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Directory first step 4...
ディレクトリサービスを支えるテクノロジ群

 本稿の執筆時点で市場に出荷されているディレクトリ関連製品は,まだ技術的に成熟しているとはいいがたい。たとえば,ディレクトリで管理するオブジェクト,オブジェクトの格納形式,ポリシー情報の格納形式,異種ディレクトリ間の同期方法など,必ずしも標準が策定されているわけではない。

注意 米国の標準化団体DMTF(Desktop Management Task Force)が,ルータ,ハブ,ファイアウォールなどのネットワーク機器をディレクトリオブジェクトとして管理するための仕様として,DEN(Directory-Enabled Network)を策定中である。DENは,1997年9月にMicrosoftとCisicoによって共同発表されたあと,標準化作業はDMTFに引き継がれている。詳細はDENのWebサイトを参照してほしい

 また,最近のディレクトリやディレクトリサービスは,ほとんどが業界標準となっている技術を基盤として開発されているが,これとても,完全に準拠しているとは限らないし,仕様が固定されているわけでもない。したがって,同じ標準に準拠しているからといって,必ずしも異なるベンダーのディレクトリサービス間で互換性が保証されているわけではなく,相互運用できる保証もないのである。

 そうはいっても,ディレクトリサービスを支えるテクノロジ群について学んでおくことは,システム全体を検討するうえでも極めて重要である。そこで本節では,各ベンダーのディレクトリ関連製品で採用されているテクノロジのうち,重要と思われるものを選りすぐって概略を説明する。

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