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プリンタやディスク設定・チューニング
(printconf-gui,usermount,sysctlconfig-gtk)

 次にハードウェアの設定やチューニングについて説明しよう。

プリンタの設定(printconf-gui

 プリンタを設定するには、プリンタの設定ツールを用いる(Fig.11)。

Fig.11■プリンタ設定ツール
Fig.11

 プリンタの設定ツールで[新規]ボタンを押すと,ウィザード形式でプリンタを設定することができる(Fig.12)。ウィザードでは,プリンタ名や接続先のデバイス名,利用するドライバなどを選択するだけでよい。

Fig.12■ウィザードでプリンタを設定する
Fig.12-1

Fig.12-2

 いちどプリンタを設定したならば,[編集]ボタンを押せばその設定をいつでも変更することも可能だ(FIg.13)。

Fig.13■ウィザードでプリンタを設定する
Fig.13

 一方,実際の設定内容は次のように各種設定ファイルに反映される。プリンタ設定ツールで設定した内容は,/etc/printcapファイルに上書きされる。/etc/printcapファイルは,下記のようにやや複雑なので,プリンタを設定する場合にはGUI設定ツールを使うのがよいだろう。

myprinter:\
:sh:\
:ml=0:\
:mx=0:\
:sd=/var/spool/lpd/myprinter:\
:af=/var/spool/lpd/myprinter/myprinter.acct:\
:lp=/dev/lp0:\
:lpd_bounce=true:\
:if=/usr/share/printconf/util/mf_wrapper:

 場合によっては手作業で/etc/printcapファイルを編集したいこともあるだろう。たとえばプリンタへの出力時に,独自のテキスト処理をするフィルタをかけたい場合などだ。

 そのような場合には,設定したい内容を/etc/printcap.localと呼ばれるファイルに記述すればよい。すると,プリンタ設定ツールによって,/etc/printcalファイルが作られる際,末尾に/etc/printcap.localファイルの内容がコピーされて反映される。

ディスクの管理(usermount

 「ディスクの管理」ツールを使うと,ディスクをマウントしたり,アンマウント,フォーマットなどが可能だ(FIg.14)。しかし,これは管理ツールというよりも/etc/fstabファイルに記述されたマウント情報の一覧を表示し,その内容からマウントやアンマウント,フォーマットを行うというツールだ。Linuxの設定を変更するツールというわけではない。

Fig.14■ディスクの管理
Fig.14

システムチューニング(sysctlconfig-gtk

 システムチューニングツールを使うと,カーネルのバッファサイズなど,より細かいLinuxの設定ができる(Fig.15)。

Fig.15■システムチューニング
Fig.15

 このツールは,/etc/sysctl.confファイルを書き換えることによってカーネルの設定を変更する。/etc/sysctl.confファイルは,例えば次のようになっている。

# Disables packet forwarding
net.ipv4.ip_forward = 0
# Enables source route verification
net.ipv4.conf.default.rp_filter = 1
# Disables the magic-sysrq key
kernel.sysrq = 0

 システムチューニングで設定すると,/etc/sysctl.confファイルが上書きされるが,「設定項目=値」となっている個所が書き変わるだけだ。このため,手作業で/etc/sysctl.confファイルを編集していたとしても問題となることはないだろう。

 一般的にはシステムチューニングを設定する必要はないが,サーバ用途でよりパフォーマンスを追求したい場合には,この設定を変更することになるだろう。

 次回掲載予定の後編では,主にネットワークに関する設定について触れていこう。

[大澤文孝,ITmedia]

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