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Chapter 8:プレゼンテーション層の構築
8.2 ASPによるプログラミングの基礎
IISの設定の説明がかなり長くなってしまったが,ここからASPを使ってどのようにプログラミングするのかについて説明する。
ただし,ASPにはかなり多くの機能が含まれるため,全部を紹介することは到底できない。そこで本稿では,Webアプリケーションの開発に必須といえる主要な機能を説明するに留める。より詳細は,IIS 5.0に付属のオンラインヘルプ(http://localhost/IISHelp/で参照できる)や,拙著『Windows NT 4.0 Webアプリケーション構築ガイド Phase1 IIS+Accessによるデータ連携』,『Windows NT 4.0 Webアプリケーション構築ガイド Phase 2 IIS 4.0によるサーバーサイドプログラミング』を参照してほしい。
8.2.1 基本的なASPプログラム
まずは,非常に簡単なASPプログラムを作りながら,どのようにしてASPを使ってプログラムを構築すればよいのかについて説明する。
「8.1.2 Webアプリケーションの動作」でも少し説明したように,デフォルトでは拡張子が.aspであるファイルをIISで公開した場合に,そのファイルがASPに読み込まれて解釈実行される(Fig.8-5を参照)。
つまり,ASPを使ってWebアプリケーションを構築するには,実行させたい処理を拡張子.aspのファイルに記述するということになる。
拡張子の設定は,サイトや仮想ディレクトリのプロパティにおいて[アプリケーションのマッピング]ページ(Fig.8-14)で設定した内容による。
拡張子が.aspであるファイル(以下ASPファイルと称す)には,次のいずれかの方法でスクリプトを記述する。
SCRIPTエレメントで括る
1つ目の方法は,次のようにしてSCRIPTエレメントで括った部分にスクリプトを記述する方法である。
<SCRIPT
LANGUAGE="スクリプト言語名"
RUNAT=Server>
スクリプト
</SCRIPT>
スクリプト言語名には,実行したいスクリプトの言語名を記述する。VBScriptであれば“VBScript”,JScriptであれば“JScript”と記述する。<% %>で括る
もう1つの方法は,次のようにして<%と%>でスクリプトを記述する方法である。
<%
スクリプト
%>
<% %>で括る記述法では,サイトまたは仮想ディレクトリのプロパティにおける[アプリケーションの構成]の[アプリケーションのオプション]ページにある[既定のASPの言語]で指定した言語で記述することになる(Fig.8-15を参照)。
どちらの記述方法を使っても,処理そのものは変わらない。本稿では,簡便である2.の方法を使ってスクリプトを記述することにする。
<% %>で括ってスクリプトを記述する場合,スクリプトに“%>”が含まれていると,スクリプトの終わりと勘違いするため,“%\>”と記述しなければならない。たとえば,<% %>内に“<TABLE WIDTH=100%>”のような文字列表記がある場合,それは“<TABLE WIDTH=100%\>”と記述しなければならない。
では,SCRIPTエレメントや<% %>で囲まれていない部分――つまり,スクリプトではない部分――の処理はどうなるかというと,それは単なるHTMLとして解釈される。一般には,HTMLの出力の先頭にはHTMLエレメント,BODYエレメントなどが必要であるから,ASPファイルの基本的な構造としては,次のようになるだろう。
<HTML> <BODY> <% スクリプト %> </BODY> </HTML>
SCRIPTエレメントや<% %>は,1つのASPファイル中にはいくつ出てきてもよい。たとえば,次のように記述することも可能である。
<HTML> <BODY> <H1>見出し1</H1> <% スクリプト1 %> <H2>見出し2</H2> <% スクリプト2 %> </BODY> </HTML>
もう少し簡単にいえば,SCRIPTエレメントや<% %>で括られたスクリプトはASPによって実行され,その出力がHTMLテキストとして埋め込まれることになる。上の例であれば,ASPによって実行したときの出力は次のようになる。
<HTML> <BODY> <H1>見出し1</H1> スクリプト1の実行結果 <H2>見出し2</H2> スクリプト2の実行結果 </BODY> </HTML>
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