「洗濯乾燥機」の電気代、ドラム式と縦型だったらどっちが安い?【2024年10月版】
この記事では、洗濯乾燥機の電気代を種類ごとに比較し、さらに浴室乾燥機や衣類乾燥除湿機とも比較しました。どの乾燥機が一番電気代を安くすることができるのか、ここでチェックしましょう。
家事の中で欠かせないのに、それなりに労力がかかるのが“洗濯”です。家族が多いとなおさら大変ですね。そんな中で「洗濯乾燥機」は、スイッチオンで乾燥までしてくれるので、忙しい現代人にぴったりな優れもの家電です。一方で、乾燥時間が長くかかることから、「洗濯乾燥機」の電気代が気になる人は多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、洗濯乾燥機の電気代を種類ごとに比較し、さらに浴室乾燥機や衣類乾燥除湿機とも比較しました。どの乾燥機が一番電気代を安くすることができるのか、ここでチェックしましょう。
最後に、洗濯乾燥機を使う上での節約のコツもご紹介します。ちょっとした手間で電気代が節約できるので、ぜひ試してみてくださいね。
石倉博子
ファイナンシャルプランナー(1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP認定者)。
“お金について無知であることはリスクとなる”という私自身の経験と信念から、子育て期間中にFP資格を取得。実生活における“お金の教養”の重要性を感じ、生活者目線で、分かりやすく伝えることを目的として記事を執筆中。大学では美学美術史と油絵を学び、文学と造形の学士を取得。しかし今は芸術とは程遠いお金の計算に情熱を燃やす人間になっている。伏線がきれいに回収された小説を読むのが好き。
洗濯乾燥機にはどんなものがある?
洗濯乾燥機には、大きく分けて「縦型ヒーター式」と「ドラム型ヒーター式」、「ドラム型ヒートポンプ式」の3種類があります。
縦型は従来からある洗濯槽が縦になっているタイプで、ドラム型よりも場所を取りません。もみ洗いが基本で、洗濯物同士をこすりあわせて汚れを落とすので、泥などの固形汚れに効果を発揮します。
ドラム型は、傾いたドラムを回転させながら衣類を持ち上げて落とすたたき洗いが基本で、衣類同士がこすれ合うことが少ないため、生地の傷みを軽減できます。縦型より場所を取るため、住居によっては設置できない場合もあります。
乾燥方式は、ヒーター式とヒートポンプ式があります。縦型の洗濯機のほとんどはヒーター式で、ドラム型はヒーター式とヒートポンプ式があります。
ヒーター式は、ヒーターで温めた熱風をドライヤーのように洗濯物に当てて乾燥させる方式です。高温で乾燥させるため、カラッとした仕上がりになりますが、衣類が縮んだり痛んだりしやすいのが難点です。
ヒートポンプ式は、湿気を含んだ空気を除湿して機外に排水し、乾いた温風で衣類を乾燥させます。除湿機で乾燥させるイメージです。60度くらいの低い温度で乾燥させるため、衣類の縮みや傷みが少ないのが利点です。
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洗濯乾燥機の電気代を種類ごとに比較してみた
縦型ヒーター式、ドラム型ヒーター式、ドラム型ヒートポンプ式のそれぞれの電気代を比較してみましょう。
1回あたりの電気代は、次の式で求めます。
「消費電力量(Wh)」÷1000×「電気料金単価(円/kWh)」=1回あたりの電気代
電気料金単価は、全国家庭電気製品公正取引協議会「電力料金目安単価」の31円/kWh(税込)を用いて計算します(出典:公益社団法人 全国家庭電気製品 公正取引協議会)。
縦型ヒーター式洗濯乾燥機
ここでは、日立の「洗濯乾燥機ビートウォッシュ BW-DX100K」(洗濯・脱水容量10kg、乾燥容量5.5kg)を例とします。
消費電力量は、洗濯〜乾燥(標準コース)で2030Whです。
- 2030Wh÷1000×31円/kWh=62.93
1回あたりの電気代は、約63円となりました。
ドラム型ヒーター式
パナソニックの「ななめドラム洗濯乾燥機 NA-VG2900L」(洗濯・脱水容量10kg、乾燥容量5kg)を例とします。
消費電力量は、洗濯乾燥時(標準乾燥モード)で1980Whです。
- 1980Wh÷1000×31円/kWh=61.38
1回あたりの電気代は、約62円となりました。
ドラム型ヒートポンプ式洗濯乾燥機
