ホームページメンテナンスを簡単に
Sambaサーバをインストール
通常,プロバイダのWeb(http)サーバ上にホームページを公開する場合,ftpクライアントソフトを使ってファイルのアップロードをしているだろう。しかし,自宅のLAN上に公開サーバがある場合にはいちいちftp接続しなくても,もっと手軽にメンテできる手段がある。
Sambaを利用すれば,PS2のHDDスペースをWindowsNT互換のファイルサーバ(プリントサーバ)として使うことができる。Apacheで設定をしたドキュメントルートのディレクトリを,SambaでWindowsから参照できるようにすればよいのだ。
PS2 Linuxでは,システムDVD-ROMにSambaがRPMで用意されている。しかし,Apacheやnamedなどと同じく古いバージョンだ(2.0.7)。ただし,ダイヤルアップルータを使いNATで必要なサービスのみ公開する場合,Sambaを外部に公開するということはないだろう。そのため,前述したApache,named,OpenSSHなどのように比較的バージョンアップをシビアに考えなくてもよい。RPMでの手軽なインストールで済ませたい人は,用意されているバイナリ(RPM)で十分だろう。
もし,最新版をインストールしたい場合には「日本Sambaユーザー会」ページから最新版の「Samba 2.0.10 日本語版リリース1.0」(2001年7月現在)を入手すればよい。ただし,前述したApache同様にソースからのコンパイルが必要だ。
# rpm -Uvh /mnt/cdrom/SCEI/RPMS/samba-
samba-2.0.7_ja_1.3-1.mipsel.rpm
samba-client-2.0.7_ja_1.3-1.mipsel.rpm
samba-common-2.0.7_ja_1.3-1.mipsel.rpm
# rpm -Uvh /mnt/cdrom/SCEI/RPMS/samba-*
samba
######################################
samba-client
######################################
samba-common
######################################
インストール後の設定は,「ファイルサーバにしてWindowsからアクセスしたい(Samba)」Tipsを参考にしてほしい。取りあえず最低限行うことは,「# smbpasswd [日ごろ使うユーザーアカウント名]」として,Samba用のパスワードを設定しておくことだ。
public_htmlを共有するためには,次のような行をsmb.confに付け足せばよい。これでftpの手間がなくWindows上から直接htmlファイルを更新できるようになる。
ボールド(太字)になっているのが追加した個所だ。それ以外は,インストール時に標準で用意されている設定である。
[global]
coding system = cap
client code page = 932
workgroup = DELL
netbios name = speed-ps
server string = Samba %v
encrypt passwords = Yes
password level = 8
username level = 8
log file = /var/log/samba/log.%m
map to guest = Bad User
socket options = TCP_NODELAY SO_RCVBUF=8192 SO_SNDBUF=8192
dns proxy = No
guest account = smbguest
os level = 65
[homes]
comment = %U's Home directory
read only = No
browseable = No
[printers]
comment = All Printers
path = /var/spool/samba
print ok = Yes
browseable = No
[public_html]
comment = Web Space
path = /usr/local/apache/htdocs
browseable = Yes
最後に起動させるには,次のように指定すればよい。RPMの場合には,自動起動スクリプトも所定のディレクトリにインストールされるため容易だ。
# /etc/rc.d/init.d/smb start
Starting SMB services: [ OK ]
Starting NMB services: [ OK ]
# ps ax|grep smb
993 ? S 0:00 smbd -D
インターネットに公開するためには
ダイヤルアップルータのNAT設定
Apacheでホームページ更新する場合はもちろん,LAN内で構築したPS2サーバのインターネットサービス(Webサーバ,ネームサーバなど)を公開するためには,一般的にダイヤルアップルータのNAT機能を利用する。
今回は,Apacheと後述するSSHのポート番号が開かれていればよい。ダイヤルアップルータでは,次のようにNAT設定を定義する(ここではMN128-SOHOでの例)。
MN128SOHOの場合では,次のようなNAT設定を直接記述するには「ファイルに保存」のリンクをクリックして設定一覧を表示させる
ip nat 1 192.168.0.200/tcp/www ipcp remote *
ip nat 3 192.168.0.200/tcp/22 ipcp remote *
ip nat 7 192.168.0.200/icmp ipcp remote *
ip nat 8 */*/* ipcp remote *
上記のNATは,「www」,「22」(SSH),「icmp」を通すよう設定しているものだ。下の2行は,お決まりのものとして捉えておくのがよいだろう。