「車中泊向け」と言われる車種は多数あり、主要メーカーからも販売されています。車を選ぶ際の選択肢が多いのは良いことですが、たくさんありすぎて迷ってしまう、というのが実際のところだと思います。
車中泊を想定するなら、横になって寝るための「フラットスペース」は必須です。
さらに、ポータブル電源や車載冷蔵庫など車中泊用の荷物をたくさん積み込むことができ、普段の買い物などにも対応するとなると、「収納力の高さ」も切り離すことができません。
そこで今回の記事では、車中泊歴7年超の筆者が、フラットスペースがあり、収納力も抜群な車種の中から、特に車中泊におすすめの車をピックアップしてご紹介します。
haru.
フリーランスライター・編集者。車中泊・バンライフ・キャンピングカー関連、生活・料理関連の記事を複数メディアで執筆中。夫婦でDIYしたバンで「休日バンライフ」として日常的に車中泊をしています。車中泊では車内でパソコン仕事をする他、料理・読書・ゲームをして楽しむ、完全なる「インドア派」。インテリア・ガジェット・ゲームも大好き。
車中泊をする予定で車を選ぶなら、通勤や買い物、ドライブなどのおでかけを含む普段使いの条件以外に、押さえておきたいポイントがあります。それは、車内に「フラットスペース」が確保できることです。
シートを倒したり、荷室を利用して車内をフルフラット状態にしたりして、寝転がることが可能な「フラットスペース」を確保できるかどうか――。これが、車中泊向け車種の条件になります。
運転席や助手席のシートを倒しただけでも眠ることはできますが、その状態では足を下げたまま眠ることになり、寝返りも打てません。
長時間足を下げたまま寝返りも打たずにいると、血流が悪くなりエコノミークラス症候群を発症する恐れも……。車中泊の予定がある人は、マットを敷くことができるフラットスペースのある車両を選ぶようにしましょう。
また、フラットスペースが確保できると収納力もアップし、多くの荷物を積むことが可能になります。
収納力が高い車なら、車中泊用の荷物はもちろん、毎週の買い出しや荷物の発送、組み立て家具の購入、1人分の引越しなどにも役立てることができます。
スズキの「スペーシアベース」は、普段使いはもちろん、車中泊、キャンプなどのアウトドア使用にもぴったりの軽商用車です。
荷室に設置可能なマルチボードを採用しているので、荷室を自由にアレンジ可能です。
マルチボードは3段階の高さ調整が可能で、最下段にセットして前の座席をリクライニングすれば、マルチボードと繋がり、車中泊向けの広いフラットスペースが実現します。
最下段でも荷室床からマルチボードまでの高さが約165mmあるので、就寝時に使わない荷物はボード下に収納OK! ボードを上段に設置すればデスクスワークペースになるので、ワーケーションにも最適です。
積み込む荷物の高さに合わせてマルチボードの高さを変更できるので、買い出しなどの普段使いにもおすすめです。
車中泊に最適な5ナンバーサイズのミニバン「日産 NV200バネットワゴン」。取り回しがしやすいコンパクトサイズのミニバンながら、シートを跳ね上げるだけで大人2人が就寝可能なフラットスペースと荷室容量を確保できます。
車内はホイールハウスの張り出しを抑えた構造になっており、その分広々と使うことができます。5人乗りの2列シート車と、7人乗りの3列シート車があるので、用途に合わせて選択可能です。
特別装備として、専用のマルチベッドも用意されているので、収納力を備えた車中泊車両として快適に使用可能。そのほか、NV200バネットをベースにした車中泊仕様の「NV200 バネット MYROOM」もあり、車内インテリアにこだわりのある人の選択肢も豊富です。
マツダ「CX-5(シーエックス・ファイブ)」は、マツダが展開する5人乗りのクロスオーバーSUV。CX-5は車両のコンパクトさから、車中泊には小さいのではないかと思われがちです。
確かに天井高が低く、圧迫感があるのは事実です。しかし、後部座席を倒してフラットにでき、車内スペースも同クラスSUVと比べても広さがあるため、大人1〜2人が就寝できるスペースの確保ができます。
CX-5で車中泊を楽しむユーザーも数多くおり、寝具やテーブルなどのアイテムを上手に選ぶことで、快適な車中泊が可能になります。
車中泊時には、前後の座席の背もたれを倒すことでフラットスペースを確保。前後の座席間に少し隙間があるため、クッションや枕などで隙間を埋めるのがポイントです。
日常使いでは、可動上下段、前後は2分割が可能な機能性の高いラゲッジボードが大活躍! 積載量も十分で、開口部フラット化により大きな荷物の出し入れもスムーズです。
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