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動作の確認

 以上で,すべての設定が完了したことになるので,動作を確かめてみよう。

 まずLinuxサーバ上で(telnetなども可)adsl-startコマンドを使い,ADSL回線に接続させる。

# /usr/sbin/adsl-start


すでに接続済みの場合には,いったんadsl-stopコマンドで切断してから「adsl-start」コマンドを使って再接続する。そのわけは,「/etc/pppoe.conf」ファイルの変更結果は,再接続後にしか有効にならないためである。

 次にクライアントにて正しく接続できるかどうかを確かめる。それにはpingコマンドやtracerouteコマンド(Windowsの場合にはtracertコマンド)を使えばよい。

 まずはpingコマンドを使い,Linuxサーバまで正しく到達するか調べられる。ここではWindows上のMS-DOSプロンプトからpingコマンドを実行した例を示す。

C:\> ping 192.168.0.1

Pinging 192.168.0.1 with 32 bytes of data:

Reply from 192.168.0.1: bytes=32 time<10ms TTL=255
Reply from 192.168.0.1: bytes=32 time<10ms TTL=255
Reply from 192.168.0.1: bytes=32 time<10ms TTL=255
Reply from 192.168.0.1: bytes=32 time<10ms TTL=255

Ping statistics for 192.168.0.1:
Packets: Sent = 4, Received = 4, Lost = 0 (0% loss).
Approximate round trip times in milli-seconds:
Minimum = 0ms, Maximum =0ms, Average =0ms

 もし,次のように表示されずに,次のような「Request time out.」といった文字列が現れたら,それはLinuxサーバの到達すらできていないことを意味する。クライアントのIPアドレスの設定やLinuxサーバの2枚目のネットワークカードの設定を再確認しよう。

Request timed out.

 次にクライアントから稼動していると思われるWebサイトに向けてpingコマンドで指定してみよう。上記とは異なり,今度はグローバルなインターネットへ到達できるかが判断できる。Linuxサーバを経由して接続できるかが分かるのだ。

C:\> ping www.zdnet.co.jp

Pinging www.zdnet.co.jp [210.155.143.70] with 32 bytes of data:

Reply from 210.155.143.70: bytes=32 time=47ms TTL=105
Reply from 210.155.143.70: bytes=32 time=47ms TTL=105
Reply from 210.155.143.70: bytes=32 time=47ms TTL=105
Reply from 210.155.143.70: bytes=32 time=47ms TTL=105

Ping statistics for 210.155.143.70:
Packets: Sent = 4, Received = 4, Lost = 0 (0% loss),
Approximate round trip times in milli-seconds:
Minimum = 47ms, Maximum =47ms, Average =47ms

 もし次のようになってしまうのであれば,DNSの設定が正しくない。

Unknown host www.zdnet.co.jp.

 この場合には,(1)Linuxサーバー上でnamedが正しく動作しているか,(2)クライアントのDNSサーバーの設定が間違っていないか,という点を確認する。

 もしも,次のような表示結果となるのであれば,「firewall-masq」ファイルの設定,またはpppoe.confファイルの設定が誤っている可能性が高い。Linuxサーバによるパケットの中継ができていないことになるので,確認してみよう。

Request timed out.

 さらに,次のように表示されるのであれば,クライアントの設定のデフォルトゲートウェイが正しくない可能性がある。

Destination host unreachable.

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