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最新規格「Wi-Fi 7」のメリットは? 6つのポイントでチェック【後編】

» 2024年05月15日 16時41分 公開
[井上晃Fav-Log]
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 Wi-Fi(無線LAN)ルーターを新調したり、パソコンやスマートフォンを購入する際には、Wi-Fiの各世代ごとの規格について理解していないと仕様の違いがよく分からないものです。最近は「Wi-Fi 6E」に続き、最新の「Wi-Fi 7」への対応をうたう製品も登場してきており、最新規格のメリットについて気になっている人も多いのではないでしょうか。

 前編に引き続き、この後編ではWi-Fi 7について知っておきたいポイントのうち、320MHz幅の通信、4K-QAM、6GHz帯のメリットについてチェックしていきましょう。

井上晃

井上晃

スマートフォンやスマートウォッチ、タブレットを軸に、ICT機器やガジェット類、ITサービス、クリエイティブツールなどを取材。Webメディアや雑誌に、速報やレビュー、コラムなどを寄稿する。Twitter:@kira_e_noway

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6GHz帯では320MHz幅の通信が可能に

 前編ではWi-Fi 7による最大通信速度の向上に関わる主に3つの新技術のうち、1つ目の「MLO」を紹介しました。続く2つ目として、“通信に使用できる帯域幅の最大320MHzへの拡大”についてざっくりと解説していきます。

写真 バッファローが24年2月に発売した「Wi-Fi 7(IEEE 802.11be)」対応のフラグシップルーター「WXR18000BE10P」では、320MHz幅のワイドバンド対応をうたっている(出典:バッファロー

 大前提として、Wi-Fi 7やWi-Fi 6Eでは、2.4GHz、5GHz、6GHzの3つの周波数帯を利用できます。そしてWi-Fiでは、それぞれの周波数帯をさらに細かくチャンネル(チャネル)と呼ばれる単位に分けつつ、それらを束ねて利用する仕組みになっています。

 もし、通信で伝送されるデータを車に例えるならば、Wi-Fiの通信で使用される通信帯域幅は、“高速道路の車線数”というイメージに近くなります。

 この“道幅の広さ”は、従来世代のWi-Fi規格では160MHz幅までありました。それがWi-Fi 7では、6GHz帯において最大320MHzまで拡大しています。

 つまり、6GHz帯を使っている場合に限られますが、“高速道路の車線数”が倍になったようなイメージです。一度に転送できるデータ量が増え、通信速度がアップするほか、余裕を持って安定した通信が行えるというわけです。

4K-QAMを採用して近距離通信がより速く

 そして、3つ目のポイントは「4K-QAM」です。

 QAM(カム)とは、Quadrature Amplitude Modulation の略称で、日本語では直交位相振幅変調や直角位相振幅変調と呼ばれる技術です。Wi-Fiにおいて、デジタルデータを電波に変換する際に用いられる変調技術の方式のひとつです。

 従来のWi-Fi 6Eで採用された「1K-QAM」方式と比べると、Wi-Fi 7で採用された4K-QAMでは、伝送できる情報量が1.2倍に増え、通信の高速・安定化に貢献します。

 なお、この4K-QAMは近距離になるほど高い効果を発揮する性質があります。見通し(障害物を挟まない位置関係)での通信、つまりデバイスとWi-Fiルーターが同じ室内で1〜2mのような至近距離にある場合、通信速度が速くなりやすいということになります。

写真 ASUS JAPANが24年4月に発売したWi-Fi 7対応ゲーミングルーター「ROG Rapture GT-BE98」(出典:ASUS JAPAN

 ちなみに、ここまでWi-Fi 7の高速化における3つの技術的なポイントを紹介してきましたが、「IEEE 802.11be」の規格として対応が必須なのは「4K-QAM対応」のみ。「MLO」と「320MHz幅の通信」はオプション扱いとなっており、Wi-Fi 7対応をうたうルーターであってもMLOと320MHz幅の通信には対応していない可能性があることも留意しておきましょう。製品選びの際には、意識的にチェックしたいポイントです。

6GHz帯にDFSが無いことも見逃すなかれ

 最後に、“Wi-Fi 7が利用できる6GHz帯は干渉に強い”というメリットも確認しておきましょう。

 そもそも、2.4GHz帯の通信は、同じ2.4GHz帯を使う電子レンジの使用時に電波が干渉されやすいという性質があります。

 また5GHz帯の通信では、気象レーダーなどのレーダー波を感知した際に、電波干渉のないチャンネルに切り替える仕組み(DFS:Dynamic Frequency Selection )が組み込まれています。一般的には、無線LANを止めずに切り替える機能が採用されていますが、製品の世代や状況によっては、切り替えの際に60秒間無線LAN通信が止まってしまうことも起こり得ます。

 6GHz帯の通信では、電子レンジに干渉を受けることもなく、レーダー波の干渉を予防するために停止する処理もありません。そのため、より安定した通信接続が期待できる帯域だと言えるでしょう。

写真 家庭に設置したWi-Fiルーターを想定した場合について、各通信帯域ごとの干渉に対する主要な特性(筆者作成)

 最後に、前・後編で説明した内容を簡単にまとめましょう。

  • Wi-Fi 7は23年末に日本でも解禁され、規格としての最大通信速度は理論値で46Gbpsまで向上します
  • 速度向上は、(1)MLO、(2)320MHz幅通信、(3)4K-QAM)という新技術が実現するものです
  • Wi-Fi 6Eと同じく、6GHzは電波干渉によるデメリットが少ないという特性の恩恵も見逃せません

 これらのポイントを押さえて、Wi-Fi 7対応の新製品を比較検討してみてください。

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