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新型「iPhone 15」は前モデルからどう変わった? 重要な変更点5つを買い替えユーザー目線でチェック(1/2 ページ)

» 2023年09月13日 11時40分 公開
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 Appleは9月13日(現地時間)、「iPhone 15」シリーズを発表しました。

iPhone iPhone 15 Pro(出典:Apple)

 ここでは、iPhone 15/15 Plusについて、従来モデルからの進化点にフォーカスして、5つのポイントをチェックしましょう。機種変更やスマホ選びの参考にしてみてください。

井上晃

井上晃

スマートフォンやスマートウォッチ、タブレットを軸に、ICT機器やガジェット類、ITサービス、クリエイティブツールなどを取材。Webメディアや雑誌に、速報やレビュー、コラムなどを寄稿する。Twitter:@kira_e_noway

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ディスプレイに「Dynamic Island」を採用

 iPhone 15/15 Plusでは、ディスプレイのノッチが廃止され、パンチホール型の前面カメラとUIが連動する「Dynamic Island(ダイナミックアイランド)」が採用されました。この仕様はiPhone 14シリーズでは、上位モデルの「iPhone 14 Pro/Pro Max」のみに搭載されていたもので、今回iPhone 15シリーズでスタンダードモデルに降りてきた形となります。

 ユーザー視点では、この「Dynamic Island」があることで、通知の表示、タイマーやボイスメモ機能を使う際の操作性などが変わってきます。

iPhone iPhone 15/15 Plusでは、画面上部のノッチが無くなり、「Dynamic Island」に変わった。サイズはiPhone 14シリーズと同様で、6.1型と6.7型(出典:Apple)

 またディスプレイの輝度についても変化がありました。iPhone 14シリーズでは、輝度は標準で最大800ニト、HDRコンテンツ表示時のピーク輝度で1200ニトでした。これがiPhone 15シリーズでは、標準で最大1000ニト、HDRコンテンツ表示時のピーク輝度が1600ニト、屋外でのピーク輝度が2000ニトまで上がっています。

 この変更は屋外での視認性が向上したことが最大のメリットとなるでしょう

 ちなみに、これらの輝度に関する仕様は、「iPhone 14 Pro」や「iPhone 15 Pro」など上位モデルと共通しています。ただし、Proシリーズでは「最大120Hzのアダプティブリフレッシュレートを持つProMotionテクノロジー」をサポートしていますが、「iPhone 15/15 Plus」ではこれをサポートしておらず、リフレッシュレートの違いが差として残っています。

メインカメラが進化

 昨今のiPhoneにおけるスタンダードモデルでは、背面にメインカメラと超広角カメラを備えたデュアルカメラシステムを搭載しています。iPhone 15/15 Plusでも、この構成は変わりませんが、メインカメラの画素数は1200万画素から4800万画素にアップしました

 ユーザーにとっての恩恵は主に2つあります。1つ目は、4800万画素や2400万画素といった高解像度写真が撮影できるようになったことです。従来の1200万画素でも十分に解像度が高いので、SNSに投稿するくらいの用途ではそれほど差を気にする必要はないでしょう。しかし、ポスターのような大きな紙に写真を印刷したい場合には、こうした高解像度写真として撮影しておくことで、より鮮明に印刷できます。

 カメラセンサーの画素数が増えると画素1つあたりの取り込める光量が減るという欠点がありますが、iPhone 15シリーズでは、4つの画素をまとめて1つの大きな画素として振る舞えるクアッドピクセルセンサーが使われており、暗い場所でも心配せずに撮影できるようになっています。

iPhone 背面には4800万画素のメインカメラと12万画素の超広角カメラのデュアルカメラシステム(出典:Apple)

 2つ目のメリットは、2倍のデジタルズームを行った際にも従来のメインカメラと同じ12MP相当の解像度で撮影できることです。これによって背面カメラの構成に「望遠カメラ」がないにも関わらず、あまり劣化しない2倍望遠撮影ができるようになりました。

 食事の写真を撮影する際に手の影が映らないようにしたり、子どもやペットの写真を少し離れたところから撮影したりすることで、狙った表情や仕草を収めやすくなるでしょう。

 撮影機能としては、「ポートレート」モードを選択しないで撮影した写真についても、撮影時に自動で深度情報が記録され、後から編集でポートレートモードに切り替えられるようになったことに注目です。

