厳しい暑さをしのぐためにはエアコンは欠かせない家電です。しかし、より効率的な冷房で節電を実現したり、あるいはエアコンの冷気では寒すぎるときなどには、「リビング扇風機」が大いに活躍してくれます。
今回は、リビング扇風機のトレンドや有効な使い方、他の季節家電との違いなどを探ってみます。
古の「ケータイ雑誌ライター」。フィーチャーフォン時代の終焉とともに、守備範囲をIT・ガジェット・パソコン・AV家電など広範囲に拡大。趣味はゲームとアニメ・仮面ライダー・アメコミ映画などの鑑賞。好きな音楽はクラシックロックとネオアコ。
猛暑への対策として、エアコンは必須の家電と言っても過言ではありません。近年では全国的に真夏日が増加しており、全国平均に比べてエアコンの普及率が低い北海道でも、急激にエアコンの需要が高まっているような状況です。加えて、エアコンは電力消費量が大きく、より効率の良い運用が求められてもいます。
エアコンの効率的な運用には、扇風機やサーキュレーターの併用が良いとされています。サーキュレーターは強力な風で部屋内の空気を循環させるもので、広い部屋などを効率的に冷却するのに便利です。一方、今回の主役である「扇風機」は人間が涼を取るための器具ですので、エアコンから出る冷気を、涼みたい人の方向へ優しく送るのに便利です。サーキュレーターの風は扇風機よりも強力ですので、人に風を直接充てるのにはあまり適していません。直接風に当たりたい場合には、扇風機が適しているというわけです。
エアコンで冷気を作り出し、サーキュレーターでその冷気を循環して部屋全体を涼しく、さらに暑がりな家族にはさらに扇風機で涼んでもらう…といった、暑さの個別対策もアリかもしれません(アイリスオーヤマ サーキュレーター PCF-HD15EC-W、出典:Amazon)また、それほどの暑さではなく、エアコンをつけると寒すぎるといった場合も扇風機の出番となります。最近のモデルは特に、優しく自然な風を発生させるものや、微妙な風量調節ができるものが多く、エアコンとの同時使用だけではなく、状況に応じて使い分ける運用もおすすめです。
ハンディ扇風機やファン付き空調服、卓上扇風機、レトロ扇風機など、さまざまな扇風機が人気を集めていますが、部屋で使用するリビング扇風機では、「DCモーター」を採用したものがトレンドとなっています。
扇風機に搭載されているモーターには、大きく「DC(直流)モーター」と「AC(交流)モーター」の2種類が存在します。ACモーターのモデルは比較的安価なのが大きな魅力ですが、一般的に風量調節は弱・中・強の3段階〜4段階程度で、風量を細かく設定することはできません。
DCモーター搭載の製品には、超微風からパワフル送風まで、風の強さを細かく調整できるものがあります。超微風の場合、穏やかで優しい風を送ることができ、静音性を実現できるのも魅力。さらに、ACモーターに比べて消費電力も小さく、電気代を抑えることも可能です。
扇風機は季節家電ですので、AV家電や冷蔵庫・電子レンジのように通年で使用できる家電と異なり、パナソニックやシャープ、日立のような国内大手家電メーカーのものはタイミングによっては入手が困難なケースが発生します。
扇風機のような季節家電は、販売見込み数が一括で受発注されているようで、シーズンの真っ最中には販売終了となっているモデルが多く見られます。大手家電メーカーの扇風機は信頼性が高く、性能や最新技術といった面から見てもとても魅力的ですが、どうしても入手したいのであれば、シーズン前から探し始めるのがおすすめです。
大手老舗ブランドのものよりも入手しやすいものとしては、ドウシシャや山善、アイリスオーヤマといった、ジェネリック家電のものがあげられます。ジェネリック家電の扇風機は、他の家電製品と同様に、機能がシンプルで扱いやすく、かつ比較的安価で入手できるのが魅力です。どのブランドも国内ブランドですので、信頼性やサポートの面でも安心です。
一般的な扇風機は丸形ですが、それ以外に「タワーファン」と呼ばれるようなモデルもあります。タワーファンは一般的な扇風機に比べて、スリムでスタイリッシュな製品が多く、省スペースでインテリアにもなじみやすい扇風機です。
タワーファンは、エアコンで使われている、長い円筒状の「シロッコファン」を採用することでスリムなデザインを実現しています。とにかく設置スペースがわずかですむので、部屋の角にしか設置スペースがないといったケースや、キッチンや脱衣場のような狭いスペースでの使用におすすめです。
風量は一般的な扇風機のほうが強いですが、タワーファンは上下に広い範囲で風を送れるといったメリットもあります。立ち仕事のお供などにはピッタリの扇風機と言えるでしょう。なお、重心の位置が高くなりがちなので、転倒しやすい点には注意したいところです。
見えるところにファンがないという、強烈なリング状のビジュアルで登場したダイソンの扇風機「エアマルチプライアー」。現在ではエアマルチプライアー自体は絶版となっていますが、空気清浄機能や暖房機能を併せ持ったモデルに進化を遂げています。
ダイソンのサイトでは「空調家電」のカテゴリで紹介されており、空気清浄機+ヒーター+扇風機、空気清浄機+扇風機+加湿器、空気清浄機+扇風機といったモデルが販売されています。ヒーター機能を備えたモデルであれば、季節ごとの片付けの手間もなく、通年で使用できるのが便利です。
「Dyson Purifier Hot+Cool Gen1(HP10 WW)」は、空気清浄機+ヒーター+扇風機の1台3役モデル。空気をきれいにしながら、涼をとることができます。花粉や黄砂はもちろん、PM0.1の微細な粒子まで除去してくれます。ダイソン公式サイトではアウトレット品が販売されており、価格は4万9800円となっています。
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