ギアを手動で切り替えるMT(マニュアルトランスミッション)車は、ドライバーが自ら操る楽しさを味わえる車としてファンから支持されています。ですがAT(オートマチックトランスミッション)全盛の今、選べる車種はかなり減りつつあります。
軽のMT車は、コンパクトなボディーならではの手の内感と一体感を楽しめる、本格的なスポーツ車などとはまた違った喜びがあるユニークな存在です。しかし時代の波にはあらがえず、現行車種は減ってしまっています。
ここでは、現時点で新車購入できる現行モデルでMTの設定がある軽自動車を紹介します。気になる車をチェックしてみてください。
Fav-Log編集部員としてアウトドアや家電、ガジェット、車などを担当。ITmediaで長くITトレンドやネットの話題、業界事情、ガジェットなどを取材する一方、学生時代の野宿旅行から各地でキャンプを楽しんできました。キャンプのポリシーは「シンプルに」。最近は三浦半島に通って海釣り(主にライトゲーム)を楽しんでます。ファイナンシャルプランナー(日本FP協会認定AFP)。思い出のキャンプ地は大雪山・旭岳のテント場。最愛のガジェットはJornada 690。好きな魚はカサゴとオオモンハタ。最初の愛車はパジェロミニ(MT)。
3395(全長)×1475(全幅)×1545〜1570(全高)mm
658cc直列3気筒ターボ、最高64PS/最大104Nm(ターボエンジン車)
ホンダ「N」シリーズのスタンダードな乗用車「N-ONE」には、ホンダ伝統のスポーツグレード「RS」が設定され、MT車が選べます。
FF(前輪駆動)ターボと6速MTという組み合わせは軽自動車初。最高64PS/最大104Nmを発揮するターボエンジンとMTにより、爽快な走りと操る楽しみを味わえます。MT設定のある軽スポーツが次々と姿を消した現在、新車で買えるモデルとしては最もスポーティーな軽と言えるでしょう。
RSグレードの価格は6MT、CVTとも199万9800円です。
3395(全長)×1475(全幅)×1945〜1960(全高)mm
658cc直列3気筒、最高53PS/最大64Nm
ホンダ「N-VAN」は商用車にカテゴライズされる軽バンですが、乗用車的な利用も意識されていて、フルフラットにできる室内は車中泊にも向いています。
MTはN-ONEと同様の6速となり、前輪駆動(FF)と4WDにそれぞれ設定されています。ターボ車はCVTのみとなるのが惜しいところ。MT車(FF)の燃費は19.8km/L、価格は127万6000円からとなっています。
3395(全長)×1475(全幅)×1725(全高)mm
658cc直列3気筒インタークーラーターボ、最高64PS/最大96Nm
スズキ「ジムニー」は日本が誇るクロスカントリー(クロカン)車です。全車4WDのみとなり、全グレードに5速MTが設定されています。状況に合わせて使用ギアを判断しながらオフロードを踏破していける貴重な車です。
MT車の燃費は16.6km/L(WLTCモード)と、4速のAT車(14.3km/L)を大きく上回っています。MT車の価格は155万5400円からとなっています。
3395(全長)×1475(全幅)×1650(全高)mm
657cc直列3気筒、最高49PS/最大58Nm
人気車種のスズキ「ワゴンR」は現在もMT車(5速MT)が設定されています。ベースグレードの「FX」に限られますが、2WDと4WDともに設定があり、2WDは121万7700円、4WDは134万900円です。
ベースグレードとあって装備は限られてしまいますが、スタンダードな軽乗用車であるワゴンRでMTが選べるようになっているのはうれしいですね。燃費は24.8km/L(2WD、WLTCモード)と、CVT車(24.4km/L)を上回ります。
商用車なら今もMTが健在です。スズキ「キャリイ」やダイハツ「ハイゼット」など、いわゆる「軽トラ」と呼ばれる軽トラックや、スズキ「エブリィ」など宅配便などでおなじみ軽バンは、さまざまな使用状況に対応するために、割安で信頼性の高いMTへのニーズが大きく、これらの車種では基本的にMT車が設定されています。
農作業などに使われている軽トラですが、そのMT車にはなんとも言えない運転の楽しさがあります。ローギアードで軽快な発進加速、後輪駆動らしいハンドリングにギア操作も加わり、「普通に道路をギアを変えながら走っているだけなのに妙に楽しい」という感覚は、経験のある方はご存じではないでしょうか。
軽トラのカスタムを楽しんでいるファンも多いですし、軽バンを車中泊などレジャーのベース基地
に活用している人もいます。MTが好きなら軽商用車を候補に加えてみてもいいかもしれませんね。
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