 またスマートHDRの世代も、4から5へとアップしています。ただし、Apple Eventでは“最新のスマート HDRは、空と被写体の両方を鮮やかな色で捉え、肌の色合いをさらに忠実にレンダリングします(The latest Smart HDR captures both the sky and your subject with vivid colors and even more true-to-life rendering of skin tones.)”と説明されるに留まっており、具体的に、従来機種からどのような改良が施されていて、どのくらいの体験差があるのかは、現時点では見えてきていません。

ついにUSB-Cを搭載も転送速度は480Mbps

 iPhone 15シリーズでは、ついにコネクタにUSB-C(USB Type-C)が採用されました。この背景としては、EUにおける法規制によって、ポータブル電子デバイスの充電端子としてUSB Type-Cが義務化される予定であることが影響しています。

 ただし、注意したいのは、「USB Type-C」はあくまでコネクタ形状を指す規格であり、中身の仕様はさまざまなバリエーションがあることです。実際、iPhone 15/15 Plusと、iPhone 15 Pro/Pro MaxでUSB Type-Cのデータ転送速度は大きく異なります。

iPhone iPhone 15/15 PlusはUSB-C(USB 2)を採用(出典:Apple)

 iPhone 15/15 Plusでは、USB 2(おそらくUSB2.0のこと)が採用されており、伝送速度は最大480Mbpsしかありません。12万8000円(税込)〜という高額な端末にも関わらず、搭載ポートの規格がUSB 2.0というのは、デバイス関連の情報に詳しい人から見るとやや残念に思えます。

 一方で、USB 2でありながらもDisplayPortには対応しており、外部モニターへの映像出力などはできると考えられます。このような仕様になってしまったのはおそらく、搭載するチップセットがUSB Type-Cの搭載を考慮していない世代の「A16 Bionic」であることによる制限なのでしょう。

 こうした事情があるため、iPhone 15/15 PlusでUSB-Cポートが採用されるメリットは限定的です。MacBookやiPadを持っているユーザーならば、充電に使えるケーブルをUSB-Cにまとめられるという利点がありますが、従来のiPhoneで使っていたLightningケーブルが無駄になりやすいとも言えます(変換アダプタは別売)。

 ちなみに、上位モデルのiPhone 15 Pro/Pro Maxでは、USB-C搭載を意識して設計された「A17 Pro」が搭載されていて、最大10Gbpsのデータ転送速度に対応した「USB 3」(※おそらくUSB 3.2 Gen 2のこと)をサポートしています。そのため、外部機器に接続して撮影データなどを抽出したい場合には、Proシリーズの方が適しています

混雑した場所でiPhone同士を探せるように

 従来のiPhoneでは、「U1」というUWB(超広帯域無線)を活用するためのチップが搭載されていて「AirTag」などの対応機器を距離と方向で探すことができました。

 iPhone 15/15 Plusでは、このチップが第2世代にアップデートされていて、iPhone同士を従来の3倍の範囲で、接続して探すことができるとされています。観光地のような人混みにおいて、友人や家族と集合する際に、お互いを効率よく探せるわけです。

iPhone UWBを使って、お互いを探せる機能に新対応(出典:Apple)

背面に「カラーインフューズドガラス」を採用

 iPhone 15のボディーには従来通りアルミニウムが使われていますが、背面には新たに「カラーインフューズドガラス」が採用されました。直訳すると「色を注入したガラス」であり、Apple Eventの動画内では、“金属イオンを使用して素材自体の基礎に色を組み込み、彩度を正確に制御して、(中略)色を作成します(We use metallic ions to build color into the foundation of the material itself, precisely controlling the saturation to create five stunning color)”と説明されていました。画像を見る限り、淡い色合いが特徴的です。

iPhone カラーは6色展開(出典:Apple)

 カラーバリエーションは「ピンク」「イエロー」「グリーン」「ブルー」「ブラック」の5色。iPhone 14では「ブルー」「パープル」「イエロー」「ミッドナイト」「スターライト」「(PRDUCT)RED」の6色展開だったので、大きく変更されています。例年通り春に新色が追加されるとすれば、「(PRDUCT)RED」の可能性が高そうですね。

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