon Mastercardを発行した後にAmazonプライムに加入すると後日、三井住友カードからAmazon Prime Mastercardが送付されます。
Amazon Prime Mastercardを発行した後にAmazonプライムを解約した場合、新たなカード発行はありません。手元のAmazon Prime Mastercardは有効期限までそのまま使えますが、ポイント還元の内容はAmazon Mastercard相当になります。
以前のカードは、年会費が以下の通り設定されていました。
(※1)前年度に1回以上決済した場合は無料
(※2)三井住友カードの「マイ・ペイすリボ」(指定額以上の利用を自動的にリボ払いとするサービス)を設定した上で前年度に1回以上カードで決済した場合は5500円引き、請求書をWeb発行のみにした場合は1100円引き
それに対して、新カードは本会員のカード、ETCカード、家族カード(最大3枚まで)のいずれも年会費が永年無料となります。その代わり、ゴールドカード限定で用意されていたAmazonプライム会員権は付与されなくなります(Amazonプライムを利用したい場合は別途加入が必要です)。
以前のカードも新カードも、カード利用で還元されるポイントは「Amazonポイント」です。Amazonポイントは「1ポイント=1円」としてAmazon.co.jp上の買い物で利用できます。
新カードにおけるポイント還元率は以下の通りとなります。
(※3)毎月1日〜末日までの決済金額を合算し、200円ごとに3ポイントを還元します。対象となるコンビニエンスストアは「セブン-イレブン」「ファミリーマート」「ローソン」「ナチュラルローソン」「ローソンストア100」「ローソン・スリーエフ」です(一部の取引は合算対象外となります)
旧クラシックカードと比べると、コンビニエンスストアでの還元率が上がることは明らかなメリットといえます。一方で、旧ゴールドカードと比べるとAmazonプライム会員のAmazon.co.jpでの買い物の還元率が低下することは注意したい所です。
ただし、経過措置として、旧ゴールドカードユーザーは、Amazonプライムに加入することでカードの更新まで従前の還元率(2.5%)を受けられます。
新カードには、他にも変更点があります。簡単にチェックしていきましょう。
以前のカードでは、ゴールドカードにのみ「最高5000万円(※4)の海外/国内旅行傷害保険」が付帯していました。それに対して、新カードは、旅行代金のカード決済を条件に「最高2000万円の海外旅行傷害保険」が付帯します。
旧クラシックカード会員にとっては、旅行代金の決済が条件とはなるものの海外旅行保険が付帯するようになるのはメリットといえます。
一方で、旧ゴールドカード会員にとっては、最高補償額が引き下げられる他、カードを持っているだけで得られる補償や国内旅行の補償がなくなるという点はデメリットです。
(※4)旅行代金の決済の有無によって、補償の上限額が異なります
新旧共に、当該カードを購入したものが破損、または盗難に遭った際に利用できる「ショッピング補償(動産総合保険)」が付帯します。ただし、利用条件や限度額に一部変更があります。
(※5)海外利用分と、国内利用分のうち「リボ払い」「分割払い(3回以上)」での支払い分のみ対象
旧クラシックカード会員視点では、決済に関する条件が撤廃される上、限度額がアップするため“改善”といえます。一方で、旧ゴールドカード会員視点に立つと、限度額が減るため“改悪”となります。
以前のカードには、カード自身にコンタクトレス決済機能がありません。ただし、以下の決済サービスに登録することで、スマートフォンやスマートウォッチを通して非接触決済を利用できます。
新しいカードでは、カード自身にも「Mastercardコンタクトレス」による非接触決済機能が搭載されました。主要なコンビニエンスストアを始めとして、NFCコンタクトレス決済に対応する加盟店ではカードをかざすだけで決済できるようになりました。
なお、新カードも、Google PayやApple Payに登録すればスマホやスマートウォッチで非接触決済を利用できます。
ここで気になるのは、今までのAmazon MastercardクラシックやAmazon Mastercardゴールドを持っている人はどうなるのか、という点です。
旧カードを持っているユーザーは、有効期限まで引き続き手持ちのカードを利用できます。ただし、11月1日以降は、一部を除いて新カードと同じサービス内容となります。特に、ゴールドカード会員の場合Amazonプライムの会員権が付与されなくなりますので、必要に応じてAmazonプライムへの入会を検討してください。
旧カードの有効期限が切れる際には、更新カードとしてAmazon MastercardまたはAmazon Prime Mastercardが届きます。「新カードが早く欲しい!」という場合は、三井住友カードに連絡をすれは「再発行」という形で新カードを届けてもらえます。ただし、再発行には手数料が必要なので注意してください。
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