昨シーズン“着る断熱材”として話題となったワークマンの「X Shelter(エックスシェルター)」シリーズ。2025年はその夏バージョンが登場しました。
今回はそのラインアップの中から、着回しがしやすそうな超軽量の「暑熱フーディー」を紹介します。
江戸川 ユウ
自転車とバイクによるさまざまな遊び方を追求するフリーランスライター。各メディアが注目する以前からワークマンのアパレルをライディングギアとして愛用しており、今ではキャンプ用品まで同社の製品で一式揃えるほど、その発展ぶりに感心している。幼少時代から海川問わず釣りが好きで、近年は登山も趣味の一つに。
外部環境からの影響を大幅に軽減することを目的に誕生したのが、ワークマンの「エックスシェルター」シリーズです。
その第一弾として2024年の秋冬シーズンに発表されたのが、特殊断熱シートと吸光発熱わたを組み合わせた特殊防寒生地の製品で、ラインアップの各アイテムが数日で完売してしまうほどの人気ぶりとなりました。
続いて2025年3月に発表されたのが、暑熱軽減を目的に開発された、サマーシーズン向けのエックスシェルター暑熱シリーズです。
ワークマンは表側に特殊酸化チタン融合ポリエステル糸、裏側に多層疎水性ポリプロピレン糸を用いた特殊構造生地を開発。これは遮熱やUVカット、気化冷却、持続冷感、速乾など、暑熱対策に有効な14もの機能を有しており、この生地を使用したアイテムが10種類発売されました。
今回紹介するのは、「エックスシェルター暑熱フーディー」です。価格は2900円(税込み、以下同)。筆者が購入したのはレイクグリーンのLLサイズで、まず驚いたのは軽さです。
実測で216gですから、綿100%の半袖Tシャツ並みの軽さ。これなら旅行などでも携行しやすいでしょう。
背中には常時オープンのベンチレーションを設けているほか、身頃の両サイドにはファスナー開閉式のベンチレーションも装備。さらに前身頃のポケットも通気性に貢献するように作られているなど、蒸れ対策に余念がありません。
袖は手の甲の日焼けを軽減するためか長めに作られています。袖口にはドットボタンが付いているので、タイトに絞ることも可能です。
肩周りはドットショット加工によって微細な穴を開けた生地が使われており、これも通気性向上に一役買っています。また、フードの一部にも同じ生地を使用し、顔をすっぽり覆った状態でも視野を確保するといった工夫も見られます。
なお、前合わせのファスナーとその引き手には、紫外線によって色が変化するという特殊な素材が使われています。室内では白く、屋外に出ると濃いブルーへと変わるので、紫外線を受けていることを視覚から確認できます。
4月中旬、あるイベントに向かうため、筆者は往復約40kmのサイクリングを敢行。この日は気温27.8度を記録する夏日で、本製品を試すには絶好のコンディションでした。
走り始めてまず感じたのは、明らかに発汗しているにもかかわらず、肌面がサラッとしていることです。生地の肌離れが良く、吸水速乾性の高さが分かります。
バックパックを背負うと、背中のベンチレーションや肩周りのドットショットの穴をふさいでしまうのですが、それでも蒸れ感はありません。生地自体の透湿度が高いことが影響しているようです。
その後、フーディーを脱いで半袖でも走ってみたのですが、走行風が直に肌へ当たるという気持ち良さはあるものの、直射日光も直に当たるので、総合的な快適性ではフーディーを着ていた方が明らかに高いと感じました。
また、イベントの屋外会場を巡っている際も、フーディーを羽織っている方が暑さが和らぐ分だけ快適でした。
最後に裏技をお伝えしましょう。この特殊構造生地、霧吹きなどで表面をぬらすと、気化冷却によってかなりヒンヤリとします。しかも、その冷たさが長く持続する上に、生地が肌に張り付いてべたつくこともありません。猛暑の際にぜひお試しください。
今夏も猛暑が予想されていることから、熱中症4大リスクを軽減するためにも、この暑熱フーディーは外出時のマストアイテムとなるでしょう。
なお、エックスシェルター暑熱シリーズは、テレビなどで紹介されたこともあって現在は品薄状態ですが、店舗には何回かに分けて入荷するとのことなので、あきらめずに探してみてください。
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