これから「車中泊」を始めたいと思っている人もいるでしょう。でも、車中泊にはどのような車種が向いているのでしょうか。
車中泊を目的に車を購入するといっても、車中泊メインで使用するのか、普段の通勤や買い物、ちょっとした外出などにも使うのかで、選択肢は大きく異なります。今回は、日常的に車中泊を楽しむ筆者が、車中泊におすすめの車の種類と選ぶポイントを紹介します。
フリーランスライター・編集者。車中泊・バンライフ・キャンピングカー関連、生活・料理関連の記事を複数メディアで執筆中。夫婦でDIYしたバンで「休日バンライフ」として日常的に車中泊をしています。車中泊では車内でパソコン仕事をする他、料理・読書・ゲームをして楽しむ、完全なる「インドア派」。インテリア・ガジェット・ゲームも大好き。
車中泊をするためには、どんなポイントを押さえて車を選んだらよいのでしょうか。購入時に押さえてほしい「車両を選ぶポイント」は、主に以下の3つです。
車を車中泊に使用するよりも、通勤や買い物、ちょっとしたお出かけ、送り迎えなどの「普段使い」に使う頻度の方が高い場合は、乗車人数や家族の用途に合うか、運転しやすい車両かなどをチェックしましょう。
自宅周辺の道路状況に合わせて、小回りが利く車両を選ぶなど、運転する人に合わせてチョイスすることがとても大切です。
一方、車中泊での使用がメインの場合は、車内で何人寝るか、長期間の車中泊の予定はあるか、普段使いの頻度はどのくらいかなどを予め想定し、最適な大きさの車両を選ぶようにしてください。
車を車中泊仕様にする際、本格的にカスタマイズをしたいかどうかでも、選ぶ車種に違いが出てきます。本格的なカスタマイズを想定している場合は、できるだけ大きめの車両や、カスタマイズの自由度が高い車両を選ぶようにしましょう。
筆者は初めから、車内をDIYして車中泊仕様にカスタマイズする予定だったため、荷室が広く自由にカスタマイズが可能な商用バン(マツダ・ボンゴブローニイバン)を中古で購入しました。カスタマイズの範囲や内容によってはそのままで車検が通らず、「構造変更」という手続きが必要になります。
また普段使いがメインの場合は、シートを倒しての車中泊となるため、大幅なカスタマイズは難しいです。普段使い・車中泊、どちらをメインにするのかを購入前にきちんと決めておくとよいでしょう。
車中泊にどの程度の頻度で出かけるのかも、車種選択のポイントになります。毎週末車中泊に出かけるなど「車中泊の頻度が高い」場合は、毎回倒したシートを元に戻したり、車中泊用アイテムを車から下ろすのはとても大変です。
頻度が高い場合は、ある程度の大きさがある車両や、収納スペースに余裕のある車を選び、アイテムを車内に積みっぱなしにできるようにするのがベストです。
また「車中泊をするのは年に数回程度」という場合は、車中泊の際に必要な荷物は家に置いておき、その都度車に積み込むとよいでしょう。軽バンのような小さい車両でも、普段は荷物を自宅に置いておくことで、普段使いと車中泊、どちらにも対応することができます。
車内に積める荷物の量や、使用予定の車中泊用アイテムがどのくらいあるのか、車内に荷物を積んでも横になって寝ることができるのかなどをしっかりとチェックし、個々の車中泊スタイルや普段の生活に合った車種を選ぶようにしてくださいね。
筆者が車中泊に1番おすすめしたいのが、トヨタ自動車の「ハイエース」です。車両に長さがあるため荷室が広く、カスタマイズする際の自由度が高いのが特徴です。
車両には通常タイプ以外にも、ロング・スーパーロング・ワイド・ミドルルーフ・ハイルーフなどがあり、高さや広さも自身が求めるものを自由に選択することができます。ハイエースの中でも1番大きな「スーパーロング・ワイド・ハイルーフ」は、今回紹介する3種類の車両の中でも、1番の広さを誇ります。
身長151cmの筆者が車内で立つことが可能な上、バンタイプであれば後部の座席をすべて取り払い、車内にベッドやキッチンを配置することもできます。価格は239万2100(税込、以下同)からとなります(2023年7月13日時点)。
ホンダ(本田技研工業)の「ステップワゴン」は、家族での普段使いも想定している人におすすめの車種です。シートアレンジの自由度が高く、普段使いから車中泊まで、さまざまな使い方が叶う車両です。
7人(オプションにより8人)の乗車が可能で、大きい荷物も簡単に積み込むことができるため、車中泊にぴったりです。2〜3人なら車内で寝て、4人以上ならテントを使うなど「車中泊キャンプ」にも適しています。
車両の長さは5m以内。高さも184cmほどなので、大きすぎず運転もしやすいでしょう。通勤からお出かけまで、さまざまな用途に対応が可能です。車内のスペースを最大限活用したシートアレンジでは、車内高120cmを確保。大人2人が就寝できるフラットなスペースを作ることができるため、車中泊に最適です。価格は305万3600円からです(2023年7月13日時点)。
最近は、普段使いしやすく維持費も安い「軽バン」での車中泊も人気が高まっています。軽バンでの車中泊におすすめの車種と言えば、ホンダの「N-VAN」です。
軽バンとは思えない、広い積載スペースが人気のN-VAN。燃料タンクを前席の下に収めるホンダ独自の 「センタータンクレイアウト」を採用したことで、荷室を低床化しています。
助手席と後部座席を床下に収納できる仕様となっており、その際の荷室高は136cmと、軽バンの中でもダントツの高さを誇ります。シートを倒した際の助手席側の荷室長は263cmとなり、男性でも問題なく就寝スペースを確保できます。
また、軽バン初の「センターピラーレス仕様」で、助手席側に大きな開口部を設置。荷物の積み下ろしだけでなく、車への乗り降りもしやすい構造が人気で、車中泊をする人から多くの支持を得ています。
助手席側のドアを開けた際の開放感は抜群で、大きなバンやキャンピングカーにも引けを取らない景色を楽しむことができます。価格は127万6000円からです(7月27日より、新価格133万7600円からに変更)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.