ワークマンの中でも特にラインアップが豊富なのが「レインウエア」です。上下セットで1900円というベーシックなレインスーツから、ジャケットだけで7800円というプレミアムなものまで、用途別にいろいろとそろっています。
今回紹介するのは、2021年の秋冬シーズンに登場して以来、大人気となっている「INAREMストレッチレインスーツ」です。お値段は上下セットで4900円(税込)。3シーズンにわたって愛用している筆者が、ほれ込んだ理由について解説しましょう。
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商品名にあるINAREM(イナレム)とは、「蒸れない」を逆さから読んだ造語です。ワークマンが独自に開発した高機能透湿防水素材の名称で、採用されている商品にもよりますが、このレインスーツの場合で耐水圧は20000mm、透湿度は25000g/平方メートル/24hとなっています。
レインウエアを選ぶ上で重要なのは、耐水圧と透湿度。耐水圧は、生地表面がどれぐらいの水圧まで耐えられるかを示した数値で、アウトドアレジャーにおいては10000mm以上が理想とされています。
また雨水が強く当たるバイクや自転車、登山などでは最低でも20000mm以上が必要とされていて、INAREMストレッチレインスーツは十分な耐水圧を有していることが分かります。
透湿度は蒸れにくさを表した数値で、生地1平方メートルあたり24時間で何gの水分を透過したかを示しています。軽い運動なら5000g/平方メートル/24h以上、激しい運動であれば10000g/平方メートル/24h以上が理想とされています。よって、透湿度が25000g/平方メートル/24hというのは、かなり優秀なスペックなのです。
これだけの耐水圧と透湿度を兼ね備えたレインウエアを、有名ブランドで上下そろえようとすると、最低でも2万円近くになります。INAREMストレッチレインスーツが上下で4900円というのが、いかに安いかがお分かりいただけるでしょう。
生地は3層構造のポリエステルで、裏面の肌触りはサラリとしています。縫製カ所は当然ながらシームテープで処理されているので、縫い目から浸水する心配はありません。
裁断については、パーツの着圧をAIデジタルで分析して着心地を追求する「レイムボックス」という独自の技術が使われています。これにより生地そのもののストレッチ性に加えて、腕が上げ下げしやすいなど可動域の広さを生んでいます。
ジャケットの丈は、後ろ身頃が長めに設計されています。写真は身長175cmの筆者がLサイズを着た状態で、お尻まですっぽりと覆われる長さとなっています。さらに裾の内側にはシリコンを使ったテープがあり、ずり上がりを軽減してくれます。
フードはクルクルとたたんで襟の内側に留めることができます。フードは走行風によってバタつきやすいので、特にライダーにとってはうれしい配慮です。
ポケットはジャケットの前身頃に3カ所設けられています。いずれも止水ファスナーまたはフラップなどによって浸水対策が施されています。
付属するパンツの色は、全てブラックとなります。お尻の中央に縫い目のないシームレスヒップ裁断となっており、着座部分から浸水するリスクを軽減しています。また、裾をタイトに絞るためのボタンも付いています。
収納袋はやや大きめに作られており、レインスーツの出し入れがしやすいほか、レイングローブなどをまとめてしまうこともできます。自転車用のヘルメットと並べると、大体のサイズがお分かりいただけるでしょう。なお、実測重量はLサイズで576gですので、およそ500mlのペットボトル1本分となっています。
筆者はこのレインスーツを、発売された2021年の秋冬シーズンから使い続けています。用途は主にバイクで、内側まで完全に浸水したことを確認できたのは、北海道ツーリングでゲリラ豪雨に遭ったときぐらいです。
ジャケットの前合わせは止水ファスナーと内側フラップという二重構造ですが、正面からの水圧が強すぎるとここから浸水してしまうようです。
とはいえ、そうした事態にこりることなく使い続けている最大の理由は、圧倒的な蒸れにくさにあります。
バイクの場合、停められる場所を探してレインスーツを脱ぎ着すること自体が面倒なので、雨が止んでもそのまま走り続けることが多々あります。その際、急に陽が差して気温が上がっても、本商品は意外なほど蒸れを感じにくいのです。
また先日登山で初めて使用した際には、あらためて動きやすさを実感しました。ルート上には岩をよじ登るような場所がいくつもあり、腕の上げ下げのしやすさをありがたく思いました。
アウトドアレジャー全般と相性の良い「INAREMストレッチレインスーツ」。現在のカラーバリエーションはオリーブ、ベージュ、ブラック、オレンジの4種類で、サイズはSから3Lを用意。レインスーツ選びで迷っている方に、ぜひおすすめしたい秀作です。
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