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Real Systemを使った配信
 一般的なWebサーバを利用しても映像配信はできるが,サーバやネットワークへの負担が大きいのは,想像に難しくない点だ。また,Webサーバによる配信では,既存のRMファイルを配信することしかできず,ビデオカメラなどで撮影している映像をリアルタイムにライブ中継するようなことはできない。

 そこで登場するのがRealSystemだ。RealSystemは、Fig.1に示すように「RealSystem Server」と「RealProducer」から構成されている。

Fig.1■Real Systemの構成
fig01


Fig.1に示した構成以外にも,プレゼンテーションやスライドを配信できる「RealSlideShow」と呼ばれる製品群も用意されている

 Real System Serverは,RealPlayerに対して映像(RealVideo)や音声(RealAudio)を配信するソフトウェアだ。Real Producerは,ビデオや音楽を取り込んでRM形式ファイルを作成したり,直接Real System Serverに受け渡してライブ中継を可能とするソフトウェアである。

 Real System ServerとReal Producerはそれぞれが独立していることを覚えておきたい。

 このことから,Real System Serverが動作するサーバとReal Producerが動作するホストは,ネットワークを介した別のマシンでも構わないのだ。

 実際の商用に関わる現場では,サーバ側にReal System Serverをインストールし,Windowsなどのクライアント関係に位置するマシンにReal Producerをインストールしておくことが多い。Windows側でRM形式ファイルを作成したり,ネットワークを経由してReal System Serverにライブ映像を伝送し,ライブ配信が行われる仕組みだ。

 Real System Serverは,次のOSがサポートされている。

プロセッサ OS
インテル Windows NT 4.0/2000,Linux 2.2(glibc2),FreeBSD 3.0
Sun SPARC Solaris 2.6,2.7,2.8
IBM RS/6000 PowerPC AIX 4.3
HP PA-RISC 2.0 HP-UX 11.x
MIPS IRIX 6.5

 上記の表のように,Linuxでは「glibc2(libc6)」を採用したカーネル2.2上で動作することが分かる。RealNetworks社では,カーネル2.4での動作保証をしていない点に注意してほしい。 一方,RealProducerはWindows,MacOS,Linux,Solarisがサポートされている。今回取り上げるLinuxについての動作環境を詳しく見ておこう。

最小環境 推奨環境
カーネル Linux 2.2 glibc2(libc6)
CPU Pentium/200MHz PentiumIII
メモリ 32MB 64MB
サポートファイル形式 .wav,.au,.mov(未圧縮24ビット,または32ビット)

ライブ配信利用時

最小環境 推奨環境
CPU Pentium/200MHz PentiumIII
メモリ 64MB 128MB
ビデオキャプチャ Video for Linuxに対応したキャプチャカード
サウンド OSSドライバに対応したサウンドカード

 今回は,Red Hat Linux 6.2のもとでRealSystemを利用する方法を解説していく。しかし,glibc2を採用しているディストリビューションであれば,Red Hatを問わずほとんど同じ方法でインストールできるだろう。あくまでも記事の流れで利用しているものと捉えても構わないはずだ。

 ここまで説明してきたように,Real Systemを使ってストリーミング配信するためには,まず最初にReal System Serverが必須であることが分かっただろう。

 次のページからは,Real System Serverを利用して特定RMファイルを配信する設定を具体的に説明していこう。

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