災害の直後は、停電や断水などが起こり、水洗トイレが使えなくなってしまうことがあります。避難所のトイレが混んでいたり、仮設トイレの設置に時間が掛かったりする可能性もありますので、非常時でも用を足せるよう「簡易トイレ」を備蓄しておきましょう。
片手で使えるもの、組み立てて使うものなど、シチュエーションによって使いやすいタイプは異なります。今回は、各タイプの特徴や凝固剤、付属品など選ぶときのポイントに触れつつ、おすすめの簡易トイレを紹介します。
「携帯式」は、基本的にセッティングの必要がなく、片手で袋を持ちながら使用します。便器がない場所でも使えるため、渋滞に巻き込まれたとき、登山中にトイレが見つからないときにも便利です。
ただし、「小」のみに対応している製品が多く、「大」では使えないことがあるので、注意しましょう。
「便器設置式」は、避難所や自宅の便器に袋を被せて使用するタイプ。便器さえあれば個室で使えるため、プライベート空間を確保できるのが大きなメリットです。人目を気にせず、便座に座っていつもと同じような感覚で用が足せます。
「組み立て式」は、段ボールやプラスチックなどの部品を組み合わせて便器を作るタイプ。座っても壊れないよう、耐荷重を確認しておきましょう。
災害のときは、ゴミ回収が来なくなることもあるので、しばらくの間、使用済みの簡易トイレを保管しておかなければなりません。この場合、臭い対策が重要になってくるわけですが、そこで役立つのが「凝固剤」です。
凝固剤を入れておけば、素早く排せつ物を固めて、排せつ物の漏れや臭いを抑えられます。中には、消臭効果や抗菌効果を備えている凝固剤もあり、これなら悪臭の原因となる菌の増殖を抑えて、より効果的に臭い対策が行えます。
製品によっては、実際に用を足す排便袋の外側に被せる防臭袋が付いていることもあります。防臭袋付きなら、排せつ物を二重に包めるので、消臭効果がアップしますし、中身が漏れにくくなります。
簡易トイレを選ぶ際は、袋にも注目しましょう。何かの拍子に、袋が破けてしまうと大変なことになりますから、十分に厚みがあるものや、防臭袋付きの二重に包めるものがおすすめです。
袋の色については、主に水色と黒色が使われていますが、基本的には黒色を選びましょう。黒色のほうが中身が見えにくく、処理や保管の際にストレスを感じにくいです。
また、使用後の片付けで、手が汚れてしまう可能性もあります。特に、便器に取り付けた袋を外すときは、手が汚れやすいので、手袋が付いていると便利ですよ。便器に直接触れることなく、衛生的に袋の着脱ができます。
セイワの「車用 携帯トイレ」は、片手で持って使うタイプの簡易トイレです。男女兼用、大人も子供も使える製品。処理袋の凝固剤が尿を素早く固め、臭いを抑えます。
持ち運びやすく、車中、登山中、避難中など、近くに便器が見つからないときでも用を足すことができます。尿処理袋はファスナー式なので、しっかり密閉できます。尿処理袋だけでなく、使用後の袋をしまう持ち帰り袋も付属します。
使用中の様子を隠すための前掛けシートも付いてきます。処理袋3枚入りが5個セットで、販売価格は1400円前後です。
ワイズコーポレーションの「緊急トイレポット」は、男女兼用、大小便兼用の簡易トイレ。便器がなくても使用できる製品で、床や地面に置いて使います。
袋はスライダー付きのチャックを採用しており、密閉できる仕様です。片手で持てるような、コンパクトサイズ。3セット入りで、販売価格は1000円前後です。
エムアンドティーの「非常用簡易トイレ 80回セット」は、便器設置式の簡易トイレ。排便袋と凝固剤は、80回分ずつ入っています。排便袋は、中身が透けにくい黒色を採用しています。
抗菌性凝固剤が消臭効果を発揮するだけでなく、排便袋をしまう付属の大型防臭袋を使うことで、より効果的に臭いを抑えることができます。
ポリエチレン手袋が20枚付属するので、手を清潔に保ちながら、袋の取り外しなどの作業が行えます。販売価格は4500円前後です。
Qbitの「いつでも簡単トイレ」は、便器設置式の簡易トイレ。付属の便座カバーをあらかじめ便器にセットしておけば、排便袋を設置する際に、袋が便器の水で濡れたり汚れたりせずに済みます。
袋は黒色で、中身が見えにくい仕様です。菌の増殖や嫌な臭いを抑制する凝固剤を使っているので、使用後の袋を一定期間保管する必要があるときでも安心です。
使用後の片付けで手を汚さないよう、専用の手袋が50枚付属します。50回分のセットで、販売価格は3600円前後です。
大塚包装工業の「災害用備蓄品トワレス いそげ!トイレ」は、組み立て式の簡易トイレです。パーツを組み合わせて段ボール製の専用便器を作り、付属の便袋を被せて使用します。
組み立てはたったの20秒で完了します。耐荷重は200kgです。抗菌剤配合消臭凝固剤が付属するため、使用後の嫌な臭いをしっかり抑制できます。
便袋は10枚入っており、黒色なので中身が見えにくくなっています。販売価格は3300円前後です。
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