秋・冬の車中泊は寒くなってくるので、衣服が厚手になったり、暖を取るアイテムが必要になったりと、車内の荷物が増えがちです。でも、実は必要そうに思えるアイテムでも、なくても大丈夫だったり、代替品で問題なかったりすることもあります。
今回の記事では、秋・冬の車中泊旅で「必要だと思いがちだけど、実は持参しなくてもOKなアイテム」を紹介します。代替アイテムなども合わせて紹介するので、秋冬に車中泊旅を予定している人はぜひチェックしてみてください。
フリーランスライター・編集者。車中泊・バンライフ・キャンピングカー関連、生活・料理関連の記事を複数メディアで執筆中。夫婦でDIYしたバンで「休日バンライフ」として日常的に車中泊をしています。車中泊では車内でパソコン仕事をする他、料理・読書・ゲームをして楽しむ、完全なる「インドア派」。インテリア・ガジェット・ゲームも大好き。
厚手の衣類など「かさばる荷物」が多い秋冬の車中泊では、「本当に必要なもの」だけを厳選し、できるだけ荷物を少なくしたいですよね。筆者も以前は、「収納に入り切らないあふれた荷物が、ベッドの上に散乱している……」ということが、よくありました。
ただ、心配だからといって「あれもこれも持っていきたい!」と車に積み込んだアイテムでも、実際は使用する場面がなかったり、さまざまな理由から利用できなかったりしたものがあります。
季節を問わず、4年以上車中泊を楽しんできた筆者は、やっと「必要そうに思えて、実は持参しなくてもいいアイテム」が分かってきたところです。以下では、筆者が実際の車中泊で「持参したけど使わなかった」「なくても問題なかった」と実感したアイテムを紹介します。
本格的なキャンピングカーには、備え付けの暖房としてFF式のヒーターがオプションなどで用意されることが多く、エンジンを止めた状態でも使用可能です。しかし、FFヒーターのような暖房設備のない車両での車中泊の場合、寒さに備えたアイテムが別途必要になります。
かといって、灯油を使用したストーブやエンジンヒーターを使用するのは、一酸化炭素中毒の危険性が高いためNG。必然的に「車内での使用に向いている」といわれる、比較的安全性の高い「電気ヒーター」や「ポータブルエアコン」の準備を考えている人が多いと思います。
しかし、車中泊歴4年以上の筆者は、車中泊のために電気ヒーターを持参したことがありますが、現在まで使用頻度はあまり高くありませんでした。その理由は、電気ヒーターやポータブルエアコンの消費電力の高さです。大容量のポータブル電源があっても、ヒーターを使用すれば数時間で容量が尽きてしまいます。朝まで暖かく眠るには、長時間の使用が可能な「消費電力が低いアイテム」を使う必要があります。
そんな筆者がおすすめするのが、「電気毛布」と「蓄熱式湯たんぽ」です。この2アイテムがあれば、寒さの厳しい冬場でも、朝まで暖かく過ごすことができます。寒さを感じず、ポカポカと暖かい状態で安眠することが可能です。
また車内で過ごす際には、ヒートテックなどの防寒下着を利用したり、厚手の靴下を履いたり、寒冷地では冬用のシェラフを使用したりするのもおすすめです。電気要らずのアイテムも複数取り入れることで、寒さをしのぐことができますよ。
車中泊の必須アイテムともいえる「ポータブル電源」。ついつい、さまざまな家電の使用が可能な、10万円以上する大容量&高出力の高価なポータブル電源を持参したくなりますが、このタイプのポータブル電源は本体も大きく場所を取ります。実はあると便利な「ポータブル電源」も、1泊程度の車中泊であれば夜〜朝方まで電気毛布を使い、さらにお湯を1〜2杯沸かせるだけの容量があるもので問題ないのです。
朝まで電気毛布が使えて、さらに少し余裕のある容量のポータブル電源なら、Jackery(ジャクリ)の「ポータブル電源 708」がおすすめです。19万1400mAh/708Whと、1泊2日の車中泊には十分な容量で、実売価格は8万5000円前後。電気毛布で朝までぐっすり眠り、朝起きたらお湯を沸かしてコーヒーを飲む、なんてことも可能です。
積雪が心配な地域や標高の高い場所へ行く場合は「スタッドレスタイヤ」が必須となります。しかし積雪や路面凍結の心配がない地域への車中泊旅なら、スタッドレスタイヤは特に必要ありません。
「そうはいっても、スタッドレスタイヤがないと心配」という場合は、もしものときのために「タイヤチェーン」を積んでおけばOKです。価格的にもスタッドレスタイヤより安価ですし、スリムタイプのケースに入っている商品もあるため、収納場所も取りません。購入の際は、適合車種をしっかり確認しましょう。
車中泊時の車内調理に、カセットコンロを使っている人は多いと思います。車内でカセットコンロを使って鍋料理を食べれば、体が芯から暖まりますよね。筆者は車内で火器を使用することに抵抗があり、特に冬場は換気などが必要になることから、カセットコンロは使用していません。
カセットコンロ代わりに使用しているのが、小型の調理家電です。消費電力600〜800W程度までの家電なら、定格出力が1000W以上もあるような高価なポータブル電源でなくても使用できます。
筆者のおすすめは、山善の「クッキングポット&プレート お料理ケトル」。鍋とフライパン(焼きプレート)がセットになっており、消費電力が600Wながら、これ1つで「焼く」「炒める」「煮る」「沸かす」「揚げる」など、複数の調理方法での調理が可能です。
全て積み重ね(スタッキング)て持ち運ぶことができるので、収納スペースも取りません。
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