ストレス発散の王道と言えばカラオケ。仲間とワイワイ歌うカラオケには、何物にも代えがたい楽しさがあります。一方、一人で歌うことに集中して道を極める「ヒトカラ」も一般化してきています。
今回はイヤフォンマイクやオーディオインターフェースなど、スマートフォンのカラオケアプリを楽しむために役立つ機材を紹介します。
古の「ケータイ雑誌ライター」。フィーチャーフォン時代の終焉とともに、守備範囲をIT・ガジェット・パソコン・AV家電など広範囲に拡大。趣味はゲームとアニメ・仮面ライダー・アメコミ映画などの鑑賞。好きな音楽はクラシックロックとネオアコ。
ポケカラなどのカラオケアプリを使用する際には、伴奏と自身の声の出口であるヘッドフォン/イヤフォンと歌声の入り口となるマイクが必須となります。スマホ本体のみで使用できるアプリもありますが、音の入り口と出口が近く、自身の声を正確にモニターできず、うまく歌うことは困難で気持ちよく歌えません。
多くのカラオケアプリでは、イヤフォンマイクの使用が推奨されています。中でも多くの場合において、一般的なイヤフォンマイク、特に使用中のスマホメーカーの純正、あるいは推奨するイヤフォンマイクであれば、ほぼ確実にスマホアプリで使用できるでしょう。ボーカルマイクや高音質ヘッドフォンを使えばより満足できるシーンも増えますが、まずはイヤフォンマイクを使うことをおすすめします。
スマホで使用するイヤフォンといえば、完全ワイヤレスイヤフォンが主流ですが、ワイヤレスイヤフォンはどうしても微妙な遅延が発生してしまうため、カラオケアプリにはあまり向いているとは言えません。特にカラオケアプリを初めて楽しむのであれば、有線のイヤフォンマイクを用意するのが無難です。
以前のスマホはイヤフォンマイク用の4極端子を搭載したものが主流でしたが、現在はBluetooth接続のワイヤレスイヤフォンが一般化しており、イヤフォン用の端子を搭載したモデルは多くはありません。もし、イヤフォンマイク用の端子が搭載されたスマホを使用しているのであれば、4極プラグの有線イヤフォンを選べばよいでしょう。
4極端子に接続する有線イヤフォンマイクを選ぶ際に注意しなければならないのが、4極プラグの規格です。4極プラグには「CTIA」と「OMTP」の2つの規格があり、規格に合ったイヤフォンマイクでなければ、正しく使用できません。現在はCTIA規格が主流となっており、多くの場合では気にする必要はありませんが、もし使用できなかった際には、変換プラグなども販売されていますので、スマホとイヤフォンマイクの規格を確かめたうえで、購入するのも良いでしょう。
iPhoneを含め、4極端子を装備していないスマホの場合は、USB Type-Cに接続するイヤフォンマイク、あるいは変換プラグを使用して4極のイヤフォンマイクを使用することになります。スマホによっては変換プラグが付属しているモデルもありますが、そうでない場合には市販の変換プラグを使用します。いずれにせよメーカー純正の物があれば、そちらを選ぶのが最も無難です。なお、iPhoneのLightning端子搭載の場合は、Lightning接続のイヤフォンマイク、もしくは4極イヤフォンマイクと変換プラグあるいはケーブルが必要となります。
マイク付きステレオイヤフォンを選ぶ際には、一定以上の音質にはこだわりたいところです。筆者が使用しているのは、こちらのソニー製「MDR-EX15AP」です。2013年発売のモデルですが、現在も入手可能です。
筆者の使用しているスマホはXperia 1V(Android)で、4極端子が搭載されています。同じメーカーのものであれば相性はいいだろうと思い、こちらを選びました。価格がソニーストアで2200円(税込、以下同)という手ごろさで、信頼できる大手オーディオブランドの製品ですので、無難さを求めた結果です。
使用感は悪くなく、2種類の硬度のシリコンを組み合わせたハイブリッドイヤーピースはフィット感が上々、マイクの音質も文句なしです。基本的には安すぎる製品ではなく、ソニーやオーディオテクニカといった、信頼できるブランドの比較的手ごろなモデルから始めてみるのがいいでしょう。
iPhoneユーザーにおすすめなのは、Apple純正のイヤフォンマイク「Apple EarPods(USB-C)」です。イヤフォンマイク選びは、規格を間違ってしまうと、使用自体ができないケースもありえます。メーカー純正品であれば最も安心して使用できます。