ここでは、パナソニックの「ななめドラム洗濯乾燥機 NA-LX129DL-W」(洗濯・脱水容量12kg、乾燥容量6kg)を例とします。
消費電力量は、洗濯乾燥時(標準乾燥モード)で890Whです。
- 890Wh÷1000×31円/kWh=27.59
1回あたりの電気代は、約28円となりました。
電気代が少ない順は、「ドラム型ヒートポンプ式」「ドラム型ヒーター式」「縦型ヒーター式」となりました。ヒーター式はヒートポンプ式よりも電力を消費するので、省エネの観点では「ドラム型ヒートポンプ式」の洗濯乾燥機が最もおすすめできます。
浴室乾燥機、衣類乾燥除湿機と電気代を比較してみた
洗濯乾燥機以外にも、浴室乾燥機、衣類乾燥除湿機などで衣類を乾燥させることができます。そこで、この2つの電気代とも比較してみましょう。
その前に、乾燥だけの比較なので、先述の「ドラム型ヒートポンプ式」の洗濯乾燥機の乾燥のみの電気代を算出してみます。
製品仕様を見ると、洗濯時の消費電力量は68Whとなっており、890Whから差し引くと乾燥のみでは822Whになります。電気代を計算すると約26円になります。
浴室乾燥機
ここでは、パナソニックの「浴室換気乾燥暖房機 FY-13UG7E」を例とします。
カタログによると、2kgの衣類を乾燥時間2時間5分で使用した場合の電気代は81円、3kgの衣類を乾燥時間2時間20分で使用した場合の電気代は91円となっています。
衣類の量によっても変わってきますが、電気代は高め。また乾燥中はお風呂に入れません。ただ浴室乾燥機の場合、ハンガーにかけて乾燥させるのでシワにならない、形崩れを防げることがメリットです。衣類の種類によって使い分けるとよいでしょう。
衣類乾燥除湿機
衣類乾燥除湿機とは、除湿機の一種で、衣類を乾燥させるための機能が付いたもの。部屋干しをする人にとって重宝する空調家電です。
パナソニックの「衣類乾燥除湿機 F-YHX200B」を例とします。
製品仕様によると、1回あたりの電気代の目安は標準で12円となっています(1時間あたり10円、乾燥時間72分)。
最も電気代が安いのは?
電気代は洗濯乾燥機が26円なので、衣類乾燥除湿機の12円が最も安くなりました。衣類乾燥除湿機には、浴室乾燥機と同様にシワにならないなどのメリットがありますが、一方で、物干しスタンドに干す手間がかかる、部屋を占拠するなどのデメリットもあります。
3つの乾燥機を比較すると、電気代が少ない順に「衣類乾燥除湿機」「洗濯乾燥機」「浴室乾燥機」となりました。手間がかからないのは洗濯乾燥機ですが、生活スタイルに合わせて選ぶとよいでしょう。
洗濯乾燥機の電気代を節約するコツ
洗濯乾燥機はドラム型ヒートポンプ式を選べば、電気代が比較的抑えられることが分かりました。ここでは、日々の使用の中で、節電になる使い方を紹介します。
洗濯物を入れ過ぎない
洗濯機には洗濯容量と乾燥容量があり、乾燥容量は洗濯容量の半分程度です。そのため容量いっぱいに衣類を入れてしまうと、乾燥では容量オーバーとなり、稼働時間が長引く上に生乾きの原因となります。乾燥の前に乾きやすいものや自然乾燥させたいものを取り出して、容量を減らすとよいでしょう。
フィルターの掃除をする
乾燥フィルターがほこりや糸くずで目詰まりすると、風量が弱くなり、乾燥ムラが生じたり、稼働時間が長くなったりして無駄な電力を消費します。そのまま放置すると、故障の原因にもなるので、定期的にフィルターの掃除をしましょう。
ドライボールを入れる
便利グッズとして、「ドライボール」というものがあるのをご存じでしょうか。「ドライヤーボール」や「乾燥ボール」とも言われます。素材はウール100%のものが多く、乾燥機に複数個入れることで、洗濯物を効率よく乾かすことができる時短・節約アイテムです。
繰り返し使えて、柔軟剤を入れなくてもふわふわの仕上がりが期待できるとのこと。試してみてはいかがでしょうか。
また、ドライボールの代わりに乾いたバスタオルを入れることでも、乾燥時間の短縮につながります。
まとめ
洗濯乾燥機は、ドラム型のヒートポンプ式が一番電気代を節約できることが分かりました。他の家電も含めて比較すると、衣類乾燥除湿機が洗濯乾燥機より電気代が安く、浴室乾燥機が一番電気代がかかることが分かりました。
ここで紹介した節約のコツも取り入れながら、家計にやさしい暮らしを実現しましょう。
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