山の秋は早く、9月ごろから高山では彩り豊かな紅葉が始まります。空気が澄み、夏とは違った静けさに包まれるこの季節は、登山の魅力を一層深く味わえる特別なタイミングです。
そこで今回は、日本百名山の中から、9月ごろから紅葉が楽しめるおすすめの山を3つ紹介します。さらに、秋山登山を快適にするおすすめアイテムもあわせて紹介します。
立山 亜樹
ライター・編集者。元アウトドアショップ店員。富士登山をきっかけにアウトドアにはまり、登山やキャンプ、トレイルランニングなど幅広いアクティビティを一年中楽しんでいます。自身の山体験や、店員時代の接客経験を生かし、リアルで深い内容を発信!リモートワーカーのため、仕事や日常を快適かつ生産的に行うためのガジェット選びも得意です。
日本で最も早く紅葉を迎える山として知られるのが、北海道の中央に位置する、大雪山系の最高峰・旭岳です。標高2291mと本格的な山ですが、ロープウェイで1600m付近まで一気に上がれるため、初心者でも気軽に紅葉の絶景を楽しめます。
9月中旬になると紅葉は見頃を迎え、山肌の草木が色づき、澄んだ空気の中で鮮やかな赤や黄色のグラデーションを楽しめます。姿見駅から散策路を歩けば、噴煙を上げる火口や姿見の池を眺めながら、間近に迫る旭岳の迫力を実感できるでしょう。
約2時間半の登頂コースに挑戦すれば、北海道の大地を一望できる雄大なパノラマが広がります。また、山麓には旭岳温泉もあり、登山後に湯に漬かる至福のひとときを過ごせます。
「カムイミンタラ(神々が遊ぶ庭)」の名の通り、訪れる人を魅了するスケール感と静けさが息づく山です。
山形県の中央にそびえる月山は、出羽三山の1つとして古くから信仰を集めてきた名峰です。標高1984mのなだらかな山容は、秋になると赤や黄色に染まり、壮大な紅葉の景色を生み出します。
9月下旬からはナナカマドやミネカエデ、ミネザクラが色づき、足元には黄金色の草紅葉が広がります。山全体が色とりどりの絨毯を敷き詰めたように輝く光景は、訪れる人を魅了してやみません。
リフトを利用すれば約1500m地点まで一気にアクセスでき、そこから山頂まで往復4時間ほどのコースで気軽に紅葉を楽しめるのも魅力です。澄んだ空気の中を歩きながら、山岳信仰の歴史が息づく月山神社を訪れることもでき、自然と文化を同時に体感できます。
日帰りでも十分満喫できる月山の秋は、初心者からベテランまで多くの登山者にとって特別な時間を与えてくれるでしょう。
富山県の名峰・立山は、雄山(標高3003m)・大汝山(3015m)・富士ノ折立(2999m)の三山から成り立ち、雄大な山容と多彩な自然が魅力です。
立山黒部アルペンルートを経由すれば、標高2450mの室堂まで気軽にアクセス可能。9月中旬には室堂平から紅葉が始まり、ナナカマドやミネカエデが色づく鮮やかな山肌を背景に、みくりが池や散策路をのんびり歩く時間は格別です。
登山初心者には、室堂駅から約2時間で登れる雄山がおすすめ。山頂に立つと、日本アルプスの大パノラマが広がり、八ヶ岳や条件が良ければ遠くに富士山まで望むことができます。
また、標高差が大きいため、山頂から麓にかけて長い期間にわたり紅葉が楽しめるのも立山ならでは。アルプスらしい迫力の景色と手軽さを兼ね備え、秋の山の魅力を存分に味わえる一座です。
9月といえども、山は肌寒いことも多いため、保温着を必ず持っていきましょう。
冷たい風から指先を守るため、保温性の高いグローブがあると安心です。
紅葉を眺めながら、のんびりと温かいものを食べる時間は格別。クッカーがあると山ごはんタイムが充実します。
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