・Hancom Presenter 2.0の互換性
最後に、Hancom Presenter 2.0で、Microsoft PowerPointのファイルを読み込んでみよう。ここでは、Fig.14に示すプレゼンテーションファイルを読み込ませてみる。このプレゼンテーションファイルには、GIF形式画像が張り込まれている。
Fig.14に示した以外にも、幾つかのプレゼンテーションファイルで試してみた。しかし特に目立った問題は見られず、Hancom Officeの中で最もマイクロソフトOfficeとの互換性が高いと思われる。
そうとはいえ、フォントの問題から行あふれが生じておかしな部分で改行されてしまったり、行頭に「、」や「。」などの禁則文字がきてしまうといった点も見られた。これはフォントによる問題なので回避することができない。
完全に回避したいのであれば、Windows側でRed Hat Linux上と同じくダイナフォントを用いてMicrosoft PowerPointプレゼンテーションファイルを作成するしかない。
・Hancom OfficeからMicrosoft Officeへの互換性は完全
さて、ここまではMicrosoft OfficeからHancom Officeへの互換性を挙げてきた。逆に、Hancom OfficeからMicrosoft Officeへの互換性はどうなのだろうか。
結論からいうと、Hamcom Office上でMicrosoft Office形式に保存した文書は、どれも問題なく読み込めた。前述したようにフォントが異なることから起きる問題はあるものの、結果は良好だ。筆者が試した限りでは、Hancom Officeで作成した文章をMicrosoft Officeで読み込んだ際、文字化けやオブジェクトが表示されないなどという問題は発生しなかった。
ここまで説明してきた結果をまとめるならば、Microsoft Officeで作成したファイルをHancom Officeで読み込むというのはやや難があるといえる。しかし、付け加えておくならば、これはX Window上での日本語環境問題のためHancom Office 2.0Jの問題だとは言い切れない。互換性が完全ではないから使えないというのは簡単な結論であるが、機能面でも充実しているし、現在のところLinuxで動作するオフィスパッケージとしては出来のよいソフトであることは確かだ。
クライアントとしてのソフトが少ないと言われているLinuxであるが、Do Office2を使えば、Linuxだけでビジネス文章を作ることができるようになることは間違いない。
使いこなしとして、Linux環境のみであればDo Office2を用いてファイル作成すればよいだろう。しかし、現実的には、他人からMicrosoft Officeで作成されたファイルをもらい、それを開かなければならないといったこともあるだろう。そういった点において、もしMicrosoft Officeで作成した既存のファイルがたくさんあり、Linux環境で置き換えることができるのか? という目的は厳しいかもしれない。
しかしそうではない環境、例えばLinux上のワープロソフトや表計算ソフトがほしい、という目的であればDo Office2を導入する価値は高いといえる。
Do Office2は、インストールもCD-ROMからinstallコマンドを実行するだけでできるという簡単な構成である。Linuxのコマンドを利用しなくても扱えるため、X Window上の操作だけで済ますことができる。
HancomのWebサイトからは、30日間限定のHancom Office体験版をダウンロードすることもできる。興味がある人は、ダウンロードして、実際に使ってみるとよいだろう。
Do Office 2
●動作環境:
PC/AT互換機(推奨Pentium以上)、64Mバイト以上のメモリ(推奨128Mバイト以上)、空きディスク容量1.2Gバイト以上
●価格:
24,800円、アカデミック版は19,800円
●問合わせ先: