【エアコン2027年問題】安いモデルが消える!? FPが「いつ・何を買うべきか」を徹底解説(1/2 ページ)
今回は、「2027年問題」の解説と、「いつ・どんなエアコンを買ったらいいのか」をFPの視点でアドバイスします。
エアコンの話題で最近よく耳にする「2027年問題」という言葉、気になっている人は多いのではないでしょうか。
これは、経済産業省が定める家庭用エアコンの省エネ基準が2027年度から引き上げられることで、「エアコンが値上がりするのではないか」「選べる機種が減るのではないか」と懸念されている問題です。
エアコンは夏場も冬場も活躍し、暮らしへの影響が大きな家電であるため、買い替えのタイミングに悩む人は多いと思います。
そこで今回は、「2027年問題」の解説と、「いつ・どんなエアコンを買ったらいいのか」をFPの視点でアドバイスします。
石倉博子
ファイナンシャルプランナー(1級ファイナンシャルプランニング技能士、CFP認定者)。
“お金について無知であることはリスクとなる”という私自身の経験と信念から、子育て期間中にFP資格を取得。実生活における“お金の教養”の重要性を感じ、生活者目線で、分かりやすく伝えることを目的として記事を執筆中。大学では美学美術史と油絵を学び、文学と造形の学士を取得。しかし今は芸術とは程遠いお金の計算に情熱を燃やす人間になっている。伏線がきれいに回収された小説を読むのが好き。
そもそも「エアコン2027年問題」とは?
日本では家電製品に対して、「トップランナー制度」と呼ばれる省エネ基準が設けられています。この制度に基づき、2027年4月からエアコンの省エネ基準が引き上げられます(参考:資源エネルギー庁)。エアコンは家庭の電力消費量の中でも大きな割合を占める家電であり、省エネ性能の向上によって、光熱費の削減や脱炭素への貢献が期待されています。
こうした基準強化に対応するため、各メーカーは高効率な新モデルの生産へ切り替える必要があります。部品や開発にかかるコストが増えることで、本体価格の上昇は避けられません。一方で、基準を満たさない低価格モデルは、市場から消えることになります。
消費者にとっては、「エアコン価格が上がる前に買っておこう」という心理が働き、2026〜2027年にかけては、駆け込み需要が発生することが予想されます。需要が集中すると、設置工事の予約が取りづらくなり、工事までの待ち時間が長期化する可能性もあります。
今後起こり得る変化
- 新モデルの価格上昇
- 低価格モデルの縮小・販売終了
- 駆け込み需要による工事予約の混雑
- 高機能モデル中心への移行による価格帯の底上げ
これらを踏まえると、エアコンの購入を検討している人は、余裕をもって早めに動き出すとよいでしょう。
いつ買うべき? 買い替えのタイミング
使用年数が10年以上経過しているエアコンは、故障リスクが高まるうえ、交換部品の供給が終了している場合もあるため、買い替えを検討する時期と言えます。また、この10年で省エネ性能は大きく向上しており、古い機種を使い続けるよりも、買い替えた方が電気代の節約につながる可能性も高いでしょう。
一方で、購入から5年程度しか経っていない場合は、無理に買い替える必要はありません。2027年度から省エネ基準が強化されるとはいえ、これはメーカー側に対する規制であり、現在家庭で使用しているエアコンの使用に影響が出るわけではないためです。
以上を踏まえると、エアコンを10年以上使用している場合は、今回の「2027年問題」を機に買い替えを検討する良いタイミングといえます。その際は、駆け込み需要が本格化する前に、余裕をもって購入・設置を済ませておくと安心です。
どんなエアコンを買ったらいい? エアコンの選び方
部屋に合った冷房能力を選ぶ
エアコンを選ぶ際は、まず使用する部屋の広さに合った冷房能力(kW)の機種を選ぶことが基本です。冷房能力ごとに対応する畳数の目安があるため、部屋の広さに適したモデルを選びましょう。能力が不足すると効きが悪くなり、逆に過剰だと本体価格や電気代が無駄にかかる可能性があります。
省エネ性能をチェックする
次に重要なのが省エネ性能です。エアコンは本体価格だけでなく、使用中の電気代も含めたトータルコストで考えることが大切です。省エネ性能が高いほど、長期的に電気代を抑えられます。
省エネ性能は、家電量販店などで表示されている「統一省エネラベル」で確認できます。
評価は5.0〜1.0までの0.1刻みで示され、星の数でも分かりやすく表示されています。星の数が多いほど省エネ性能が高いことを示します。
また、冷房能力や星の数が同じでも年間の目安電気料金が違う場合もあるため、この金額も比較して選ぶと、よりランニングコストが抑えられる可能性があります。
使う機能・使わない機能を整理する
エアコンには、空気清浄機能やAI制御、自動お掃除機能など、さまざまな付加機能があります。便利な一方で、機能が多いほど価格は高くなり、構造が複雑になることでメンテナンスのコストと故障リスクも高まります。そのため、必要な機能と不要な機能をあらかじめ整理し、自分の生活スタイルに合った製品を選ぶようにしましょう。
エアコンは長期コストで考える
エアコンを買い替える際は、本体価格だけでなく、使用中の電気代を含めた「長期コスト」で考えることが重要です。購入時の価格が多少高くても、その後の電気代を抑えられれば、トータルでは支出を抑えられる可能性があります。
最新の家電は10年前のものと比べて省エネ性能が格段に上がっているので、使用頻度が高いエアコンは特に電気代の差を感じやすいといえます。
最新モデルと10年前モデルの電気代比較
ここで、2025年モデルと2015年モデルの電気代を比較してみましょう。
- 冷房能力2.8kW(10畳)モデルの場合
- 2025年製
- 日立白くまくん(RAS-XR2825S)
- 期間消費電力量:746 kWh
- 年間電気代:約2万3126円
- 2015年製
- 日立白くまくん(RAS-D28E)
- 期間消費電力量:967 kWh
- 年間電気代:約2万9977円
- 2025年製
年間で約6851円の差になります。
このように、古いものを使い続けていると年間で約7000円の電気代を必要以上に出費していると考えられます(参考:省エネポータルサイト)。初期費用だけで判断するのではなく、こうした長期的なコスト差も踏まえると、省エネ性能の高いエアコンへの買い替えは十分に検討する価値があるでしょう。
まとめ
2027年問題によって、今後はお手頃価格のエアコンが手に入りにくくなる可能性があります。一方で、新基準に対応した省エネ性能の高いエアコンは、従来モデルに比べて電気代の削減効果が期待でき、長期的に見るとコスト面で有利になるケースも少なくありません。一見高く感じるモデルでも、長く使うほど結果的に支出を抑えられることがあります。
2027年問題をきっかけに、自宅のエアコンの使用年数や状態を見直してみることをおすすめします。
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