2023年は、大手キャリアからもユニークなプランが登場した一年でした。ここでは、NTTドコモ、au、ソフトバンクからから特に印象的だったプランを1つずつピックアップし、トレンドを振り返りたいと思います。
スマートフォンやスマートウォッチ、タブレットを軸に、ICT機器やガジェット類、ITサービス、クリエイティブツールなどを取材。Webメディアや雑誌に、速報やレビュー、コラムなどを寄稿する。Twitter:@kira_e_noway
NTTドコモは、2023年7月から「eximo(エクシモ)」「irumo(イルモ)」といった新プランの提供を開始しました。
名称に関しては賛否両論という印象でしたが、興味深い変化だったのは間違いありません。
筆者が特に注目したのは、1カ月に使えるデータ容量を選んで契約するという従来では定番だったスタイルの「irumo」でした。月間で「0.5GB」(500MB)プランを選択すると「みんなドコモ割」などの対象にはならないものの、最低月額料金が550円(税込、以下同)に抑えられます。
もちろん、2023年はコロナ以前のように外出が増えてきたタイミングなので、現実的には節約と言えども段階性定額制のeximo(3GB〜無制限は7315円)や、irumoの3GBプラン(2167円)、6GBプラン(2827円)あたりを契約する人が多いでしょう。
しかし、Wi-Fi接続下で使う機会がほとんどという人にとっては、このirumoの0.5GBプランはミニマルな選択肢として見逃せないと思います。
auの通信プランでは、9月から提供が開始されている「auマネ活プラン」がユニ−クでした。
通信量と価格については、データ容量が無制限で、各種割引適用前の月額料金が7238円と標準的な大容量プランという印象です。
しかし、同プランを契約したうえで、auの金融サービスをセットで利用すると、いくつかの特典が受けられるというメリットあります。
具体的には、以下のような特典を受けることが可能です。
そのためプランの価格は7238円ですが、条件によっては、そこからauスマートバリューによる1100円の割引、au PAY残高の800円の還元、au PAYカードの還元率0.5%アップによる増加分(もし月10万円前後の支払いと仮定すると500円ほど)――などが引かれることになるので、大まかに計算しても、実質的な負担額を4800円前後にするのも難しくないという設計でした。
これがお得と感じるかは人によって変わると思いますが、単なるサービスのバンドルではなく、資産形成などにひもづいており、これまでにない仕組みが興味深いプランでした。
ソフトバンクも10月から新料金プランの「ペイトク」の提供をスタートしました。
こちらは「PayPay」(残高/クレジット)での決済によって、プランに応じたPayPayポイントが付与されるというプランです。対象外の店舗・サービスもある点は注意です。
プランは3種類で、月額7425円・月30GBの「ペイトク30」、月額8525円・月50GBの「ペイトク50」、月額9625円・無制限の「ペイトク無制限」が用意されています。
それぞれ還元率が異なり「ペイトク30」が1%(付与上限1000円相当/月)、「ペイトク50」が3%(付与上限2500円相当/月)、「ペイトク無制限」が5%(付与上限4000円相当/月)です。
月額基本料金は高めに設定されているものの、「おうち割 光セット」や「新みんな家族割」を合わせて適用できれば「ペイトク30」ならば5000円弱での運用が可能です。
ポイント還元を反映させると、実質負担額を4000円弱にすることも、そこまで難しくないというのが魅力。割引の条件さえクリアできる人ならば、検討してみたくなるようなプランでした。
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