EarPods(USB-C)は、USB Type-C端子を搭載したAndroid端末でも使用できるので、こちらのデザインが好きな方や、このタイプの形状がなじみやすい方は、Androidでもおすすめの製品となります。
AppleのEarPodsは、iPhoneにオーディオ端子が搭載されていた時代には、iPhone本体に付属しており、私も以前使用していたiPhoneに付属していた4極のEarPodsを長らく使っていました。初めてポケカラを使って歌った際も、その4極のEarPodsを使った次第です。
USBタイプだけではなく、4極オーディオプラグやLightningコネクタに対応したモデルが現在でも販売されていますので、環境に合わせたものを購入できるのも魅力です。
ある程度カラオケアプリに慣れてくると、より高音質なイヤフォンやマイクが欲しくなってきます。伴奏や自分の声を高音質で聴くことができればモチベーションが上がりますし、高品質なマイクを使用すれば、特に声量のある方は気になる「音割れ」も防ぐことができます。
遮蔽性の高いオーバーイヤー型のヘッドフォンや、至高性の高いヴォーカルマイクなどを使用するのに最も手軽な方法は、変換ジャックを使用する方法です。4極のプラグをヘッドホン用とマイク用に分岐させてくれるもので、比較的安く用意できるので、試してみるのもいいでしょう。
さらに高音質を求めるのであれば、スマホ対応のオーディオインタフェースを使用するのがゴールとも言えます。オーディオインタフェースは、マイクや楽器の音声をスマホに送ることができる機材です。また、スマホ対応のコンデンサーマイクなども高品質なサウンドが楽しめるでしょう。
カラオケアプリのボーカルを高音質化する際に、手軽さと実用性を両立できるのが、TASCAMのマイク・ギターインターフェース「iXZ」です。ファントム電源対応のXLR/TS入力搭載なので、コンデンサマイクを含む、さまざまなマイクが使用できます。
大きなポイントはスマホとの接続にオーディオ端子、つまりUSBではなく4極端子を使用できるところです。そのため、現在、4極のイヤフォンマイクを使用しているのなら、ほぼそのまま置き換えられるということです。「ティアックストア」のブログで、iXZを使ったポケカラ利用を紹介しており、実力は実証済みです。
ただし、こちらの製品は発売から10年以上が経過したモデルで、ショートケーブルモデルは生産完了品となっており、ロングケーブルモデルのみが現行製品となっています。Amazonでも約5500円で販売されているほか、中古でも出回っているので、狙っているのであれば早めに入手するのが良いでしょう。
筆者は比較的声量にばらつきがあり、イヤフォンマイクでポケカラを楽しんでいる間に、得意な音域でのみ、自分の声が割れてしまうことが気になりだしました。そんな中、手持ちのPC用のオーディオインターフェースの「UR22C」が使えないものかと思い、試してみたところ、ボーカルマイクを使ってのポケカラ使用に成功しました。
UR22Cは、正式にはAndroidスマホには対応していないモデルですが、手持ちのXperia 1Vにて伴奏を聴きながら歌い、録音することができました。なお、使用の際には外部電源(microUSBを使用)が必要となるので、持ち歩いて好きな場所で……という使い方は難しいと言えます。
なお、UR22Cは、iOSには対応していますので、iPhoneでポケカラを楽しむ際には存分に活躍してくれそうです。Amazonでの価格は2万3000円台と、「試したい」という場合には少々手が出しにくい価格ですが、将来はDTMなどに手を出したいと考えているのならば、持っていて絶対に損をしない製品でもあります。
スマホにUSBで直接接続し、ヘッドフォン出力もしてくれるのが、TASCAMのUSBコンデンサーマイク「TM-250U」です。スタジオ機器の老舗ブランドの製品ですので、その品質には信頼がおけます。
マイクゲイン、ヘッドホン出力ボリューム、ヘッドホン出力端子など基本的なコントロールノブと端子全てを本体に搭載。マイクミュートボタンも搭載しており、音声入力のON/OFFを簡単にコントロールできます。
こちらも「ティアックストア」のブログでポケカラでの使用例が紹介されており、使用できることは実証済み。ティアックストアでの販売価格は6490円ですので、「SHURE SM58」といった本格的なヴォーカルマイクを購入するのと比べれば、だいぶ安く感じます。
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