| RealProducerを使って配信する |
以上で配信のための設定が整った。いよいよRealProducerを使ってストリーミング配信をしてみよう。
RealSystem Serverの設定
RealProducerを使ってストリーミング配信するには,まずRealSystem Serverに配信するユーザー名とパスワードを登録しなければならない。RealSystem Serverではセキュリティ保護機能を持っており,RealSystem Serverに登録したユーザー名とパスワードを提示したユーザーしかストリーミング配信できなくなっているのだ。
そこでまず,Webブラウザから「http://
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Fig.5■マッピング先の設定![]() |
標準設定では,Fig.5に示したように/encoder/がマッピングされている。そのため,クライアントは「rtsp://
この中でも重要なのが,[Authentication]の部分だ。[Authentication]の部分では,どのようなグループに属するユーザーがストリーミング配信できるのかを選択する。標準では,[サーバー名.EncoderRealm]となっていて、このグループに属するユーザーしか配信することができない。[サーバー名.EncoderRealm]には,いかなるユーザーも設定されていないので,このままの設定ではアカウントすべてでストリーミング配信ができない状態のままだ。
そこで,[サーバー名.EncoderRealm]にユーザーを登録する作業が必要がある。ユーザーを登録するには,[Authentication]直下の[Create]というリンクをクリックしよう。すると,Fig.6の画面になってユーザー登録が可能になる。
Fig.6■Realmの編集![]() |
Fig.6においてユーザーを登録するには,「SecureEncoder」をクリックした後で[ADD A USER TO REALM]を選択する。すると,Fig.7の画面が表示されユーザー登録が可能になる。ここでは,仮にFig.7の画面でrealtestという名でユーザー登録をしてみよう。パスワードは適当に設定してほしい。
Fig.7■ユーザーの登録![]() |
Fig.7にて[OK]ボタンを押すと,そのユーザーがRealmに登録される。RealProducerを使う際には,ここで登録したユーザー名とパスワードを指定すれば,RealSystem Serverからストリーミング配信ができるようになるのだ。
RealProducerを使って配信する
それでは最終段階のRealProducerによる配信だ。RealProducerは,コマンドラインで動作するプログラムである(そのためX Window System上でなくてもコマンドラインで実行できる)。また,起動オプションには幾つかの設定項目があるが,概ね次のオプションで起動すれば問題ないだろう。
| $ realproducer -l 2:1,4:0 -s サーバー名:ポート番号/RMファイル名 -u ユーザー名 -p パスワード |
たとえば,動作しているRealSystem Serverからtest.rmというファイルとして配信する場合には,次のようにしてRealProducerを起動すればよい。
今回はテスト目的のため,RealProducerとRealSystem Serverを同じコンピュータ上で動作させる例を解説した。実用を考えると動作保証外である。安定した動作を求めるには,RealProducerとRealSystem Serverが動作するコンピュータは別々であることが望ましい。 |
| $ realproducer -l 2:1,4:0 -s localhost:4040/test.rm -u realtest -p パスワード |
この時ユーザー(視聴者側)は,「rtsp://
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上記の設定は,テレビチューナーを入力ソースとしてRealSystem Serverに出力するものだ。テレビを入力ソースとする時,チャンネルは現在設定されているチャンネルが利用される。よって,あらかじめRealProducerで取り込みたいチャンネルをxawtvなどで事前に設定しておけばよい。
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なお,テレビ放映やすべての商用ビデオなどには著作権があることから,上記のオプション設定でインターネットにストリーミング配信をすることは違法になる。上記コマンドは,あくまでもテスト目的のものだ。RealProducerの各オプションを変更すれば,ビデオ入力に接続した入力ソースをストリーミング配信できる(むしろ,これがほとんどの使われ方だろう)。
RealProducerの各オプションは,/usr/
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上記に示したオプションはあくまでも例であり,CPUの負荷や配信する画質を考えて適切な圧縮オプションを選択する必要がある。
筆者が試した限り,RealProducerの実行にはかなりのCPUパワーを必要とする。そのため古いコンピュータにインストールしてLinuxを動かしているような環境でRealProducerを動かすと,エンコード処理をこなすだけで配信が間に合わなくなる可能性が高い。
このような状況では,クライアントで動作するRealPlayer側がいつまでたってもバッファリング中から先に進まないという現象が発生するだろう。その場合には,必要がないと思われるデーモンを終了させてCPU負荷を軽減させるなどの対処が必要だ。また,配信映像の解像度を変更するなどして,適時調整してほしい。
| まとめ |
今回は,前編,後編と2回に渡りRealSystemを利用したストリーミング配信について解説をした。筆者が試したところの正直な感想を書かせていただけば,RealSystem ServerをLinuxで動かすのは問題ないが,RealProducerをLinuxで動かすのはやや難しいといえる状況だった。
その原因は,Linuxでビデオキャプチャカードを正しく認識させるまでが複雑であるということと,Linux版のRealProducerはコマンドライン版であるため設定や実行がやや面倒であるためだ。
前編でも触れたように,RealSystem Serverが動作するOSとRealProducerが動作するOSは同じでなくても構わない。そのため豊富なビデオキャプチャカードが容易に動作し,GUIで操作することができるWindowsやMacintosh環境でRealProducerを動作させるのが現実的かもしれない。その映像を,Linuxで動作するRealSystem Serverを介しインターネットに配信するというスタイルが最も扱いやすいのではないだろうか。
[大澤文孝,ITmedia]
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今回はテスト目的のため,RealProducerとRealSystem Serverを同じコンピュータ上で動作させる例を解説した。実用を考えると動作保証外である。安定した動作を求めるには,RealProducerとRealSystem Serverが動作するコンピュータは別々であることが望ましい。