【節約】その節約間違ってない? 「正しい節約」で月3万円貯蓄を増やす方法をFPが解説
最近の値上げラッシュで、家計がじわじわと圧迫され、頭を悩ませているご家庭は多いのではないでしょうか。節約をするなら効果的な節約、生活の質をなるべく落とさない節約をすべきでしょう。そこで、「正しい節約」の方法をFPの立場からご提案します。今日から実践して月3万円貯蓄を増やしてみませんか?
最近の値上げラッシュで、家計がじわじわと圧迫され、頭を悩ませているご家庭は多いのではないでしょうか。「節約しなきゃ」といって、あれこれ削って不便になったり、精神的に疲弊して、その反動でかえってお金を使ってしまったりと、間違った方向で節約をしていないか、改めてチェックしてみましょう。
節約をするなら効果的な節約、生活の質をなるべく落とさない節約をすべきでしょう。そこで、「正しい節約」の方法をFPの立場からご提案します。今日から実践して月3万円貯蓄を増やしてみませんか?
石倉博子
ファイナンシャルプランナー(1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP認定者)。
“お金について無知であることはリスクとなる”という私自身の経験と信念から、子育て期間中にFP資格を取得。実生活における“お金の教養”の重要性を感じ、生活者目線で、分かりやすく伝えることを目的として記事を執筆中。大学では美学美術史と油絵を学び、文学と造形の学士を取得。しかし今は芸術とは程遠いお金の計算に情熱を燃やす人間になっている。伏線がきれいに回収された小説を読むのが好き。
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その節約、効果ある? 6つの間違った節約
なるべくものを安く買いたいと誰でも思います。そこで、食材はここのスーパー、日用品はあそこのドラッグストアといったように、何軒ものお店をはしごして買い物をしていませんか? 中には、あそこのお店が安いと聞いて、30分以上かけて遠くのお店に買いに行く人もいるかもしれません。それで、物凄く安く買えたら良いですが、数百円の違いであったら少し考えた方がよいかもしれません。
最近、「コスパ」と似た言葉で、「タイパ」という言葉をよく聞くようになりました。タイムパフォーマンスを略した言葉で、かけた時間に対する効果、「時間対効果」のことです。極端な話をすると、買い物に30分かけて200円の得だったら、時給に換算すると時給400円の仕事をしたことになってしまいます。
かけた時間ほど効果を得られない節約は、時間の浪費、体力の浪費となるので、間違った節約といってもよいでしょう。他にも、節約によって不便を強いられるような節約もあまり良い節約とはいえません。
このような間違った節約の例を次にあげますので、やっていないかチェックしてみましょう。
- 安いものを買うために、多くの時間を使ってしまう
- 安かったので買ったが、結局使わなかった
- 光熱費の節約のために無理をする(寒さ・暑さを我慢など)
- 食品を選ぶとき、安さを基準にしてしまう
- 必要なものまで削ってしまう
- 旅行先でケチケチしてしまう
こうした節約は、長い目で見てあまり効果がないわりに、生活の質を落としたり、無駄を増やしたりすることにつながるので、心当たりがある人は改めましょう。
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正しい節約とは
では、どんな節約が良い節約なのでしょうか。それは、先述した「タイパ」や「コスパ」が良い節約です。費用対効果、時間対効果が高い節約が良い節約といえます。
費用対効果を考えると、例えば、値段はそこそこするものの、質の良いものを買っておけば、長く使えて結果的に「コスパの良い買い物だった」となります。また初期投資をして、ランニングコストを抑える方法も、費用対効果の高い節約となります。例えば、「古くなったエアコンを買い替えたら、電気代が安くなった」などです。
次に、効果が継続する節約です。固定費の削減がこれに当たります。毎月一定額が銀行口座から引かれ、それが何十年も続くと考えると、この金額を削減することの効果の大きさが分かります。
今はさまざまな商品やサービスが、サブスクリプション(サブスク)として提供されています。サブスクとは、消費者が定額制、月額課金などで契約して、ものやサービスを利用する権利を得るビジネスモデルのことです。これも一度契約をしてしまうと解約しない限り、月額料金が延々と引かれ続けることになるので、無駄なサブスクに入っていないか精査することが節約につながります。
固定費の削減のために、例えば通信費を見直すことにした場合、スマートフォンの料金をもっと安くすることができないか調べたり、契約を変更するために店に出向いたりする必要があります。その労力を考えてしまうと、結局は面倒になってやらないという人は多いのではないでしょうか。
ここで時間対効果の話に戻りましょう。時間をかけて、安いものを買いに行く効果は、その1回で終わってしまいますが、時間をかけて通信費を抑えることができたら、その効果はその先何十年も続く可能性があるのです。時間をどこにかけるかで、結果は大きく異なってきます。
最後に、金額の大きい節約です。当然のことですが、10円、20円安い食材を買うのも、ちりも積もれば……で節約になりますが、その辺をちょこちょこと節約するよりも、外食を1回やめた方が、食費の節約になります。効果の高い節約をしましょう。
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月3万円貯蓄を増やす方法
具体的に、どのように節約をするのか、ある家庭(4人家族のAさん家)の家計収支を例にして、月3万円以上の節約を行ってみたいと思います。
食費
Aさん一家は毎週1〜2回外食をしています。1回に5000円程度使うので、外食費だけで2万〜4万円かかっています。この外食費を月3回減らすだけで、食費を1万5000円節約できます。
通信費
Aさん夫婦は大手キャリアのスマートフォンを使っています。格安SIMのスマートフォンに乗り換えたら、通信費が6000円節約できました。
教育費
Aさんの子供は学習塾に通っていますが、その他にタブレットで学習できる通信教育も契約していました。最近、タブレット学習はさぼり気味なので解約しました。3000円節約できました。
保険料
Aさん一家はAさんの生命保険1万2000円、夫婦の医療保険1万3000円の計2万5000円の保険料を支払っています。保険の見直しを行ったところ、4000万円の死亡保障に入っていましたが、Aさんに万が一のことがあったときには、遺族年金が年間200万円程度もらえることが分かり、必要保障額は半分で良いということになりました。また医療保険も高額療養費制度や健康保険があるため、1つを解約することにしました。これによって、8000円節約できました。
Aさん一家は合計3万2000円の節約ができました。他にも趣味・娯楽費で使っていないサブスクを解約したり、無駄な買い物をやめたりすることで、さらに節約できるかもしれません。
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合わせ技で増やそう!
ここまで、節約によって貯蓄を増やす方法をお伝えしましたが、節約だけではどうしても限界があります。貯蓄を増やすには、「収入を増やす」方法と「支出を減らす」方法があり、節約は「支出を減らす」方法です。両方合わせた方が当然効果は大きくなります。
本業での収入アップが難しい場合は、副業で収入を得る、投資で増やすなどの方法を試みると良いでしょう。投資の場合は、必ず増えるわけではなく、減るリスクもあります。そのため、投資に慣れていない初心者は、少額から始めると良いでしょう。また、現金を使わず、ポイントで投資ができる「ポイント投資」は元手0円で始められるので、投資初心者におすすめです。ポイント投資で経験を積んでから本格的に投資デビューをするのもよいでしょう。
節約はやり過ぎると、生活の質を落とし、楽しみを奪うことになりかねません。正しい節約をして、無駄がなくなったら、次は収入を増やすことを考えましょう。「収入を増やす+支出を減らす」合わせ技で、効果的に貯蓄を増やしていけるとよいですね。
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