サーバ運用の難しさは、万が一のトラブルを的確に発見し対処をすることにある。HDE Center 2.5であれば、見やすいグラフで監視し、万が一の場合には任意のスクリプトを実行させることが可能だ

 ホライズン・デジタル・エンタープライズから発売された「HDE Center 2.5」は、SNMPを利用するMRTGやRRDToolなどと同じく「サーバをモニタリングする」機能を持つソフトだ。しかし、これらのソフトと大きく異なるのは、Webベースで設定が可能であり、万が一の障害時に任意のスクリプトを実行して警告メール通知などができる点にある。

 HDE Center 2.5(以下、HDE Center)でモニタリングが可能な事項は、表1の通りだ。それぞれには最大で5段階の「しきい値」を設定することができ、注意や警告など段階ごとに通知などを行うことができる。

表1■HDE Center 2.5で監視可能な項目

1.

セキュリティ監視

特定のファイルを指定し、改ざんされていないかを監視する

2.

ログ監視

ログに記録される内容から特定個所をピックアップし異常をチェックする

3.

サービス(デーモン)監視

レスポンスをチェックし、応答値から正常かどうかを判断する

4.

プロセス監視

総プロセス、実行中/ゾンビ/スリープ各種のプロセスを監視する

5.

パフォーマンス監視

OS自体の負荷具合を監視し、パフォーマンス低下が無いかを判断する

6.

リソース監視

ディスク使用量、メモリ使用量を監視する


■監視ができるのはLinux/Solaris/Windows

 監視を行うためには専用の「エージェントソフト」がインストールされている必要がある。製品にはLinuxを始め、Solaris、Windows版それぞれのエージェントソフトが同梱されており、「エージェント」が「マネージャ」ソフトへデータを受け渡す仕組みなのだ(図1)。また、ライセンスさえ手に入れれば(1パッケージには3台まで監視可能なエージェントライセンスが同梱)何十台ものサーバを監視サーバ上のHDE Centerで一元管理ができる。データベース収録はPostgreSQLが使われる。


図1■製品にはLinuxを始め、Solaris、Windows版それぞれのエージェントソフトが同梱されており、「エージェント」が「マネージャ」ソフトへデータを受け渡す仕組みなのだ

 これまでに同社の製品として「HDE Controller 2.5 Home Server Editon」を紹介したことがあるが、専用の環境がインストールされる特徴を持つ。筆者の場合、極力すべてのツールをバージョン管理しているため、インストール前は余計なものが入ってしまうのではないか? と心配だった。今回紹介するHDE Centerも例外ではなく、頭にlce*、hde*と付くパッケージがインストールされるからだ。

 しかし、インストール後に確認したものが以下の通りだが、何ら依存問題や不具合など起っていない。インストール時には自分の環境では使用していないSendmailが必要? などの疑問もあったが(Postfixを利用している)、次に挙げるように問題なくインストールができている。

 管理されるデータはPostgreSQLで管理されるが、いままでに同ソフトを触ったことがなくても何ら問題はない。すべてインストール時に自動設定される。より詳細なインストール状況が知りたい人のために、筆者の環境(Red Hat Linux 7.2)で行ったインストールログを掲載しておいた。


リスト■HDE Centerでインストールされる主なパッケージ


# rpm -qa|grep lce
lceserver-modphp4_pg713-2.5-001
lceserver-interface-2.5-001
lce_java_util-2.5-001
lce_java_oracle-2.5-001
lceserver-2.5-001
lce_agent-2.5-001
lceserver-modssl-2.5-001
lce_java_server-2.5-001
lce_java_libs-2.5-001

# rpm -qa|grep hde
hde-wget-1.8.2-1
switchdesk-gnome-3.9.7-1
switchdesk-3.9.7-1
hde-jre-1.3.1_04-fcs
hde-xntp3-5.93-15
switchdesk-kde-3.9.7-1
hde-stat-1.5-12

 インストール課程は特に興味がない。早く機能紹介を読みたいという人は、3ページへ。


      | 1 2 3 4 5 | 次のページ