3000m級の山に挑戦してみたいけれど、「テント泊や山小屋泊はハードルが高そう……」と感じている人も多いのではないでしょうか。そんな不安を抱える登山ビギナーに向けて、比較的歩きやすいルートや設備が整った「3000m級の山」を厳選しました。
雄大な山々の絶景や、満天の星空、山小屋の温もりに触れる体験は、きっと忘れられないものになるはず。記事後半では、初めての宿泊登山にあると安心なおすすめグッズも紹介します。
立山 亜樹
ライター・編集者。元アウトドアショップ店員。富士登山をきっかけにアウトドアにはまり、登山やキャンプ、トレイルランニングなど幅広いアクティビティを一年中楽しんでいます。自身の山体験や、店員時代の接客経験を生かし、リアルで深い内容を発信!リモートワーカーのため、仕事や日常を快適かつ生産的に行うためのガジェット選びも得意です。
南アルプス最北の3000m峰「仙丈ヶ岳(標高3033m)」は、その優美な山容から「南アルプスの女王」と称される存在です。長衛小屋を拠点にすれば、テント泊や山小屋泊のデビューにも最適。大きな荷物を置いて身軽に登れるため、無理なく山頂を目指せます。
登山道は林道歩きから始まり、小仙丈ヶ岳までは開放感のある尾根道へ。ここでは富士山や北岳、間ノ岳が並び立つ壮大な光景に思わず足が止まるでしょう。
さらに、小仙丈から望む仙丈ヶ岳はまさに女王の名にふさわしい美しさ。山頂に立てば甲斐駒ヶ岳をはじめ、中央・北アルプスや白山までも一望できます。
夏にはお花畑が広がり、華やかな高山植物の景色も魅力。絶景と花々を存分に楽しめるぜいたくな一座です。
富山県にある「立山」は、雄山(約3003m)・大汝山(約3015m)・富士ノ折立(約2999m)の3峰からなる壮大な山並みが魅力です。
山行の拠点となる室堂ターミナル周辺には立山室堂山荘や雷鳥荘といった山小屋が点在し、温泉に浸かりながら絶景を眺めるぜいたくな時間を過ごせます。また、標高約2277mの雷鳥沢キャンプ場でテント泊するのもおすすめ。平坦で設営しやすく、トイレや炊事場も整備されているため、初めてのテント泊にも安心です。
周囲を囲む立山連峰や大日連山の景観は圧巻で、夏には一面に咲く高山植物や、夜には満天の星空が訪れる人を魅了します。日中は近くの山小屋で温泉に入り疲れを癒やし、夕暮れ時にはカラフルなテントが立ち並ぶ景色を眺めながらゆったりと過ごせるのも魅力です。
夏〜紅葉時期は人気が高いため、山小屋やテント泊の予約や準備は早めに整えておくといいでしょう。
北アルプス南部にそびえる標高約2763mの「燕岳」は、美しい稜線や花崗岩の奇岩、高山植物に彩られたお花畑など、歩くたびに景色が変わるのが魅力の山です。
中房温泉からのメインルートは急登が続くものの危険箇所は少なく、装備を整えれば北アルプスデビューにも最適。樹林帯を抜けると一気に視界が開け、ユニークな岩や可憐な花々に迎えられながらの稜線歩きは、自然との一体感を存分に味わえます。
山頂直下の燕山荘は清潔感と快適さで評判が高く、整った設備や心温まる食事に癒やされるため、初めての山小屋泊でも安心。テント場も併設されており、星空の下で過ごすテント泊デビューにもぴったりです。
人気のため山小屋・テント場ともに早めの予約が必要ですが、計画的に準備すれば山の魅力を存分に満喫できるでしょう。
初めてのテント購入にもおすすめ。設営しやすく、居住空間も広々です。
3シーズン用のエアマット。テント泊のほか、キャンプや車中泊にも使えます。
3000m級の山では気温が1桁台になることもあるため、テント泊・山小屋泊ともにダウンパンツがあると快適です。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.