コロナ禍による行動制限が解かれてまもなく1年。取材活動はリアル会場での発表会がほぼ復活し、海外出張へ行く機会も戻ってきました。
そんな中、海外での強さを再認識した通信サービスが「ahamo(アハモ)」です。ここではahamoの海外での有用性を実体験を元に紹介していきます。
徳間書店にて携帯電話雑誌の編集に携わった後、2002年からフリーランスライターとして独立。業界で数少ない女性ライターで、スマートフォンなどのモバイル端末紹介を中心に、Web媒体や雑誌で執筆活動を行う。
Twitter:@fusano
2023年はスペイン・バルセロナで開催される世界最大級の通信関連イベント「MWC Barcelona」に現地で参加。海外で使うモバイル回線にも変化があり、出張などのビジネス面だけでなく海外旅行でも選択肢が広がった印象です。
2019年までMWC Barcelonaを取材する際は、現地での安いモバイル通信手段を確保するため、また宿のWi-Fiの速度がいまいちな時(そういうケースが結構多い)はモバイル通信で代替するため、プリペイドSIMカードを事前に日本で買っていく、もしくは現地に到着したら、まずは携帯電話ショップに出向き、旅行者用の20GB 15ユーロ程度のプリペイドSIMカードを購入するのが恒例になっていました。
つたない英語でショップのスタッフとやり取りしながらSIMカードを購入するのは、楽しいながらも緊張し、宿からショップに出向き、契約手続きをするのは、それなりに時間がかかる作業です。とはいえ、日本のキャリアの海外ローミングサービスは、基本的に1日当たり500円から2000円程度の利用料がかかります。
例えば、auの「世界データ定額」は早くから利用を予約していると1日500円程度から使えますが(2024年2月時点)、ドコモの「世界そのままギガ」だと24時間980円。ソフトバンクは北米・ハワイは利用料が無料の「アメリカ放題」ですが、それ以外の地域だと「海外パケットし放題」で1日10MBまで1980円、使い放題だと2980円もかかります。バルセロナには1週間以上滞在するので、結構なコストになります。
これまで海外出張の際は、現地で安いSIMカードを購入することが必須だったのですが、ahamoが登場してからは、現地SIMは不要、もしくは購入枚数を減らすことができるようになりました。
ahamoだと、追加料金なしで海外91の国・地域でデータ通信が1カ月20GBまで利用できます。「海外91の国・地域」は日本人が渡航する先の約98%をカバーしており、筆者が海外取材で行く先はすべてカバー。事前の申し込みも不要で、端末のデータローミングをオンにするだけです。ちなみに、大盛りオプションに加入している場合でも、海外での月間利用可能データ容量は20GBです。
この利用料無料、申し込み不要、91の国・地域に対応、ローミングをオンにするだけで20GBまで国内と同じ感覚で使えるということが、とても快適です。前回のMWCでは、宿のWi-Fiが思ったより快適だったので、モバイルデータ通信はahamo1本で済んでしまい、SIMカード購入やローミング利用料にかかっていたコストをかなり抑えることができました。
ahamoを海外で使用する際に1つだけ注意が必要なのは、2週間以上海外で使う場合。海外で最初にデータ通信を利用した日から15日経過後の日本時間0時以降に、海外では通信速度が送受信最大128kbpsとなります。これをリセットするには日本に帰国してデータ通信を行うしかありません。
とはいえ、一般的な海外旅行、一般的な出張だったら大丈夫でしょう。旅行でアジアやヨーロッパを周遊する、別の国を経由して目的地に入るといった場合にもahamoは非常に便利です。また今は“2年縛り”がなくなったため、短期間で契約を変えることができます。出張に合わせてドコモからahamoに乗り換え、戻ってきたらまたドコモに戻すということも、やろうと思えばできます。
海外出張や海外旅行の機会がどんどん増えてきていると思いますが、ahamoは非常にお勧めです。海外に出かけることが多い人はahamoにした方がいいと言っても過言ではありません。筆者の場合、海外出張の機会はそれほど多くありませんが、それでも便利さを実感しています。今度のMWC Barcelona 2024でも、iPhoneに登録しているahamoのeSIMをフル活用する予定です。
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