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ダイナミックDNSサービスを利用する

 これまではインターネット側からIPアドレスを使い,サーバに接続する方法を説明してきた。しかしIPアドレスはわかりにくく,またADSLプロバイダによっては,(adsl-startコマンドを使って)接続するたびにサーバに割り当てられるIPアドレスが変化することもある(根本的にこれを回避するために固定IPサービスを利用する手段もある)。その場合,公開しているサーバにアクセスするユーザーは,IPアドレスを知らなければアクセスすることができず不便である。

 この問題は、ユーザーがIPアドレスではなく,「www.example.co.jp」のようなドメイン名で接続してくることができるようにすれば解決できる。しかし,ドメイン名は固定IP環境で利用するのが基本であり,ADSL回線のように接続するたびにIPアドレスが変化する回線での利用は難しい(+1,000円程度で固定IPサービスを行っているADSLプロバイダもある)。

 しかし固定IPサービスを契約するまでもないと思う人であっても,ドメイン名でアクセスできる手段がある。それが「ダイナミックDNS」だ。

 ダイナミックDNSとは,ドメイン名とIPアドレスとの変換を行ってくれるサービスを指す。無償,有償を含め,このようなサービスを行っているところが幾つかあるのだ。おもなサービスを以下に挙げた。

  • Dyndns.org
     非営利で運営しているサービス。フリーで利用することができる。永続的に使いたいのであれば寄付を希望している。定期的にアップデートを行うための,アップデートプログラムに対応するOSが多いのが特徴。

  • No-Ip.com
     フリーのサービスと有償のサービスがある。有償のサービスであれば(サブドメインではなく)独自のドメイン名やメールの転送,ホスティングサービスなども受けられる。

  • Hammernode Internet Services
      無償で提供されているサービス。スポンサーによって運営されている。ユーザーインタフェースがシンプルなのが特徴。

  • dyn.to
     (有)トライアルソフト研究所が提供するサービス。年額2,400円と有償であるが,日本語ページから登録できるのが特徴となっている。

 上に示した以外にも,ダイナミックDNSサービスを提供しているところは多数ある。http://www.technopagan.org/dynamic/にはダイナミックDNSサービスの一覧やその仕組みの概要が,http://www.kvtek.com/ddnsservices.aspにはダイナミックDNSサービスの評価付けがされている。こちらも参考にしてほしい。

 ここでは,シンプルで扱い方が容易だと思われるHammermode Internet Servicesを挙げることにしよう。

アカウントの取得
 Hammermode Internet ServicesのダイナミックDNSを利用するには,まずユーザー情報を登録し,アカウントを取得しなければならない。アカウントの取得は簡単で,HN.ORGサインアップページから好きなホスト名と自分のメールアドレスを入力するだけだ(Fig.4)。

Fig.4■アカウントの登録
fig04

 Hammermode Internet Servicesでは,「任意名.hn.org」のドメイン名を利用することができる。任意名の部分は1〜20文字以内である。アカウントを登録する際には,「I agree to these terms & conditions」の項目にはチェックをつけなければならない。terms & conditionsの部分をクリックすると利用規約が表示されるので,読んで納得した上で「I agree to these terms & conditions」の部分にチェックをしよう。

 [SUBMIT]ボタンを押すと,Fig.5の画面が表示されてアカウント登録が完了する。

FIg.5■アカウントが登録されたところfig05

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