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包むだけでアイゼンを収納できるモンベルの「クランポンラップ」は、雪山のストレスを一気に減らしてくれる名品でした(1/3 ページ)

» 2025年11月23日 10時30分 公開
[立山 亜樹Fav-Log]
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 雪山シーズンに欠かせないアイゼン(クランポン)は、登山口で装着したり、ロープウェイに乗る前に一度外したりと、つけ外しの回数が多い装備です。

 しかし、一般的な収納ケースはしっかりしている分、重さがあり、両足分をきちんとたたまなければ入らないため、冬山では少し扱いづらいのが悩みです。

フォト モンベルの名品「クランポンラップ」

 そんなときに出会ったのが、モンベルの「クランポンラップ」シンプルな構造なのに雪山のストレスを一気に減らしてくれる名品でした。今回は、実際の使用感をレビューします。

立山 亜樹

立山 亜樹

フリーランスのライター・編集者。元アウトドアショップ店員の経験を活かし、登山やキャンプをはじめとしたアウトドアアイテムから、日常を便利にする生活グッズ、仕事の効率を高めるビジネスツールや最新ガジェットまで、幅広いアイテムのレビューを執筆。自身の体験をベースに、実際に使って感じたリアルな視点で、読者が「これ欲しい!」と思えるような情報をお届けします。


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風呂敷のように包むだけ! 雑に扱っても安心

フォト 巻物のような見た目

 モンベルの「クランポンラップ」は、アイゼンの刃でも破れにくい1200デニールのポリエステル素材を採用した、包むタイプの収納ケースです。

 ポーチ型ケースと違い、四角い布でアイゼンをすっぽり包み、太めのゴムバンドで留めるだけというシンプルな構造。どんな形のアイゼンでも柔軟に包むことができ、8〜12本爪まで幅広く対応します。

フォト 風呂敷のような形

 包んだ後はバンドでしっかり固定するだけなので、作業が非常にスピーディー。六角レンチなどを入れられる小さなポケットもあり、ちょっとしたメンテナンス用品も一緒にまとめて収納できます。さらに生地が厚いため、バックパック内のウェアや行動食を傷つける心配がないのも安心です。

フォト アイゼンを丸めてバンドで固定するだけ

 ポーチ型ケースでは、ファスナー部分から雪解け水がザック内に漏れることがあり、雪がついたまま収納する場合はザックの外側に固定するのが安全でした。

 しかしクランポンラップなら、防水性のある生地がしっかり水分を受け止めるため、雪がついた状態でもバックパックの中に入れられます。下山後すぐにロープウェイに乗るときや山小屋に入りたいときでも、とてもスムーズに使えます。

アイゼン収納ケースをチェック

厚手グローブのまま扱えるのがうれしい

 筆者がクランポンラップの購入を決めた理由は、「雪の中で細かい作業をしたくない」という切実な悩みがあったからです。

 一般的なケースはチャック式で、刃の向きを整えて入れないときちんと閉まらず、厚手のグローブをしたままではファスナーを閉めるのも一苦労。手がかじかむ雪山では、この作業が大きなストレスになります。

フォト 使い方はシンプル

 その点、クランポンラップは格段に扱いやすい設計です。厚手のグローブをつけたままでも作業しやすい太めのゴムバンドを使用しており、広げてアイゼンを置き、折りたたむだけで収納完了。わずか数秒で片付く手軽さは、一度体験すると手放せません。

フォト 横からみた図

 実際に使い始めてから、「アイゼンをしまうのが面倒」と感じるシーンが減り、雪山での移動がスムーズに。作業時間が短くなっただけでなく、手が冷える時間も最小限に抑えられます。2200円(税込)でこれだけの便利さを得られるのは、まさにコスパ抜群の冬山アイテムと言えるでしょう。

人気のアイゼンをチェック

マルチシートとしても活躍

 クランポンラップは本来アイゼンの収納用アイテムですが、別の用途でも活躍する優れものです。生地がしっかりしていて防水性があるため、 雪の上でアイゼンを装着するときの敷物として使えるのです。

フォト 敷物としても使える

 冬山では、アイゼンを装着するためのベンチが少なく、硬い雪面で作業しなければならないことも多々あります。そんなとき、このラップをさっと広げて地面に敷けば、お尻に雪がついてぬれるのを防ぎつつ、楽な体勢でアイゼンを装着できます。

 また、山歩き中にちょっと休憩したいときには、座布団代わりに使うのも便利です。

気になる点

 便利さが際立つ一方、使っていて「惜しい……!」と感じる点もひとつあります。それは、生地が厚いため、たたんでもそれなりにかさばることです。

フォト 生地は厚めで折りたたんでも若干かさばる

 衣類を入れるスタッフサックのようにコンパクトにはならず、バックパックの隙間に押し込んでもやや存在感があります。しっかりとした素材だからこそ安心して使えますが、軽量化を重視する登山者には気になるポイントかもしれません。

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