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OSは“7年アップデート保証” 「Google Pixel 8 Pro」の5つの進化ポイントをチェック 円安は価格にどう影響?(1/2 ページ)

» 2023年11月01日 15時15分 公開
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 Googleは10月12日にスマートフォンの新モデル「Google Pixel 8 Pro」を発売しました

Google Google Pixel 8(出典:Google)

 ここでは、フラッグシップモデルである「Google Pixel 8 Pro」にフォーカスし、5つの重要なポイントを追いながら概要をチェックしていきましょう

井上晃

井上晃

スマートフォンやスマートウォッチ、タブレットを軸に、ICT機器やガジェット類、ITサービス、クリエイティブツールなどを取材。Webメディアや雑誌に、速報やレビュー、コラムなどを寄稿する。Twitter:@kira_e_noway

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画面輝度がアップして屋外で見やすくなった

 「Google Pixel 8」(以下、Pixel 8)は、Googleが10月12日に発売したスマートフォンです。スタンダードモデルの「Google Pixel 8(以下、Pixel 8)」が6.2型なのに対し、Pixel 8 Proは6.7型で一回り大きめ。ボディーの素材としてフレーム部にポリッシュ仕上げのアルミニウム、背面にマットガラスが使われているのが特徴です。

Google 秋に登場した新製品群のうち、右側のやや大きめのスマートフォンが「Pixel 8 Pro」だ(出典:Google)

 まずは端末のサイズに注目してみましょう。2022年秋に発売された「Google Pixel 7 Pro」(以下、Pixel 7 Pro)のサイズが76.6(幅)×162.9(高さ)×8.9(厚さ)mmだったのに対し、Pixel 8 Proでは76.5(幅)×162.6(高さ)×8.8(厚さ)mmへとわずかに小さくなっています。とはいえ、ディスプレイサイズは6.7型のままです。スタンダードモデルのPixel 8が、Pixel 7の6.3型から6.2型へとひと回りコンパクトになったことに比べれば、さほど大きな変化とは言えません

 一方で画面のアスペクト比が、わずかに変わっている点は見逃せません。Pixel 7 Proでは「19.5:9」だったのに対し、Pixel 8 Proは「20:9」となり、長辺が長くなりました。ボディーの高さはわずかに減少しているので、上下のベゼルがスリムになった分、画面が縦に伸びたわけです。解像度は、1440×3120ピクセルから1344×2992ピクセルへと少し減っています。

 またPixel 8 Proでは「Super Actuaディスプレイ」という新たな名称のディスプレイが採用されています。スペックとして変化があったのは画面輝度です。Pixel 7 Proでは1000ニト(HDR)/1500ニト(ピーク)だったのに対し、Pixel 8 Proでは1600ニト(HDR)/2400ニト(ピーク)へと大幅にアップ。直射日光下での視認性などが改善されていると思われます

超広角カメラが高解像度になり、望遠カメラが明るくなった

 Pixel 8 Proの背面カメラは、広角(5000万画素)、超広角(4800万画素)、望遠(4800万画素)という三眼構成です。Pixel 8と比べると、望遠カメラがあることや、超広角カメラの画素数が多いこと(※Pixel 8の超広角カメラは1200万画素)などが、分かりやすい差です。

Google 三眼構成のカメラ(出典:Google)

 さらに細かい仕様をチェックしてみると、Pixel 8 Proの広角カメラは「F値f/1.8、画角82度、イメージセンサーのサイズ1/1.31インチ」で、超広角カメラは「F値f/1.95、画角125.5度」、望遠カメラは「F値f/2.8、画角21.8度、光学ズーム5倍、超解像ズーム最大30倍」となっています。

 Pixel 7 Proからの変更点もチェックしてみると、「超広角カメラが1200万画素から4800万画素になり、絞り値や画角も変わっていること」、「望遠カメラの絞り値がf/3.5からf.2.8へと下がり、画角が20.6度から21.8度に広がっていること」などがポイントになるでしょう。Googleによると望遠カメラは56%多くの光を取り込めるように改良したとのことです

