秋は暑さが落ち着いて比較的過ごしやすい、旅行・観光に最適なシーズンです。秋の味覚や紅葉を楽しむために、旅行やドライブ、キャンプ、車中泊旅などの予定を立てている人も多いでしょう。
筆者が住んでいる箱根も、秋になると紅葉やすすきを目当てに、多くの観光客が訪れます。箱根は都心から近いこともあり、人気の観光スポットとなっています。そうなると気になるのが、混雑です。バス乗り場には長蛇の列ができたり、箱根登山鉄道も混みあったりするので、混雑が苦手な人は避ける傾向があるのも事実です。
そこで今回は、箱根在住の筆者が、人混みを気にせず楽しめる「箱根の穴場スポット」を紹介します。自然豊かな箱根の秋を満喫したい! と考えている人は要チェックです。
フリーランスライター・編集者。車中泊・バンライフ・キャンピングカー関連、生活・料理関連の記事を複数メディアで執筆中。夫婦でDIYしたバンで「休日バンライフ」として日常的に車中泊をしています。車中泊では車内でパソコン仕事をする他、料理・読書・ゲームをして楽しむ、完全なる「インドア派」。インテリア・ガジェット・ゲームも大好き。
箱根の紅葉は、10月頃から少しずつ色づき始め、11月に入って見頃を迎えます。紅葉やすすきを目的に箱根に訪れるなら、少し肌寒くなり始めた11月がおすすめです。
そんな秋の紅葉シーズン、人気観光地である箱根は混雑しているイメージが強いかもしれません。実際、紅葉スポットとして有名な場所や、すすき野原が人気の仙石原付近では、バス乗り場に長蛇の列ができたり、渋滞が発生したり、付近の飲食店で2〜3時間待ちになったりと、混雑が目立ちます。
しかし、そんな箱根にもあまり混雑していない“穴場スポット”がいくつか存在します。
最初に紹介するのは、小涌谷エリアにある「箱根小涌園 蓬莱園(はこねこわきえん ほうらいえん)」。2023年7月に開業した「箱根ホテル小涌園」の、ちょうど裏側に位置する庭園です。
小涌谷温泉「三河屋旅館」の創業者である榎本恭三氏が開いた約5000坪の庭園は、ツツジの名所として有名。春にはたくさんの観光客がツツジ見物に訪れます。そして春だけではなく、1年を通して自然を堪能することができるため、秋には美しい紅葉も楽しむことができます。
庭園は入園料無料で散策することができるのもうれしいポイント。箱根湯本駅から箱根登山バス(H路線)に乗り、約20分で「蓬莱園」バス停に到着します。
また、箱根登山鉄道の小涌谷駅から歩いて向かうことも可能です。蓬莱園までは徒歩15分ほどですが、後述する「千条の滝(ちすじのたき)」に立ち寄ることもできます。
小涌谷駅から蓬莱園までは上り坂が続きますが、道中も美しい景色を堪能できますので、体力に自信のある人はぜひ歩いてみてください。
「千条の滝(ちすじのたき)」は、箱根登山鉄道の小涌谷駅から徒歩10分ほどの場所にある美しい滝。滝の近くには川も流れ、ひんやりとした空気が漂います。付近はマイナスイオンと水の音で、かなり癒される空間です。
千条の滝は幅約25m、高さ約3mの小さな滝ですが、その名の通り、いく筋もの清らかな水が横長の岩肌を流れ落ちています。
小涌谷駅から千条の滝に辿り着くまでは10分以上歩きますし、足元がぬかるんでいる場所もあるため、防水の運動靴や登山靴で向かってください。また、敷地内には鷹巣山(たかのすやま)への登山ルートもあるので、登山好きな人はチェックしてみてください。
次に紹介するのは、箱根町の芦ノ湖エリア(元箱根)にある「神奈川県立 恩賜箱根公園(おんしはこねこうえん)」です。
恩賜箱根公園は明治時代、皇族の避暑や諸外国からの賓客を迎えるために建てられた「箱根離宮」の跡地で、現在は公園として整備されています。「かながわの景勝50選」の1つでもあり、敷地内から芦ノ湖や富士山を望むことができます。秋には紅葉と芦ノ湖、富士山の美しい景色を一望することが可能です。
恩賜箱根公園は、箱根湯本駅から箱根登山バス(H路線)に乗り約40分、「恩賜公園前」バス停で下車してすぐの場所にあります。駐車場利用の場合は駐車場料金がかかりますが、入園は無料です。
敷地内の展望館は9時〜16時30分、展望館2階にある茶処「緑賜庵」は10時〜15時30分の営業なので、展望館に立ち寄る際は時間に余裕を持って訪れてくださいね(2023年9月19日時点)。
最後に紹介するのは、仙石原エリアにある「箱根湿生花園(はこねしっせいかえん)」です。箱根湿生花園は湿原をはじめとした、川や湖沼などの水湿地に生息している植物を中心とした植物園です。
園内には、低地から高山まで、日本各地に点在している湿地帯の植物が約200種、さらに草原や林・高山の植物が約1100種集められており、珍しい外国の山草も含めると、なんと約1700種の植物が集まっています。
園内の植物は季節ごとの花々を咲かせており、春から秋までどの季節に訪れても美しい景色を楽しむことができます。園路は低地から高山へ。初期の湿原から、発達した湿原の順に植物を見て回ることができるようになっています。
入園料は大人が700円、小学生が400円。20人以上の団体なら少し安くなるので、詳しくは公式サイトをチェックしてみてください。
箱根湿生花園は、2023年は11月30日まで開園(毎年変動あり)しています。以降は閉園しているため、スケジュールを組む際は注意してください。
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