■いちばん近道なLinuxマスター術
第8回:ADSLによるLinuxサーバ構築 後編
 前回の前編では,1枚のネットワークカードをLinuxサーバーに装着し,そのLinuxサーバをインターネット側から見えるようにする方法を説明した。後編の今回は,前回構築したLinuxサーバにもう1枚のネットワークカードを増設して,そのカードからWindowsマシンなどのクライアントを接続できるようにしよう。周辺機器としてお馴染みなダイヤルアップルータを,Linuxサーバで実現してしまおうというテクニックだ

クライアントをインターネットに接続するには

 クライアントもサーバーに接続されたADSL回線を通じてインターネットにアクセスできるようにするにはいくつかの方法があるが,よくとられる方法は,サーバーにもう1枚ネットワークカードを装着し,その下にクライアントを接続したLANを構築する方法だ(Fig.1)。

Fig.1 サーバーに2枚のネットワークカードを装着する
fig_01

 Fig.1に示したように,1枚目のネットワークカードにはADSLモデム(またはADSLルーター)を直結する。そして2枚目のネットワークカードは普通のLANとして構築し,その下に各種クライアントを接続する(もちろん1枚目と2枚目が逆であってもよい)。

 さて2枚目のネットワークカードやクライアントによって構成されるLANであるが,どのようなIPアドレスを設定するのが妥当かという話になる。複数IPアドレスを取得できるADSLサービスであれば,それらの割り当てられたIPアドレスを利用するという手もあるが,一般にADSLサービスは1つのIPアドレスしか割り当てられない。そこで2枚目のネットワークカードやクライアントによって構成されるLANには,インターネットでは使われないIPアドレスであるプライベートIPを使って構築することになる。

 プライベートIPアドレスとは,LANなどを構築するときに自由に利用してかまわないIPアドレスで,その範囲はTable 1のようになっている。

Table 1 プライベートIPアドレス

IPアドレスの範囲
10.0.0.0.010.255.255.255
172.16.0.0172.31.255.255
192.168.0.0192.168.255.255

 Table 1に示した範囲のうち,どのIPアドレスを使ってもかまわない。今回は,192.168.0.1192.168.0.254までのIPアドレス範囲(ネットワークアドレス:192.168.0.0/サブネットマスク:255.255.255.0)を使うものとする。そしてサーバーの2枚目のネットワークカードにはIPアドレス192.168.0.1を,その配下に接続されるクライアントにはIPアドレス192.168.0.2192.168.0.254のいずれかを設定するものとする。

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