長年生活していると、気を付けていても床や壁に小さな傷が増えていくもの。掃除をしていてふと目につくたびに気にはなるけれど、「わざわざ高い補修グッズを買うのもなあ…」と見て見ぬふりをしてきました。
そんなときに出会ったのが、ダイソーの「キズ隠し棒」。110円(税込)で3本セットという手頃さに惹かれ、実際に自宅のフローリングで試してみました。はたして本当に使えるのか? 補修の手順や仕上がり、気づいた点を正直にお伝えします。
立山 亜樹
フリーランスのライター・編集者。元アウトドアショップ店員の経験を活かし、登山やキャンプをはじめとしたアウトドアアイテムから、日常を便利にする生活グッズ、仕事の効率を高めるビジネスツールや最新ガジェットまで、幅広いアイテムのレビューを執筆。自身の体験をベースに、実際に使って感じたリアルな視点で、読者が「これ欲しい!」と思えるような情報をお届けします。
「キズ隠し棒」は、フローリングなどにできた小さな傷やへこみに塗り込んで平らにする補修アイテムです。
見た目はクレヨンのようなスティック状で、1セット3本入り。カラーはダーク系とナチュラル系の2種類があり、床や家具の色に合わせて選べます。
3本とも微妙に色合いが違うため、単色で使うだけでなく、混ぜて自然な色味を再現できるのもポイントです。値段は110円と補修専用品に比べると安価。同価格帯の補修シートよりも立体的かつさりげなく埋められるので、ちょっとした凹みに向いていると感じました。
今回試したのは、築25年を過ぎた我が家のフローリング。椅子を引きずった跡のような細長い傷に使ってみました。
まずは傷の上にクレヨンをくるくると回すように塗り込み、素材を傷の中に押し込んでいきます。
少し盛り上がるくらいまで詰めたら、定規を使ってはみ出した部分をそっと削り取り、表面をなじませます。しっかりなじませると、遠くから見たときに「おっ、確かに目立たなくなった」と思える仕上がりになりました。
完全に消えるわけではありませんが、白っぽく剥げた部分が自然にカモフラージュされ、全体的に落ち着いた印象になりました。
実際にやってみて分かったのは、仕上がりにはちょっとした下準備が必要だということ。傷の周りは削れた衝撃で盛り上がっていることが多く、そのままクレヨンを詰めると不自然に浮いてしまいます。紙やすりで軽く平らに整えてから埋めると、より自然に仕上がるそうです。
また、深めの傷には「棒を小さく切ってドライヤーで温めて柔らかくしてから埋める」といった応用テクニックも有効。筆者はこの工程を怠ってしまったため、仕上がりが「少し色が乗ったかな?」程度で終わってしまいました。
事前に表面のホコリや削りカスをしっかり拭き取るのも重要です。説明書きに従って丁寧に進めれば、見た目の差はさらに小さくできそうです。
実際に補修を終えてみて思ったのは、「100円でここまでなら十分あり」ということ。日常的に視線に入る小さな傷を目立たなくできるのは大きな満足感がありました。ただし、近くでじっくり見れば跡は分かりますし、色合わせが難しい場合もあります。
もう一点気になるのは、どのくらい効果が持つのかという点。また、ワックスのような光沢仕上げがある床だと、色が浮いて見えることもあるので注意が必要です。
とはいえ、同価格帯の補修シートよりも自然に傷を埋められ、木目のあるフローリングとの相性は悪くありません。「応急処置」と割り切って使うなら、コスパ面で優秀なアイテムだと感じました。
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