●disk行 |
disk行を設定すると,特定のパス以下の空き容量が,指定されたキロバイト数以下になるもしくは指定されたパーセント以下になったときにエラー扱いとすることができる。disk行の設定書式は次の通りだ。
disk 調査するパス名最小容量またはパーセンテージ |
調査するパス名の部分には,調査したいディレクトリパスを指定する。そして,空白(またはタブ)で区切って,エラー扱いとしたい容量またはパーセンテージを指定する。容量の場合には,キロバイト単位で,パーセント値の場合には,“80%”とか“90%”といったように数字の後ろに“%”記号を伴って指定する。
デフォルトのsnmpd.confファイルでは,次の指定となっており,/ディレクトリの空き容量が10000キロバイト――すなわち10Mバイト――以下にになったならば,それをエラー扱いとする設定になっている。
disk / 10000 |
disk行にて指定したディスクの調査結果は,dskTableサブツリー(1.3.6.1.4.1.2021.9)以下に,配列の形で格納される(Table 12)。
Table 12 dskTableサブツリー(1.3.6.1.4.1.2021.9)
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※iはインデックス番号。snmpd.confファイル中に出てきたdisk行の登場順に,先頭から1,2,3,…という値。
デフォルトの設定では,/ディレクトリの空き容量が10MB以下になったときにエラー扱いとなるように設定されている。snmpd.confファイルにはそれ以外にdisk行はなく,この項目にはインデックス番号として1が割り当てられる。よって,/ディレクトリの空き容量が10MB以下になったとき,1.3.6.1.4.1.2021.9.100.1の値が1に設定される。SNMPマネージャを使ってこの値を監視すれば,ディスクの空き容量不足を調べることができるというわけだ。snmpwalkコマンドを使ってdskTableサブツリー(1.3.6.1.4.1.2021.9)を参照した例を以下に示す。
$ snmpwalk localhost private .1.3.6.1.4.1.2021.9 enterprises.ucdavis.dskTable.dskEntry.dskIndex.1 = 1 enterprises.ucdavis.dskTable.dskEntry.dskPath.1 = / enterprises.ucdavis.dskTable.dskEntry.dskDevice.1 = /dev/hda1 enterprises.ucdavis.dskTable.dskEntry.dskMinimum.1 = 10000 enterprises.ucdavis.dskTable.dskEntry.dskMinPercent.1 = -1 enterprises.ucdavis.dskTable.dskEntry.dskTotal.1 = 128812 enterprises.ucdavis.dskTable.dskEntry.dskAvail.1 = 72437 enterprises.ucdavis.dskTable.dskEntry.dskUsed.1 = 49724 enterprises.ucdavis.dskTable.dskEntry.dskPercent.1 = 41 enterprises.ucdavis.dskTable.dskEntry.dskPercentNode.1 = 23 enterprises.ucdavis.dskTable.dskEntry.dskErrorFlag.1 = 0 enterprises.ucdavis.dskTable.dskEntry.dskErrorMsg.1 = |
参考までに,このホストの現在のディスク使用状況を知るべく,dfコマンドを実行したときの結果を以下に示す。
$ df Filesystem 1k-blocks Used Available Use% Mounted on /dev/hda1 128812 49724 72437 41% / /dev/hda3 378743 53262 305926 15% /home /dev/hda6 1277792 736196 476684 61% /usr |
dfコマンドの出力結果とdskTableサブツリー内のオブジェクトに格納されている値とを比べると,どれとどれが対応するのかがわかるだろう。
disk行は,もちろん必要なだけ追加することができる。disk行を追加するのであれば,パーティション単位に設定項目を追加しておくとよいだろう。たとえば,/,/home,/varの3つのパーティションを使っているのであれば,そのそれぞれを監視するよう,たとえば,次の設定をすればよい。
disk / 20% disk /home 10% disk /var 30% |
snmpd.confのdisk行を上記のようにしておくと,先頭の項目から順にインデックス番号が1,2,3と割り当てられる。よって,次のような動作になる。
- /ディレクトリの空き容量が20%を切ったとき
1.3.6.1.4.1.2021.9.1.100.1が1になる。 - /homeディレクトリの空き容量が10%を切ったとき
1.3.6.1.4.1.2021.9.1.100.2が1になる。 - /homeディレクトリの空き容量が30%を切ったとき
1.3.6.1.4.1.2021.9.1.100.3が1になる。
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