家具の組み立てや解体、DIYなどの場面で役立つ「電動ドライバー」。手に負担を掛けずに、高速回転でネジを締めたり、パワフルなモデルなら硬い木材や金属などの素材に穴を開けたりすることもでき、作業の効率化を図るには不可欠なアイテムと言えます。
ただし、ひと口に電動ドライバーと言っても、シンプルなものから高機能なものまで、その種類はさまざまです。今回は、ネジ締めだけでなく、穴開けまで対応しているパワフルなモデルを中心にピックアップしました。選び方も紹介しますので、あわせてご覧ください。
フリーライターとして、家電、家具、アニメ等の記事を担当。大学時代から小説や脚本などの創作活動にはまり、脚本では『第33回シナリオS1グランプリ』にて奨励賞を受賞、小説では『自殺が存在しない国』(幻冬舎)を出版。なんでも書ける物書きの万事屋みたいなものを目指して活動中。最近はボクシングをやりはじめ、体重が8kg近く落ちて少し動きやすくなってきました。好きなのものは、アニメ、映画、小説、ボクシング、人間観察。好きな数字は「0」。Twitter:@kirimachannel
電動ドライバーは、大きく「ドリルドライバー」「インパクトドライバー」「小型ドライバー」の3種類に分けられます。まず、ドリルドライバーは回転の力でネジを締めたり緩めたりする最もスタンダードなタイプ。ネジの締め付けはもちろん、製品によっては木材の穴開けや、長いビスを打ち込むことも可能です。
トルクやスピードなどを細かく調節できるのも魅力の1つ。例えば、回転スピードを緩やかにして慎重に作業することもできるので、柔らかい素材を扱ったり繊細な作業が必要だったりするときに役立ちます。
本格的なDIYを行うなどパワーが必要なケースでは、インパクトドライバーがおすすめです。回転と打撃の力を組み合わせることで、他のタイプよりも強力にネジ締めや穴開けが行えます。
長ビスでもスピーディーに打ち込めますし、硬いネジを緩めたり、硬い木材や金属に穴を開けたりすることもできます。
小型ドライバーは、コンパクトかつ軽量なのが特徴で、力に自信がない方や女性も扱いやすいタイプ。手にしっかりフィットするグリップ性の高さも魅力的です。重さは400g以下のモデルが多く、これなら長時間の作業でもそれほど重たく感じることはないでしょう。
ただし、ドリルドライバーに比べてパワーが弱く、長いビスを締めたり素材に穴を開けたりすることは難しい場合がほとんどです。家具の組み立て・解体、簡単なDIYに使うのにちょうど良いタイプになります。
また、扱いやすさに関わる部分として、給電方式もチェックしておきましょう。給電方式は主に「コード式」と「バッテリー式」の2種類に分けられます。取り回しの良さを重視するならバッテリー式がおすすめです。
バッテリー式は、充電してから使うタイプになります。事前に充電していればコンセントがない場所でも使えますし、コードレスなので手元がスッキリしており、コードに作業を妨げられる心配もありません。
本格的なDIYを行うのか、家具の組み立て・解体用に使うのか、用途によって必要な「トルク」は変わってきます。トルクとは、ネジを締め付ける力のことで、「Nm(ニュートンメートル)」という単位で表記されます。この数値が高ければ、その分パワーは強くなります。
まず、家具の組み立て・解体をスムーズに行いたいという場合は、4Nm前後の小型ドライバーでも十分に対応できるでしょう。組み立て・解体だけでなくDIYを行うなどある程度のパワーが求められる場合は、15Nm以上のトルクが必要になります。
金属や厚みのある木材に穴を開けるなど、さらに本格的な作業をする場合は、30Nm以上のパワーを持っているインパクトドライバーがおすすめです。
インパクトドライバーはパワーが強く一気にネジを締めることができますが、その一方で初心者だと力加減が難しく、過剰なトルクで締めてしまうこともあります。パワーが強過ぎた結果、ネジが素材にめり込んで素材をダメにしてしまうこともあります。
慎重に作業を行いたい場合は、細かくトルク調節できるモデルを選びましょう。弱モードでゆっくり締めることができれば、ミスやトラブルに発展することも防げるでしょう。
パナソニックの「EZ7521 スティックインパクトドライバー 7.2V」は、ペン型の電動ドライバー。銃を握るような形で使うピストル型と、本体を真っすぐにして握るスティック型の2WAY方式を採用。バッテリー式のモデルで、フル充電すると約55分稼働します。
高速回転でのネジ締めはもちろん、スティック型に持ち替えて仕上げに手締めを行うという使い方も可能です。サイズが小さく本体重量も約550gと軽量。取り回しに優れているだけでなく、最大トルク・25Nmというパワフルさも兼ね備えています。
硬い木材に対しても、ネジ締めが行えます。先端には約2m先まで照らせるスポットLEDが付いており、さらにもう一つ広範囲を照らせるワイドLEDも搭載されています。
京セラの「ドライバードリル CDD-1030」は、高速モードで最大8.3Nm、低速モードで最大30Nmのトルクを発揮するドリルドライバー。無段変速スイッチを採用しており、トリガーの握り具合でシームレスに回転スピードを調節できます。
20段階のクラッチ機能を搭載しているため、作業内容に合わせてトルクを細かく調節することが可能です。ネジの締め付けや緩め作業はもちろん、木材や鉄板に穴を開けることもでき、穴開け能力としては、鉄工8mm、木工21mmとなっています。
コード式のモデルで、電池切れを気にせずに作業を進めることができます。重さは約1kgと比較的軽量なので、それほど負担に感じることもないでしょう。
マキタの「充電式ドライバードリル MDF347DS」は、バッテリー式のドリルドライバー。最大トルクは30Nmで、ネジ締めができるのはもちろん、鉄工10mm、木工25mmの優れた穴開け能力も備えています。
無段変速スイッチを採用しているため、握り具合で回転速度を調整できます。製品上部には速度切り替えレバーが搭載されており、低速と高速の2段階の切り替えに対応。慎重に作業するときは低速、作業スピードを上げたいときは高速など、状況に合わせて使い分けることができます。
作業内容に合わせて、さらに細かくトルクを調節できるよう、16段階のクラッチ機能が搭載されています。重量は約1.4kgあるので、多少重たく感じるかもしれません。
ハイコーキの「10.8V コードレスドライバドリル FDS12DAL」は、最大トルクが38Nmのドリルドライバー。低速と高速の切り替えスイッチを搭載しており、さらに細かなトルク調節機能も付いているので、ケースバイケースで使い分けられます。
充電式のコードレスモデルで、重さも約1.1kgと比較的軽めなので、取り回しに優れていると言えます。約22分の急速充電に対応しているのも特徴的で、短時間の充電ですぐに使い始められます。
ネジ締め能力の他、鋼材10mm、アルミ12mm、木材29mmの穴開け能力を持っています。
パナソニックの「EZ75A7 インパクトドライバー 14.4V/18V」は、バッテリー式のインパクトドライバー。最大トルク155Nmのパワフルさを備えており、長いネジを締めたり、硬い資材に穴を開けたりすることができます。
用途に合わせて切り替えられる、弱、中、強、テクス用の4つのモードを搭載。速過ぎたり遅過ぎたりしない適正なトルクで作業を進めることができます。LEDライトが付いているので、暗所で作業を行うときも安心です。
また、持ち手にはトレッドデザイングリップが採用されているため、手にフィットしやすく手袋をはめていても滑りにくくなっています。狭い場所でも作業できるよう、ヘッド部分がコンパクトに設計されている点も特徴的です。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.