「USB Type-C」はあくまでポートの形状を示す言葉であり、対応するデータ転送速度などは規格によってまちまち。例えば、「iPhone 16」の対応規格はUSB 2.0(最大480Mbps)ですが、「iPhone 16 Pro」はUSB 3.2 Gen 2(最大10Gbps)に対応しているなど、性能を最大限発揮させたいなら、機種や用途によって対応する規格にあったケーブルを用意する必要があります。ただ、巣少なくとも2025年時点では、スマートフォンをメインの撮影機器などとして使う想定でも、最新の「USB4」への対応は必須ではないでしょう。
そこで本記事では、USB 3.2への対応を目安にしつつ、スマホのデータ転送用に使いやすいUSB Type-Cケーブルをピックアップして紹介します。充電向けのケーブルと比べると少々値段は上がりますが、本格的な撮影機材などとしてスマホを活用したい場合は、必要経費としてしっかり投資しておきましょう。
井上晃
スマートフォンやスマートウォッチ、タブレットを軸に、ICT機器やガジェット類、ITサービス、クリエイティブツールなどを取材。Webメディアや雑誌に、速報やレビュー、コラムなどを寄稿する。Twitter:@kira_e_noway
1つ目は、エレコムの「USB 10Gbpsケーブル(USB Type-C - USB Type-C/100W対応)」(MPA-CC1G10)です。USB 3.2 Gen 2の最大10Gbps転送が可能なほか、充電もUSB Power Delivery(PD)の最大100Wに対応。DisplayPort Alt modeもサポートしており、外部モニターへの映像伝送にも使用可能です。ケーブルの表面には、柔らかいシリコンメッシュが採用されています。
ブラックとホワイトがあり、ECサイトでの実売価格は約2100円から(税込、以下同)。なるべくオーバースペックにならないよう、価格を抑えてシンプルな選択をしたい場合に、検討してほしい1本です。
2つ目は、サンワサプライのUSB Type-Cケーブル「500-USB087L-1」。USBの最新規格「USB4」に準拠し、20Gbpsでの転送をサポートしています。充電もUSB PD 100Wをサポートしているので、スマートフォンはもちろん、PCでの運用を含めて検討する際におすすめの1本と言えるでしょう。
ユニークなのは、片方のコネクタがL字になっており、機器接続時にケーブルが飛び出ずにスッキリとコンパクトに使いやすいこと。また、そのコネクタ部には小さいディスプレイが備わっており、充電時はW数が数値で可視化されます。
メーカー直販サイトでの価格は3080円。1mの充電ケーブルとしては比較的高価ですが、L字コネクタやモニターの搭載など、ユニークな機能が魅力的なこだわりの1本ですね。
3つ目は、再びエレコムの製品。最大10Gbpsのデータ転送に対応したケーブルで、ケーブル長が5mあるのが特徴です。USB PDの最大60Wに対応しています。
VR(仮想現実)用のHMD(ヘッドマウントディスプレイ)をパソコンに接続するような用途での活用が想定されているケーブルですが、スマートフォンを外部機器に接続しつつ、離れた場所に座って操作を続けたいような場面でも便利な1本だと言えるでしょう。データ転送速度が高速かつ長いケーブルが必要な場合には、こうした製品も検討してみるとよいかもしれません。コネクタの片方がL字になっていることもポイントです。
執筆時点において、メーカー直販サイトでは在庫なしになっていますが、一部のECサイトでは販売が確認できました。確認時点での価格は5500円です。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.