 インカメラが、新たにオートフォーカスに対応したことなども見逃せません。写真が好きな人ならば、ますます撮影が楽しめる端末になっていそうですね

マニュアル撮影やビデオ夜景モードが使える

 Pixel 8/8 Proは、プロセッサーとして新たに「Tensor G3」を搭載しています

 両機で共通して使える撮影用の新機能は3つあります。1つ目が集合写真の人物の表情を最適化できる「ベストテイク」、2つ目が被写体の位置やサイズを調整したり背景の空を変更したりできる「編集マジック」、3つ目が動画の音声ノイズを低減できる「音声消しゴムマジック」です。

Google 「ベストテイク」機能イメージ(出典:Google)

 上位のPixel 8 Proでしか使えない機能も2つ用意されています

 1つ目がカメラアプリで使える「プロ設定」です。シャッタースピードやISOを手動調整したり、ズーム倍率によらずに約5000万画素での高解像度撮影が選択できたりします。

 2つ目が、後日提供予定の「動画ブースト」です。こちらは色や照度、手ブレ補正、粒状性などを調整しながら動画を撮影できる機能。「ビデオ夜景モード」として低照度下での動画画質を向上させることもできるとされています。

Google 「プロ設定」機能イメージ(出典:Google)

 つまり、より“こだわりの撮影”を楽しみたい人にとっては、Pixel 8よりもPixel 8 Proを選んだ方が付加価値があるということです

 カメラには関係しませんが、機械学習処理を活用した機能である音声入力アシスタントやレコーダー機能の進化もトピックです。Pixel 8/8 Proでは、言語の種類を手動で設定せずとも自動で言語を認識し、その言語での入力を行えます。

料理などの温度が測れる

 Pixel 8 Proだけの特徴として、新たに端末背面に温度センサーが搭載されたことも面白いポイントです。LEDフラッシュの横に配置されており、料理などをスキャンして温度をチェックすることができるようになっています。

Google 背面の温度センサー(出典:Google)

 温度を測るためには「温度計」アプリを使います。センサーを対象物に向けて、アプリ内の「タップして測定」ボタンをタップすれば、測定が実行されるというシンプルな操作性です。画面にカメラを通した画像が表示されるわけではなく、温度の数値のみが表示されます。

 紅茶の温度が飲み頃かどうか、IHヒーターが冷めているかどうか、などをチェックするのに良いかもしれません。購買に直結する機能ではないと思うので、ユニークなおまけ機能として認識しておくと良いでしょう。

保証期間が7年もある

 Pixel 8 Proのカラーバリエーションは、「Bay(青系)」「Obsidian(黒系)「Porcelain(白系)」の3種類です。Googleストアでの価格は、128GBモデルが15万9900円(税込、以下同)、256GBモデルが16万9900円、512GBモデルが18万9900円。純正の保護ケースは5400円です。

 スタンダードモデルのPixel 8と比べると、最小構成でも追加で4万7000円かかります

Google Pixel 8 Proのカラーバリエーション(出典:Google)

 また日本でのPixel 7 ProとPixel 8 Proの価格を比較すると、12万4300円(Pixel 7 Pro)から15万9900円(Pixel 8 Pro)へと値上がっています。米国での価格アップは100ドルにとどまっているので、Pixel 7 Proの発売時から円安が進んだことを考慮しても、日本での値上がりは大きいと言えそうです

 しかしPixel 8/8 Proは、Android OSのアップグレード、セキュリティアップデート、定期的な新機能のアップグレードを含むソフトウェアアップデートが7年間提供されるようになりました。従来のシリーズでは、ソフトウェアアップデートが3年間、セキュリティアップデートが5年間とされていたので、かなり長期運用がしやすくなったのはポイントです

 そして通信仕様に関してPixel 7 Proで非対応だったNTTドコモのn79(4.5GHz帯)も、Pixel 8/8 Proでしっかりサポートされています。Proシリーズでは従来通り、ミリ波の5Gにも対応しています。通信仕様という観点でも長期運用時の懸念点はあまりないでしょう。

 こうしたサポートや仕様をうまく活用して長く使用するのが、Pixel 8 Proをおトクに使うポイントとなりそうです

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